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コチーク表参道コミュの山村賢明さんの遺稿集

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 2002年に亡くなられた立教の教育社会学者、山村賢明さんの、本になっていなかった論文を集めた論集が出た。

○ 山村賢明著 (門脇厚司・北澤毅編) 『社会化の理論−教育社会学論集』 世織書房 2008 (4,400).
 http://www.amazon.co.jp/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%8C%96%E3%81%AE%E7%90%86%E8%AB%96%E2%80%95%E6%95%99%E8%82%B2%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6%E8%AB%96%E9%9B%86-%E5%B1%B1%E6%9D%91-%E8%B3%A2%E6%98%8E/dp/4902163381

 収録論文のなかで、このコミュニティ (おーい、みんなまだ居るかーい?) の趣旨に関連するのは、たぶん次の2本の論文ぐらい。

 5章 解釈パラダイムと教育研究−エスノメソドロジーを中心にして
 6章 教育社会学の研究方法−解釈的アプローチについての覚え書き

 でも、そうした研究内容を超えて、山村さんは、日本に構築主義 (社会問題研究系の) を導入するのに、大きな役割を果たした人だ。 そこで、for a record って感じで、事実関係をちょこっとメモしておくことにする。

  ***
 山村さんは、シクレルとキツセの『だれが進学を決定するか』(1963=85)の訳者だ。 翻訳して親交ができたのか、それとも、親交があったから翻訳をしたのかは、よく知らないが、山村さんと日系2世のキツセは友人で、帰国子女問題についての共同研究もしている。

 山村さんを介して、キツセ流の構築主義や、シクレル系の教育のエスノメソドロジーが、若手の教育社会学者のグループの中に広がっていった。 『少年犯罪の社会的構築』の北澤毅さんなども、そのグループの1人だ。

 社会問題の構築主義のバイブル、『社会問題の構築』の翻訳にも、山村さんが一役買っている。
 キツセさんから山村さんのところに来た翻訳の打診を、山村さんが宝月誠さんに振り、宝月さんが村上直之さんに振り、村上さんが鮎川潤さんと中河伸俊に手助けを頼み、その結果、キツセさんのDの学生、森俊太さんの下訳に3人が徹底的に手を入れる形で、訳稿が仕上げられた。 (いま見ると、直す余地がかなりある訳文だけど、でも、し直して出すだけの価値は、認めてもらえないだろうな。)

 ごちゃごちゃ書いたけど、山村さんがいなかったら、社会問題の構築主義が、日本にこんなふうに受容されることはなかっただろうな、というお話。
 山村さんが亡くなったとき、キツセさんはすごく淋しがっていた。 そのキツセさんも、鬼籍に入った。 ポルナーさん、ウィーダーさんと、あの世代のEMやその周辺の人たちが次つぎ物故し、時の経過をいやでも感じさせられる昨今。
 かれらに比べて、さて、ぼくらの世代は、いったい何を残せるのか?

コメント(1)

>山村さんは、シクレルとキツセの『だれが進学を決定するか』
>(1963=85)の訳者だ。 

大変苦労されたそうで、

>社会問題の構築主義のバイブル、『社会問題の構築』の翻訳にも、
>山村さんが一役買っている。
>キツセさんから山村さんのところに来た翻訳の打診を…。

ということに相成ったという話をご本人から伺ったことがあります。

ありし日の柔和な笑顔を偲びつつ…。


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