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コチーク表参道コミュのぼくにだってできるさ

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エスノグラフィー、教育社会学、再生産論、
といろいろな関心から読める本です。
南保輔(成城大学)さんが邦訳されました。

ジェイ・マクラウド著 南 保輔訳
『ぼくにだってできるさ:
アメリカ低収入地区の社会不平等の再生産』

北大路書房

詳細についてはご本人がHPで詳しく紹介されています。

http://weblab.seijo.ac.jp/yminami/site07.html

以下、「訳者あとがき」の書き出しです。
 
*******
本書は、Jay MacLeod. 2004, 1995, 1987. Ain't No Makin' It: Aspirations and
Attainment in a Low-Income Neighborhood. Boulder, CO: Westview Pressの全訳である。1995年の第2版を翻訳底本とし、2004年印刷版から納められているフィーギンによるまえがきも訳出した。これらは、本文はまったく変更されていないようだ。2004年ペーパーバック版の表紙には「もっともよく売れている古典」とある。1987年に出版された原著初版は、1983年の調査にもとづいて執筆された著者マクラウドの卒業論文が元になっている。その後、1991年に追跡調査がなされ、結果を第2部として初版に追加したのが現在の第2版である。1991年の追跡調査以前の1987年9月にも著者はクラレンドンハイツを訪問して少年たちと会っており、初版の重版分には8ページにわたる補遺が付され、少年たちの当時の状況を紹介している。
********

コメント(5)

 上に前文紹介されている、「訳者あとがき」の続き:

「訳者の恩師であるアアロン・シクレル博士に原著をお見せしたところ、あまりお気に召さないという反応があった。 認知科学に造詣が深い博士にとっては、録音されていない発話を書き起こしのかたちで提示するといった方法は、厳格さに欠けるものとして我慢がならなかったのかもしれない。」

 そうです。 南さんは、日本ではたぶん唯一の、「元ガーフィンケル随一の高弟」シクレルさんのお弟子さんなのです。

 でも、この労作(向こうのエスノグラフィーとしてはリーボウ『タリーズ・コーナー』の後継みたいな位置にあるとか)をシクレルさんが評価しない理由って、そういう「厳格さ」の問題だけからなのかな。
 
 その昔、シクレルさんがジョン・キツセさんといっしょに『だれが進学を決定するか』という教育現場のエスノグラフィーをやったときは、観察主体で、そんなに「厳密な」録音データに依拠していなかったような気がするけど(あ、これ、あやしい記憶だけでいっているので、要確認です)。
 内容は定評があるらしいです(おととし向こうで、ペイパーバック化)。

 原題は、「Ain't No Makin' It: Aspirations and Attainment in a Low-Income Neighborhood」。 ”黒屋さん(合衆国黒人をマークし続ける人)”の私にとっても、たぶん必読もの。

 ただ、中を見てないので、本の中の別のところから邦訳タイトルを切り出してきているんなら、トンマなコメントをしていることになるけど、原題を訳しても、「ぼくだってできるさ」にはならないと思う。

 「Ain't No」は、二重否定じゃなくて、否定の強調。
 たとえば、マーヴィン・ゲイとタミー・テレルのデュオで知られる「Ain't No Mountain Hight Enough」は、「どんな山だって高すぎるってことはない」(2人の愛があれば乗り越えられる!)。
 「ain't」という口語表現にピンとこない人のために、もっと有名なストーンズの歌詞を引こう。 「I can't get no satisfaction!」

 つまり、原題を直訳すれば、「成功なんかできっこないよ」みたいな感じだと思う。 となると、正反対でしょう。 で、「おや」と思ったってしだい。 いや、本を読んでみたら、それなりの理由があるのかも知れませんが。

 (ちなみに、「ain't」は特段黒人英語とかじゃない、ふつうの非ミドルクラス的な口語です。 昔昔のジャズ・スタンダードの歌詞にだって、いくらでも出てくるよ。 「スウィングしなきゃ意味ないね」とかさ。 日本の英語教育ったら、もう。)


 
 
> Hight Enough

 「High Enough」です。 (一旦消してリライトすると、コメントの#が飛んじゃうので、ぶざまに訂正。)
訳者あとがきから引用しまーす。

┌──────
原著のものを直訳すると「ぼくにはできっこないさ」となる。第1章にあるように11歳のフレディ・ピニエラの発言をまとめたものであり、ホールウェイハンガーズが同年代のころに持っていたであろう心情とされる。だが本訳書では、「ぼくにだってできるさ」とブラザーズの考えを(さらには、業績主義イデオロギーを無意識的には内面化しているホールウェイハンガーズの根底にある思いこみを)表現したものとした。これは、本書全体のバランスを考えてのことだ。マクラウドの問題意識の根底にあったのはフレディの言葉なのだろうが、第2部をなす追跡調査の結果も合わせて考えたところ、ブラザーズの見通しが、8年後の状況と合わせると、より意義深いものと思われるからだ。この判断も含めて、訳書の出来栄えを味わっていただければと思う。(p. 278)
└──────
 ありがとうございます。 やはり、ちゃんと読まないといけませんね。 (ペコリ。)

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