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コチーク表参道コミュのハッキング『何が社会的に構成されるのか』

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Ian Hacking 1999年の著作、「The Social Construction of What」
http://d.hatena.ne.jp/asin/0674004124/niklasluhmann-22
の翻訳。岩波に告知が載りました。

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イアン・ハッキング(出口康夫&久米暁 訳)
■体裁=四六判・上製・カバー・280頁
■定価 3,570円(本体 3,400円 + 税5%)
■2006年12月22日
■ISBN4-00-024159-1 C0010
〈サイエンス・ウォーズ〉として脚光を浴びた〈社会的構成〉をめぐる論争は,いかなる哲学的意味を持つのか.該博な知識と犀利な分析と軽妙な語り口によって錯綜した議論の状況を解きほぐすハッキングの腕が冴えわたる.現代の代表的な科学哲学者が渦中から距離を置き,冷静な態度でいち早く著した定評ある分析.
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/1/0241590.html

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ところでタイトルで検索したらこんなレビューページが....
http://www.complete-review.com/reviews/hackingi/scofwhat.htm

コメント(23)

訳者さんは、科学哲学系のかたですね。社会学者が訳すよりも(ry
出るんですねえ。苦労して訳したこと(もちろんほんの一部分ですが)とか思い出すと感慨深いです。いい訳だといいですね。

>訳者さんは・・・
まったく、翻訳が出るたびに翻訳者の「毛色」が違いますね、ハッキングは。確かに、この本は社会学者にはちと厳しい。でも、こんなこと言ってたら本当はダメなんですけどね。
 訳されるべき本だったので、大歓迎です。 「構成」使ってるんですね。 (私の岩波メモに、また×が1つ。 ←冗談ですってば。)

 ハッキング氏の議論については、私的には、勉強になるところ、ちょっと距離を感じるところ、でもそれなりに誠実で好感を持てるところ、といろいろです。 (と、偉そうにいうほど、ちゃんと読んでないんですが。)

 米国では結構好評みたいで、最近じゃ、社会問題の構築の人も、儀礼的に引用してたりします。

>レビューページ

 ガーゲンもローティも、べたほめですね。
「紙数の都合」だそうです♪(でも買っちゃいました〜エヘ)
 そろそろ、この本についての議論があってもいいと思うのですが、それはさておき。

 北田暁大さんが、朝日新聞に、この本の書評を書いたんですってー!! 「簡にして要を得た書評」だったという噂を、今日耳にしました。
 困るなー、そういう重大情報は、ここにアップしてくれないと。 (いえ、じつはうちも朝日とってるんですけど、最近はページを開かない日が多くて・・・。)

 何日付のに載ってたのか(日曜の書評欄で、ここ1ヶ月以内らしいんですけど)、ご存知の方は、ご教示ください。
朝日新聞(朝刊) 2007年2月25日

と、岩波のサイトにありました。
以下のページで読むことができるようです。

http://book.asahi.com/review/TKY200702270285.html
>めりーさん、al-hayatさん

 ありがとうございます。 読めました!
 ミニサイズのほうの書評だったんですね。

<「構成主義か否か」ではなく、「どのような構成主義か」という問いに拘(こだわ)りつつ、構成主義を鍛え上げていくこと。それが著者の真の目的であるように思える。>

 たしかに、「簡にして要を得て」いますね。 (あとは、自分で読んでね、と。)
 明日(火曜)の3限・4限の、京都の某所での院生向けゼミで、とりあえずこの本の話をします。 (いま、簡易レジュメ切り終った。)

 余談だけど、このゼミ、外からの受講者が、内緒で受け入れています。 京都在住のご関心をお持ちの方、内緒で問い合わせていただければ、内緒でご案内させていただきます。 (♪あのねのね)

 
 突っ込んだお話は先のことにして、とりあえずは、レジュメ切ってのささいな感想。
 
 「construction」、構成」と「構築」の選択肢の前者を訳者は選んだけど、「築」派の人も、誤植程度に思って気にしないでね、とあとがきにある。
 まあね、これだけ扱われている話や論者が多様なら、どっちにしてもしっくりこない部分があるから、どっちでもいいや、とは思うよ。

 でもね、訳書のp.116-からのところを、見てご覧な。 「築く・部品を組み立てる」、つまり建築のメタファーが生きなきゃ、コンストラクショニズムは形無しだ、って、ハッキングははっきり書いてるじゃん。 この志に忠実なタームは、「構築」でしょうよ。
 (これって、私たちが、バーガーらで流通していた「構成」の訳語をとらず、「構築」という新訳語をピックした理由と、まったく同じなのよ。)

 ええい、ついでに、ハッキング相手にも、恨み言だ(♪ルサンチマン、ルサンチマン、ヤッホー、ヤッホー)。
 原著が出たときから思ってたけど、なんで、訳書p.3のリストに、スペクター=キツセがないかなあ。 売れた&よく参照された本なのに。
 知らなかった? だとしても、それもあんまりよ。 だいたい、著者のスペクターは、カナダのマギル大にいたんだしさ。

 でも、読んでるとたしかに、ハッキングは社会学のそっち方面に疎いのはたしかなようで、ウェインバーグだのガスフィールドだのネルソンだの、ちらちらは出てくるけど、「行方不明の子ども」だの「数の問題」だの扱ってて、ジョエル・ベストへの言及がぜんぜんないとか、ハァー? な記述ぶりだったりする。

 でも、社会問題のSCが、わけのわからんことをいわずちゃんとやってたらこう、みたいな線を(それが目的ではなくて哲学的議論のためなんだけど)たとえば5章なんかではやってって、私的には、大局的にいって「同盟軍」という位置づけ(片思いか?)。

 そういう意味でも、訳書で、各論的6〜8章が割愛されているのは、イタいかも。 
 6〜8章のレポート、近日やります。 (というか、「勝手にハッキング祭り」を、提唱したくなりそうな予感。)

 しかし。
 ここではとりあえず、誤訳の指摘を。

 『何が社会的に構成されるのか』、319頁。
 「1990年代のあるときに、クウェート亡命政府のスポークスマンであったガルフ・ウォーは、ヨーロッパのテレビに向かって、自分の国は虐待され乱暴を受けた小さな子供であるといった。」

 原文は、「At the time of 1990 Gulf War the spokesman for the Kuwaiti goverment in exile stated for television viewwers of the west that his country was small, abused, and molested child.」



 ・・・これはまた立派な誤訳。 哲学者って、湾岸戦争を知らなくっても平気なの? といいたくなる。

 てか、ほんとは昨日、ゼミしててこれをハケンしたとき、思わず「やたっ」と、小躍りしちゃいました。
 だってさ。 誤訳を見つけるのって、一般的に楽しいけど、それだけじゃなくて、訳者のお1人の研究室がある建物内でのゼミだったしさ。 (ただし、この部分を訳したのは、もうお一方の訳者の方らしいですが。) 

 ちなみに、今、原文と突き合わせたら、もう1箇所、不満足な部分がありました。 「molested」が、きちんと分かるように訳せていない。
 たしかに、世間的には、「乱暴」というふうにあいまい化して言い表したりもするけど、これは、性的な乱暴でしょうが。 そして、原文が、「児童虐待」がイラクのクウェート侵攻のネタファーとして使われたと指摘している以上、「性的虐待」のコノテーションを、ここでは落としちゃダメ。

 ふっふっふ。 哲学者、いまだし・・・。 (←何をライヴァル意識持ってんのよ。)
>ネタファー

 ごめん、メタファーです。
 私もこの邦訳、院ゼミで読むことにしたのですが、4章・5章あたりは、ふつうの(?)SCですよね。「同盟軍」と評したくなる気持ちもわかります。

 3章については…私はペンディング(たぶん自分の課題となることはないと思うからですけど)。扱う素材(対象)によって構築主義のありよう・狙い目も変わる、ってことにしときたいとこです。
>クウェート亡命政府のスポークスマンであったガルフ・ウォーは、

これは、すごい!誤訳ですね(@o@)。ここまで来ると笑えるかも・・

現在、慣れない翻訳を幾つか継続中なので、似たようなことをやってしまいそうで、とても他人事ではありません・・(-_-;)。

上記の誤訳の話題、日記に引用させてもらってかまわないでしょうか?
> 日記に引用させてもらってかまわないでしょうか?

 まったく問題ないと思います。 事実ですから・・・。
>ぶんさん

 前後しましたけど、おっしゃるとおり、ふつうのSCだと思います。
 (ジョエル・ベストの仕事を知らず、ガスフィールドだけ引用してるという、「社会学知らず」のところはありますが。)

 ただ、社会学とは違う、哲学的なこだわりがあるのは事実で、それに深入りする能力はないけど、ちょっとくらいは分かって、それなりに面白いです。

 3章は、スルーでもいいんじゃないでしょうか。
 変なことを考えず、素直に社会学してれば、あんまり気にしないですむことなので。
 (スペクター=キツセも、あんましややこしいこといわれずに、あのままのんびりやってたら、それはそれで、成果が上がっただろうと思います。)
 ハッキング『何が社会的に構成されるのか』の、訳書では落とされた3つの章、原著を当たってみると、こんなのでした。

〇6章・Weapons Research(軍事目的の科学研究)
 科学知識の創出にあたっての「外的要因」の影響をチェックするために,何十兆ドルもが費やされてきた武器開発のインパクトが検討されます。
 科学の形式(from)と内容(content)という、哲学の古典的枠組みを援用し、軍事予算は科学の発展のコースを変えるか & 科学のどの部分に影響を及ぼすのかが問われます。 発見そのものより,問い[リサーチ・クエッション]への影響が重要という指摘あり。
 具体的には、(1)初期の知能指数研究,(2)内分泌学(ラトゥールとウールガーの『実験室の生活』!),(3)高エネルギー物理学と粒子検出器,(4)レーザー,(5)ミサイルの命中精度の基準の、5つの研究事例が吟味されています。

〇7章・Rocks(岩)
 18世紀に発見されたドロマイトという堆積岩をめぐる科学研究史(その生成現場についての近年の発見や,ナノバクテリア説の登場に至る)を追いながら,科学史と科学哲学のいくつかの重要テーマ(3章で見た三つの論争点を含む)について考えています。
 帰納法の意義と類比や(p.199-),仮説法(p.201-),エディンバラ学派のいう利害とシンメトリー(p.202-),ラトゥールのアクター=ネットワーク理論(p.203-)なんてのも,検討されておるのでした。 (*この研究史を参照例にして,3章でやった「偶然性」「唯名論」「安定性」という3つの論争点をめぐる自己採点の,論拠が示されてもいます。)

〇8章・The End of Captain Cook(クック艦長の最後)
人類学における“カルチュラル・ウォーズ”がテーマです。 具体的にいうと、ハワイにおけるキャプテン・クックの神格化をめぐる、マーシャル・サーリンズとガナス・オベイエスケレの論争ですね。
 スリランカ出身のオベイエスケレが、オリエンタリズムだかポスト・コロニアリズムだかみたいな批判をして、それにサーリンズが猛然と反論するという構図。
 ハッキングは、資料(例によって他人の褌を借りた)に当たりつつ,結局サーリンズのほうの肩を持ち気味なのですが、「結局オリエンタル=仏教徒のオベイエスケレのほうが普遍主義じゃん」と指摘しているあたりが、面白かったです。

 
 というわけで、この3章、訳す値打ちが、十分あるものでしたよ。 前の諸章との関連性もしっかりあるわけだから、諸般の事情で落とすなら、せめて訳者あとがきでスペースをとって、1〜2頁分くらいの内容紹介をすべきだったと思います。 (てか、私ならそうした。)
 訳者の問題であると同時に、編集者(版元)の姿勢も問いたいところです。
全訳じゃ無かったのはほんとに残念ですね。(哲学の方が訳したからこそ落とされた内容なのだと思います。)

残りは社会学の人が訳して、あとで合本して出版!とかならないかなぁ。
そんなネタが潜んでいたとは!
うしろ半分だけでも版権欲しいですねぇ。
どくしょかい。どくしょかい。どくしょかいやりましょう〜!

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