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戦争体験を語りつぐコミュの無謀な戦争=過去と現在

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 昨年12月8日(67年前に太平洋戦争が始まった日)私は、奈良県内の市立中学校に行った。目的は、戦争体験の語り部による課外授業が2年生(145名)を対象に実施されるについて、中学校から依頼を受けて選定した語り部の送迎に当たり、現場を取材するためであった。若いスタッフが車の運転と取材に協力してくれた。朝日新聞奈良支局の記者も取材に来ていた。

 語り部として体験談を語って下さった高齢者は、元公務員の男性(75歳)元看護師の女性(82歳)のお二人であった。戦争中に沖縄で父が戦死したために、戦後も食糧難と貧窮の中を母の手ひとつで3人の弟妹と共に育てられた。学校へ弁当を持って行く余裕もなく栄養失調になった苦難の少年期や、96歳の長寿を全うされた母の遺書に、目頭が熱くなるのを覚えた。
 もう一人の語り部は、原爆が投下された瞬間の恐ろしい火の玉と轟音、翌日広島市街に入った時の地獄の様相、峠三吉の詩集の力強い朗読にも深い感銘を呼び起こされた。彼女は原爆を目撃し、いのちを守る大切さに目覚めて看護師になる決心をしたとも聞いた。(お二人とも、私どものHPにそれぞれの証言を収録している)
http://www.geocities.jp/shougen60/shiryo/kagaijugyo11-mokuji-2.html

 こうした無謀な戦争の結果が遠い過去に過ぎないのであれば、未だ救いはあるのだが、決して過ぎ去ったこととは言えない。戦後、原子力の平和利用とクリーンエネルギーによる経済成長という大義名分の下に推進された原発建設の国策は、まさに自然を相手に仕掛けた無謀な戦争であったことを、1年前の3・11大震災によって思い知らされたのではないか。

 最近、ずっと以前から原発の危険性を告発し続けてきた広瀬隆氏の著書を読み返して、ヨーロッパ大陸と日本列島の地盤には大きな違いがあることを知った。北欧の国々は10億年以上前に地盤が固まっていて、地中海沿岸でも2億年以前の地盤だから、地震は殆ど起こらないのに対して日本列島は、地球の地殻を構成している4つのプレートの境界に位置していて、列島全体が海底から隆起したのが200万年前、さらに日本アルプスの山々が隆起したのは100万年前の若い地盤の上に乗っかっている。しかも原発が建設されている各地の沿岸部は縄文時代(1万年〜3千年前)には海であったことが地質調査で判明している軟弱な土地であるという。

 3.11大震災のようなプレート境界型地震は周期的に起こる。といっても、その周期には50年〜100年の幅はある。一方、直下型地震は、いつ起こるか予測できない。「想定外」という言葉で責任をウヤムヤにしようとするが、東北の三陸地方には、明治29年(1896)にも38メートルの大津波を伴った地震が発生しているのだから、決して想定外とはいえない。目先の利害に迷って正しい判断ができない人間の浅はかさを痛感せずにはいられない。

 地球の地盤を構成しているプレート移動説は、原発推進と並行して解明されてきた地震学の定説であるが、そうした定説を無視し否定して、あらゆる手で安全神話を浸透させ、原発を増設し続けてきたのが現実であった。原子力や地震を専門とする学者は、金銭欲や名誉欲のために良心を捨ててしまったのか、それとも最初から持ち合わせていなかったのか。
 改めて「無謀な戦争」という意味では、かつての太平洋戦争も原発の爆発事故も、同じ経過を辿って膨大な犠牲を伴う敗戦を招いた、と言わざるを得ないのだ。
 今後の問題は、私たち一般の民衆が、正しい知識を自分のものとして、政治家や官僚の言動を監視し、ごまかされないように覚醒するかにどうかにかかっている。

(追記)
 原子炉で発生した高熱の2/3を海へ捨てるための温排水(海水より7℃高い)の膨大な排水量が自然を汚染する結果、魚卵や稚魚が死滅し、広範囲で漁業ができなくなることはいうまでもない。(原発1基につき毎秒70トンの温水が海へ排出される)

 その上に、青森県六ヶ所村の広大な敷地に建設された再処理施設には、1998〜2010年までに全国の原発から使用済み核燃料が運び込まれ、そのウラン換算重量は2827トンに上っている。しかし、未だに故障続きで再処理ができないため、3000トンの容量がある貯蔵プールで冷却しつづけているが、すでにプールは満杯に近くなっていて、あと173トン分しか残っていない。
 全国の原子炉で発生する使用済み核燃料は年間900〜1000トンに達する。そのため各原発敷地内のプールで冷やしながら保管しているものの、それも数年後には満杯になるという。(いずれも広瀬隆氏による情報)

 敦賀の高速増殖炉「もんじゅ」は今までに1兆円もの予算をつぎ込んでも危険なため運転できないまま。年間のエネルギー対策特別会計は3300億円、独立行政法人・原子力開発機構の傘下には59法人、高級官僚135人が天下っている。その中には子どもを安全神話で洗脳するための副読本を専門に企画制作している法人まである。まさに原発王国の繁栄ぶりは突出している。
 なお、かつての戦争では「必勝神話」を徹底的に国民に叩き込む教育をしたが、原発推進には「安全神話」のPRが見事にその役目を果たしてきた。いずれも無謀な国策を信じさせるための巧妙な手段であった。

 昨日今日と大飯原発の再稼動に向けて、なし崩しに理由づけが進められている。今度こそ国民は政府や御用学者など利害のあるエリートの言動に惑わされずに、正しい情報を収集して冷静に正邪の判断をしなければ、戦時中と同じ過ちを繰り返す危険な崖っぷちに立たされているのではないだろうか。

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