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読響読売日響読売日本交響楽団コミュのホーネック指揮読売日響@都民芸術フェスティヴァル2007

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今年の「都民芸術フェスティヴァル」のオケ公演で食指の動いたのは、残念ながらこれだけ。昨年も下野竜也指揮読売日響だけでしたから、私の好みが偏っているのか?でも本格派の公演が少なくて寂しい気がします。

日時:2007年3月10日(土)午後6時開演
開場:東京芸術劇場
演奏:マンフレッド・ホーネック指揮
   読売日本交響楽団(コンマス/小森谷巧)
曲目:シューベルト 「交響曲第7番《未完成》」
   G.マーラー 「交響曲第1番《巨人》」
座席:1階RB

久しぶりの梯子@新国立→芸劇。久しぶりのホーネック。今回の来日は定期も名曲も日程が合わず、すべてを諦めていましたが、都民芸術フェスティヴァルを何とか聴くことが叶いました。ホーネックこそ私にとってスクロヴァチェフスキの後任候補筆頭であって欲しいと願うマエストロです。その音楽は一瞬も目が離せないスリリングなもの。しかし音楽の王道を外れるどころか、王道そのものと思えてしまう。カルロス・クライバーを想起する逸材です。そして何より音楽がカッコイイ!

今回は両曲とも彼の棒では初めて聴くプログラムでした。
聴こえるか聴こえないかの最弱音で始まる2曲を並べた、自信たっぷりのプログラミングです。フレージングも、細部に細やかな手を入れて飽きるところがありません。テンポの動かし方もきわめて自然です。エキセントリックな思い付き表現など皆無でありながら、両曲とも新鮮な驚きで聴き通しました。思うに奏者は相当にしごかれた筈です。名手揃いの読響奏者たちが、指揮に懸命に食らいつく様子が怖いくらいでした。

「未完成」は会場の静寂を待ってから徐に始まりました。こんなにも悲しい表情の「未完成」を聴いたのは久しぶりのことです。編成は16型の2管編成。読売日響弦群の機動力を巧みに活用した「未完成」です。重厚でパワフルな弦群は、どんなに強音でもエッジは鋭角的には奏されません。管楽器による優美な表情がそれに対置されます。その対比によって、いっそう悲しみが際立ちます。ちょっと類のない悲しみに満ちた「未完成」です。

マーラー「巨人」も同様で、更に徹底した表現に貫かれていました。超弩級の凄絶な名演とも言えますが、そうした比喩からは一気呵成、押せ押せの雑な演奏を連想しがちです。しかしホーネックは細部の表現にも秘術の限りをを尽くすのでした。実に丁寧でいささかの緩みも見せようとしない。普段聴くこの曲の演奏の濃度を100%としますと、この日の演奏は200%以上。「巨人」という交響曲がこれほどまで濃密で豊かな音楽であるとは、初めて気付かせてくれた演奏です。

そのことで思うのがハンス・ロット。マーラーの2歳上のウィーンの天才作曲家です。私は或るクラシカル系掲示板上で「ハンス・ロット」のキャンペーンを1年余り張ったことがありました。沼尻竜典指揮日本フィルによるこの交響曲のアジア初演が発表され、演奏に漕ぎ着けるまでの1年間に亘る一大キャンペーンでした。もとよりロット作品など一度も聴いたことがない私でしたから、その無謀な試みはメリーウイロウさんにおんぶに抱っこ状態でした。資料を漁り、入手可能なCDをすべて集めて聴きまくり、掲示板に紹介するだけでも1年間はあっという間でした。その沼尻&日本フィルによるアジア初演大成功の後、関西でアマチュアオケがアジア再演し、そしてアルミンク指揮新日本フィルが三度目の上演に漕ぎ着けたときは感無量でした。

25歳の若さで夭折したロットを正当に評価したのは、師のブルックナーと親友のマーラーのみ。そのハンス・ロット「交響曲」を聴いてからマーラー作品を聴けば、マーラーがロットから多大の影響を受けたことが誰の耳にも明らかでしょう。まんま・パクリに近いのです。初期マーラー作品はロットの亜流ではないのかという評価がないでは無いのです。

しかしこの日のホーネック&読響の「巨人」を聴いて、私はマーラーが既に「第1交響曲」の段階で真の天才的作曲家であることを満天下に示していたことを悟りました。それほどに中身の濃い作品であり、それを物語る演奏でした。こんなにも細部が丁寧でとことん深い意味付けを与えられ、一方で凄絶なパッションにも満ち溢れた「巨人」の表現は世にも稀です。フィナーレのコーダを聴けば、ホーネックの底知れない力が分かります。もしかして、ホーネックの想像力と表現力は、作品を超えてしまった?

マンフレッド・ホーネック!この指揮者の表現力は尋常でない。こんな指揮は、残念ながら日本人では敵わないと思います。スクロヴァチェフスキやアルブレヒトだったら、寧ろ広上淳一の方が遥かに、、、、とも思いますが、広上が終生並走するであろうホーネックには根本から次元の違いを感じます。想像力と云ったらよいのか、、、、

ところがホーネックの飽くなき表現要求に応え、必死で食らいついて弾ききったオーケストラの力量も称えなければなりません。練習にも徹底して妥協なきものがあったようです。若干の瑕疵もないではなかったけれど、このギリギリの表現要求では瑕が生じても当然です。このオケもホーネックに負けない凄い表現力を持っています。読売日響あってのこの日のホーネックでもあります。誰のどの演奏を称えても間違えは無いのですが、ここではコントラバス首席奏者に止めを刺しましょう。第3楽章のあの有名なソロを、老名優が一語一語噛みしめるように語るのを聴くかのようで、驚きに興奮しっぱなしだった私の頬に、熱いものが伝うのを感じました。こういう素晴らしい奏者が揃って初めて響き渡った「未完成」であり、「巨人」だったと思います。

客席は完全に満席。さもありなんと思いましたが、佳い音楽を奏でる音楽会が満席になる例の圧倒的に少ないのが、わが国ブランド大好き音楽界の現実です。ホーネックにはぜひポスト・スクロヴァチェフスキの読響常任に就いて欲しい、そう願う声がこのコンサートによって、またまた大きくなることでしょう。私もその一人ですが、しかし現実は厳しそうです。

ホーネックは2000年からスウェーデン放送響の音楽監督を務めて今年で7年目。それに続き、今年1月からピッツバーグ響の音楽監督職に就いています。更に今秋からはシュトゥットゥガルト州立歌劇場の音楽監督も就任することになっています。今や世界最高の売れっ子でもあります。この日の演奏をお聴きになれば、それはそうだろうと思います。ホーネックは来日のたびに「今や伸び盛り」を感じさせます。 読売日響常任に座るまで、まぁ気長に待ちましょう、などと構えていると、欧米メジャーオケやオペラ座に完全に押さえられるのが落ちですね。

コメント(7)

ネーメ・ヤルヴィはロット演奏の最高権威者ですね。あの演奏は他と次元を異にする霊感に満ちたものです。日本で、当然日本フィルを振ってとなりますが、ライヴを体験してみたいものです。無理かなぁ?

ホーネックを獲得する裏ワザは、シュトゥットゥガルト歌劇場かピッツバーグ響と喧嘩別れすることを祈るか、スウェーデンを定年退職するかですね。世界中のメジャーオケがそれを待ち構えているのでしょうが。

ウィーンのニューイヤーですか?80年代のカラヤン、クライバー以来の本格派登場となってしまいます!そうなったらもう読売日響の目は無いですね。彼こそ次代のカリスマですから!
>自分で書いて忘れてる。

立派に「認知」しているじゃないですか!(笑)
何か言い忘れているような気がずっとしていました。いま思い出した!ソロ・ホルンの方、山岸さんと仰いましたか、素晴らしい響きでしたねぇ、、、、。いつも感心しているのですが、今回はまた格別の吹奏です。まろやかで、芯のしっかりした、こくのある音色。ああいう響きを持ったホルン奏者は、ちょっと他には思い当たりません。それに誰よりも技巧上の破綻が少ない。ホルンという楽器の困難さを考えると、各楽器に名手を揃えた読響の中でもピカイチの存在でしょう。

嘗て定期で、ピアノのピリシュと二人でベートーヴェンのソナタを演奏していました。
 山岸さん、良いですよね。10数年前からのファンです。
 10日の日は、開場の時間にちょうどメンバーがエスカレータを上がって来て、その中に、山岸さんもいらっしゃいました。

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