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玉蜀黍倶楽部コミュのさぼちゃんのおぼうし

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広い広い草原に、いっぴきのひつじさんが住んでいました。

白くてふわふわな毛につつまれた元気な元気な男の子。
名前はめえちゃん。

めえちゃんは、とってもくいしんぼう。
おいしそうなものを見つけると、なんでも食べてしまいます。

「くろーばーの葉っぱだ。うまそうだ。おいしいおいしい。めえめえめえ」

「いいにおいのするおりーぶだ。うまそうだ。おいしいおいしい。めえめえめえ」

「あまいあまいいちじくだ。うまそうだ。おいしいおいしい。めえめえめえ」

あんまりめえちゃんが食いしんぼうなので 草原のみんなはこまっていました。

食いしんぼうなだけではありません。
とってもらんぼうなので、めえちゃんは、一人もお友だちがいませんでした。

「どけどけ。そのみずうみは、ぼくが水あびするんだ」

「どけどけ。そのれんげそうのベットは、ぼくがおひるねにつかうんだ」

「どけどけ。そのりんごの木のぶらんこは、ぼくがひとりであそぶんだ」

草原のみんながあそぶ場所は、めえちゃんがぜんぶひとりじめ。

「あんならんぼうなやつ、あそんであげるもんか」

とうとう、草原のみんなは、かんかんになっておこりました。
ことりさんも、いのししさんも、うさぎさんも、めえちゃんをおいて
どこかへ行ってしまいました。

「あれれ? みんないなくなったぞ」

みんながいなくなると、めえちゃんはさみしくてたまらなくなりました。

なみだが、ぽろり、ぽろり、ぽろり。

でも、だれもめえちゃんをなぐさめてくれません。
どれくらいないていたでしょう。

めえちゃんは、おなかがすいてたまらなくなりました。

「おなかがすいたなあ。どうしよう」

めえちゃんは、食べものをさがして、ひとりでそうげんを歩きました。

「だれだろう? だれかいるぞ」

しばらく歩くと だれかが立っていました。
そっと近づいてみると、それは大きなさぼてんでした。

「わあいわあい。うまそうだ、うまそうだ。うまそうなさぼてんだ」

くいしんぼうのめえちゃんは、おおよろこび。
おなかがぐうぐう。もうがまんができません。

「いただきまあす」

めえちゃんが、さぼてんを食べようとしたときです。

「食べないで」

どうしたことでしょう。さっきまで じっと立っていたさぼてんが
大きな声を出しました。

「ひゃあ、さぼてんがしゃべった」

めえちゃんは、びっくりして、ひっくりかえってしまいました。

さぼてんは、大きなりょうてでおいのりしながら、めえちゃんにいいました。

「食べないで食べないで。ぼくを食べてもおいしくないよ。
 とげとげがじゃまで、おいしくないよ。おねがいだから、ぼくを食べないで」

大きなさぼてんは、めえちゃんに なんどもおねがいしました。
めえちゃんは、さぼてんに、かわいそうなことをしたと思いました。

「さぼてんさん、しんぱいしないで。食べたりしないよ」

「ほんとう?」

「うん、ほんとう。食べたりしないよ」

「わあい。わあい。ありがとう」

大きなさぼてんは、りょうてでばんざいしながらよろこびました。
めえちゃんは、大きなさぼてんがよろこんでくれて、うれしいと思いました。

それにもう、ひとりぼっちじゃありません。さみしくありません。
めえちゃんは、、おなかがすいたのもわすれてしまいました。

「ぼくは、めえちゃん。きみは?」

「ぼくは、さぼちゃん。ずっとここにいるさぼてんだよ」

「ひとりぼっちなの? いつからここにいるの?」

「わからない。おはなししたのは、めえちゃんがはじめてだよ。
そうだ。食べないでくれたおれいに、体にブラシをかけてあげるね」

さぼちゃんは 大きな手をのばして めえちゃんの体をなでてくれました。

さぼちゃんの大きな手にはえたとげとげが、ブラシのようになって、
めえちゃんの体をなでました。

「さあ、これでだいじょうぶ。ふわふわのぴかぴかだよ」

さぼちゃんにブラシをかけてもらって、めえちゃんは、ふわふわのぴかぴか。
まっしろな毛がふわふわになって、とてもきれいになりました。

「なんだか、とってもきれいになったぞ。さぼちゃん、ありがとう」

「いいえ どういたしまして」

さぼちゃんは、にっこりわらいました。

「あれれ? さぼちゃんのおててに、
 ぼくのふわふわな毛がたくさんくっついちゃった」

「ほんとだ。めえちゃんのふわふわな毛がたくさんくっついちゃった。
 これはもったいない」

さぼちゃんは、頭の上にはえた長いとげとげぬくと、
めえちゃんのふわふわな毛を長い長い毛糸にしました。

そして、長いとげとげをじょうずに使って小さなぼうしをあみました。

「はい、あげるよ。かぶせてあげようね」

さぼちゃんに、ぼうしをプレゼントしてもらってめえちゃんは おおよろこび。
でも、ちょっとだけさみしくなりました。

「どうせなら、草原のみんなにもあげたいなあ」

「どうしたの?」

めえちゃんは、さぼちゃんにほんとうのことを話しました。
さぼちゃんは、めえちゃんが、草原のみんなとけんかしてしまったことを知りました。

さぼちゃんは、なかなおりができなくなってしまって、
ひとりぼっちになっためえちゃんを、かわいそうだと思いました。

「そうだ。ひょっとすると、みんなとなかなおりできるかもしれないよ」

「ほんとう?」

さぼちゃんは、頭の上にはえたとげとげをぬくと、小さなふえを作りました。
そして、じょうずにふえをふきました。

とてもきれいな音は、めえちゃんをおいていった草原のおともだちにも聞こました。

「なんだろう? なんだろう? とてもきれいな音がするよ」

「なんだかわくわくするね」

草原のみんなは、耳をすましてふしぎなふえの音をききました。
そして、もっと近くで聞いてみたくなって、ふえの音が聞こえる方へ歩きだしました。

草原のみんなは、さぼちゃんの近くまでくると、びっくりしました。
みんなにいじわるをした、めえちゃんがいたからです。

「あいつがいるってことは、近くにいくと 、またいじわるをされるかもしれないぞ」

「そうだそうだ。あのきれいなふえの音も 
 またぼくたちに、いじわるをするためのものにきまってるよ」

めえちゃんは、みんなの話し声を聞いてがっかりしました。 

でも、さぼちゃんは ぜんぜんへっちゃら。

また、頭の上の長いとげとげをぬいて、すごいはやさで ぼうしをあみました。

「いいないいな。すてきなぼうし、わたしもほしいな」

まっしろで、ふわふわな毛糸でできた小さなぼうしをみて、
りすさんがいいました。

「このぼうしは、りすさんにあげるよ。りすさんだけじゃないよ。
 めえちゃんが毛糸をたくさん作ってくれたから、
 みんなにも新しいぼうしをあげるよ」

「めえちゃんが? ほんとう? わあいわあいありがとう」

白いふわふわな毛糸でぼうしをあんでもらって、草原のみんなはおおよろこび。
さぼちゃんは、大急ぎでみんなのぼうしをあみました。

ことりさんにはちいさなぼうしを。

いのししさんには おおきなぼうしを。

きつねさんには、しゃれたぼうしを。

さぼちゃんは、大急ぎでぼうしをあみました。

みんな温かいぼうしをあんでもらって、大よろこび。

「めえちゃん、ありがとう。さぼちゃん、ありがとう。これからもよろしくね」

さぼちゃんは、新しいおともだちがたくさんできておおよろこび
めえちゃんは、草原のみんなとなかなおりできておおよろこび。

草原のみんなは、さぼちゃんとおともだちになれておおよろこび。

それから、めえちゃんは、みんなにいじわるをしなくなりました。

大すきないちじくもおりーぶも、みんなでわけて食べるようになりました。
大すきなりんごの木のぶらんこも、ひとりじめしなくなりました。

そして、さぼちゃんがさみしくないように 草原のみんなを
いつもつれてきてあそぶようになりました。

さぼちゃんは、みんなといっしょにいられるのがうれしくて、
いつもふえをふいたり めえちゃんがくれた毛糸で、みんなのぼうしをあんで 
楽しくすごしました。

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