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玉蜀黍倶楽部コミュのライオンになりたかったピコ

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ライオンになりたかったピコ

ながいながい いばらのトンネルのおくに、 いっぴきの のうさぎがすんでいました。
なまえは ルウ。

ルウは、ずっとひとりぼっち。
まいにち いばらのつぼみをたべて おひるねをしてすごしていました。

「いばらのトンネルのむこうは、なにがあるんだろう。いちどでいいから、でかけてみたいな」
ルウは、ずっとそうおもっていました。
でも、こわくて でかけるゆうきがありませんでした。

ずっとまえに、トンネルのそとにでかけていった、ルウのママが、かえってこなくなったからです。

「かわいそうに。きょう、いばらのもりのそとで、うさぎがライオンにたべられるのをみたよ」
「ほんとうにかわいそうだね。でも、おひるにでかけたのが、いけなかったんじゃないのかな」
「のこされたぼうやは、もっとかわいそうだね」

ママが、かえってこなくなったよるのことです。
いばらのトンネルのうえで、こおろぎのおばさんたちがはなしているのを、ルウはきいてしまいました。
ルウは、ママが、ライオンにたべられてしまったということをしりました。

「いばらのトンネルのそとにでたら、ライオンにたべられてしまうんだ」

ルウは、そのひから、いばらのトンネルのそとにでるのをあきらめました。
ほんとうは、いばらのトンネルのそとにでてみたかったのですけど、こわくてこわくてしかたがなかったのです。

あるひのこと。
いばらのつぼみを、おなかいっぱいたべて はなびらでつくったベットでねていたら、
なんだか、からだがむずむずしてきました。

それでも、がまんしてねむっていたのですけど、くすぐったくてたまらなくて、とうとう ベットからとびおきてしまいました。

ベットから、とびおきてみたら、びっくり! 
ベットのしたから、だれかがのぞいています。

おそるおそるちかづいてみると、もぐらさんでした。

「かってにぼくのおうちにはいってくるな! でていけ! でていけ!」

ルウは、いばらのえだをおって、もぐらさんにぶつけました。
もぐらさんは、あわててつちのなかに、もぐっていってしまいました。

「ああ、おどろいた。こわかった。いばらのトンネルのなかにいてもあぶないのかな。こんどは、ライオンがやってくるかもしれない。どうしよう。どうしよう」

ルウは、こわくてねむれなくなってしまいました。でも、いばらのはなのかおりをかいでいるうちに。だんだんねむくなって、すうすうねむってしまいました。

よくあさのこと。
めをさますと、ルウは、ベットのそばに、おてがみがあるのをみつけました。

「だれからのおてがみだろう?」 

ひらいてみると、きのうのもぐらさんからの、おてがみでした。

「のうさぎさんへ
 おどかしてしまって、ごめんなさい。
 おうちのなかに かってにはいるつもりはなかったんです
 いちどでいいから、つちのなかから、そとにでてみたかったんです。
 
 そしたら、きみのベットのそばにでてきてしまったんです。
 ほんとうにごめんなさい。ゆるしてね」

「おそとにでてみたかったんだ……かわいそうなことをしちゃったなあ」

ルウもずっと、いばらのトンネルのそとに、でてみたいとおもっていました。
だから、もぐらさんのきもちは、よくわかります。
それなのに、いばらのえだをなげつけたりしてしまって、わるかったとおもいました。

おてがみがおいてあったそばをみると、ちいさなあながあいていました。
きっと、もぐらさんが、つちのなかからでてくるときに、あけたにちがいありません。

ルウは、ちいさなあなにちかよると、おおきなこえでいいました。

「おおい! もぐらさん。おてがみをよんだよう。おこったりしないから、あそびにおいでよ」

「ほんとう?」
ちいさなあなのむこうから、もぐらさんのこえがしました。

「ほんとうだよ。おこったりしないから、あそびにおいでよ」

「ありがとう、ありがとう。あそんでくれて、ありがとう」
もぐらさんは、おおいそぎで、ちいさなあなからでてきて、ルウにおれいをいいました。

ルウは、もぐらさんをだきあげると、いばらのはなびらでつくったいすに、すわらせてあげました。

「ぼくはルウ。きみは?」
「ぼくはピコ。もぐらのこだよ。あそんでくれてありがとう。きみのおうちは、すてきなところだね。ゆうきをだして、つちのそとにでてきてよかった」

ピコは、ルウのおうちのなかにあるものがめずらしくて、きょろきょろながめています。

ルウは、ピコのようすがおかしくてたまりませんでした。でも、はじめてのおともだちができて、うれしくてたまりませんでした。

「ねえ、ピコ。つちのそとにでてみたかったって、おてがみにかいてあったでしょ? どうしていままで、おそとにでようとおもわなかったの?」

「こわかったんだ。ママが、おそとにでたら、かえってこなくなっちゃ ったから。ぼくのママは、たいようにたべられたんだって。それから こわくて、つちのそとにでなくなったんだ。
 でも、ゆうきをだして、でてきてみてよかった」

 ルウは、ピコがよろこんでいるのをみて、すこしかなしくなりました。
 いばらのトンネルのなかは、たしかにつちのそとだけど、ほんとうはもっともっとひろいばしょがあるのをしっているからです。

「ねえ、ピコ。ここはたしかにつちのそとだけど、ほんとうはもっとひ ろいばしょがあるんだよ」

「ほんとう? ねえねえ、つれていって、つれていって」
 ピコは、おおはしゃぎ。

「そうしたいんだけど、こわいんだ。ぼくのママも、いばらのトンネル のそとにでたら、たべられちゃったから」
「たいように、たべられちゃったの?」

「ちがうよ。たいようは、どうぶつをたべたりしないよ。ぼくのママ  は、ライオンにたべられたんだ。ピコのママも、きっとそうだよ」

 ルウがかなしそうなかおをするのをみて、ピコもかなしくなりました。

「そうなんだ。ライオンってそんなにこわいんだ」
「とってもおおきくて、がおーってさけんで、ほかのどうぶつをたべち ゃうんだって」

「こわいね。こわいね。でもルウは、おそとにでてみたいんでしょ?」
 ピコは、ルウのおめめを、じっとみつめました。

「おそとにでてみたいよ。でも、たべられるのはいやだ」
「だいじょうぶ。ぼくにいいかんがえがある。ライオンにであっても、 ぜったいにたべられたりしないよ。
 ねえ、いまからおそとにでてみない?」

 ルウは、ピコのいうことがしんじられませんでした。でも、おそとにでたくてしかたありません。

「だいじょうぶ。ぼくがまもってあげるから。ゆうきをだして」
 ルウは、ピコのいうことをしんじて いばらのトンネルのそとへでか けることにしました。

「よし、しゅっぱつ!」 

 ルウは、ピコをせなかにのせて、いばらのトンネルを、ずんずんすす んでいきます。

 しばらくあるくと、いばらのトンネルのうえから、たいようのひかり がてらしてきました。いよいよ、トンネルのでぐちです。

「だいじょうぶ。ゆうきをだして!」
 ルウは、ピコにはげまされて、トンネルのそとにでました。すると、 どうでしょう。

 トンネルのそとは、みたこともないくらい、ひろいひろいはらっぱで した。
 
「すごいすごい! こんなにひろいばしょがあったんだ!」

ルウはとピコは、おおはしゃぎ。ルウは、ピコをせなかにのせたまま、はらっぱをはしりまわりました。
  
クローバーのじゅうたんのなかでかくれんぼ。
おおきなバオバブのきのしたで、ひとやすみ。

みつばちさんたちからわけてもらった、あまいあまいはちみつをたべて、うっとり。

すずしいかぜにふかれて、とてもいいきもちです。

「なあんだ。こんなにたのしいところがあるんなら、もっとはやく、お そとにでてみればよかった」

ルウがにっこりわらうのをみて、ピコもにっこり。
ルウとピコは、むちゅうになってあそびました。

たんぽぽのわたげを、とばしてあそんでいたら、あっというまにゆうがた。
いつのまにか、オレンジいろのひかりが、あたりをてらしていました。

「ピコ、そろそろいばらのもりに、もどろうか。ライオンがきたらこわ いしね」
「そうだね。そうしよう」

ルウは、ピコをせなかにのせると、いばらのもりにむかってあるきだしました。そのときです。
 
しろつめくさのじゅうたんのむこうから、おおきなどうぶつが、あらわれました。

「がおー」

おおきなどうぶつは、ルウとピコをみつけると、おおきなこえで。ほえました。

「ライオンだ! どうしよう。ぼくたち、たべられちゃうよ」
ルウはこわくて、がたがたふるえだしました。

「だいじょうぶ。ぼくにまかせて」

ピコは、ルウのせなかのうえでたちあがると、りょうてを、おおきく ひろげました。

ゆうがたのおひさまのひかりにてらされて、ぢめんのうえに、ながいながいピコのかげがうつりました。

ぢめんにうつった、ピコのおおきなおおきなかげをみて、ライオンはびっくり。

ライオンは、じぶんよりも、ピコがずっとずっとおおきいとおもったのでしょう。
ライオンはこわくて、がたがたふるえだしました。

「がおー、がおー、はやくむこうへいけ。むこうへいかないと、おまえ をたべちゃうぞ」

ピコは、りょうてをたかくあげて、ライオンにむかっていいました。

「うひゃあ! たすけてえ」

 ライオンは、ピコのこえをきくと、いちもくさんに、にげだしました。

「あっはっは! よわむしよわむし やーいやーい」

ルウとピコは、おなかをかかえて、おおわらいしました。

「ピコ、たすけてくれてありがとう。じゃあ、いばらのもりへかえろう か」

ピコは、へんじをしませんでした。

「ピコ、どうしたの?」

ルウのせなかのうえで、ピコはうごかなくなってしまっていました。

「ピコ、ピコ、どうしたの? へんじをして!」

ずっとずっと、つちのなかでくらしていたピコは、おひさまのひかりをあびすぎて、すっかりからだがよわってしまっていたのでした。

ピコは、かみさまのところへいくじゅんびをはじめていました。

「ピコ、ピコ、ずるいよ。せっかくおともだちになったんじゃないか。 とおくへいっちゃいやだよ。ずっといっしょにいようよ」

でも、もうおそすぎました。

そらからにじいろのひかりがさしてきて、たくさんのてんしが、ピコをかみさまのところへ、つれていこうとしていました。

「ルウ、ルウ、せっかくおともだちになれたのに、ずっといられなくて ごめんね。
 でも、とってもたのしかったよ。

 きみとおともだちにならなかったら、ぼくはずっと、つちのなかのこ としかしらないままだった。
 
 きみのせなかにのって、はらっぱをはしりまわったりすることなんて できなかったし、クローバーのなかで、かくれんぼをしたり、バオバ ブのきのしたで、みつばちさんから、はちみつをわけてもらえること もなかった。
    
 とてもとてもたのしかったよ。ぼくはきみにあえてしあわせだった  よ。だから、もうなかないで」

「いやだよいやだよ、こんなことになるなら、トンネルのそとにでなけ ればよかった」
ルウは、こえをあげてなきました。

ウが、あまりにおおきなこえで、なくので、てんしたちはすっかりこまってしまいました。

「ルウ、よくおききなさい。ピコはいなくなるわけではありませんよ。 これからピコを、かみさまのところにつれていって、またふたりであ そべるように、おねがいしにいくのです」

「ほんとう?」
まっかになきはらしたおめめをしたまま、ルウがたずねました。
てんしたちは、にっこりわらってうなずきました。

「そうだよ。ぼくは、いなくなるわけじゃないよ。ぼくはね、かみさま におねがいして、ライオンにしてもらうんだ。
 そして、ルウといっしょにおそとであそぶんだ。ライオンになったぼ くがいっしょなら、おそとであそぶのもこわくないでしょ?」
ピコは、ルウにやさしくはなしかけました。

「ほんとう? ほんとう? またいっしょにピコとあそべるんだ」
ルウは、すっかりなきやんで、にっこりわらいました。

そのときです。そらから、にじいろのひかりがさしてきて、かみさまがおいでになられました。

かみさまは、ともだちをだいじにするピコのきもちを、とてもうれしくおもいました。
そして、おねがいどおり、ピコをライオンにかえました。
      
ライオンになったピコをみて、まわりにいたてんしたちは、びっくり。
でも、ルウはびっくりしませんでした。

こわくなんかありません。
ライオンになっても、なかみは、やさしくてあたまのよいピコなのです。

「こんどは、ぼくがルウをせなかにのせてあげるよ。いばらのもりへか えろう」

ライオンになったピコは、ルウにいいました
ルウが、せなかにのると、ピコはすばらしいはやさで、かけだしました。

「すごいすごい! ピコすごいよ。ぼくがはしるよりはやい!」

「やっぱりおそとはたのしいね。これからはまいにちおそとであそぼうね」

ピコは、すごいはやさではしれるようになったことが、うれしくてたまりませんでした。

ライオンになって、ルウをずっとまもってあげられるのが、うれしくてたまりませんでした。
       
「かみさま、ありがとう」
ルウとピコは、そらのうえにかえっていくかみさまに、おれいをいいました。
かみさまは、ふたりがなかよくあそんでいるのをみて、ピコをライオンにしてあげてよかったとおもいました。

ライオンになったピコは、ルウといばらのもりでくらしました。

そして、まいにちおそとにでて、かけっこをしたり、バオバブのきのしたで、みつばちさんからもらった、おやつのはちみつをたべたりして、たのしくすごしました。
      

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