最初に訪れた地はプサンだった。
私の計画(内容的には無計画だが)は、まず、南（さらに南もあるが）に下り、そこからソウルに向け、徐々に北へと旅するというものだった。
プサンの第一印象は、本当に港町だなというものだった。
大袈裟に言うと、町全体が魚とキムチの匂いに覆われていて、韓国2番目の大都市にしては、意外に（時代が時代だったが）生活感が感じられる街だった。
食事は必ず市場で、多くの人々と触れ合いながらするように心がけた。
出会う人、みなが心から私という日本人に興味を持ってくれ、また関心を示してくれた。
宿は行き当たりばったりでその都度、民宿に泊まっていたが、夜は少し肌寒いにもかかわらず、クモンカゲ(個人が経営する、街のあちらこちらにある小さなスーパー)で焼酎(グリーン)一本(当時で30〜40円くらい)を買ってきては、宿先で飲んでいた。
すると毎回必ずと言っていいほど、近所の韓国人が話しかけてくれ、一緒に飲み、語り合いながら、楽しいひと時を過ごすことができた。
ヒラメの刺身が美味しかったのが一番印象に残っている。
居心地は良かったが、限られた期間での旅だったため、3泊4日でプサンを後にした。
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