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ハードボイルド短編小説コミュのハードボイルド小説NO4「ジュラシック・パーク」

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忙しい仕事を終え、雨の中帰宅した俺は早速、アルコールを体に流し込む事にした。
グラスに氷を入れ、今日の疲れを癒すのに相応しい酒を選び始めた。
ハードボイルドな俺は常に数種類の酒を常備してた。
そして考えた末、スコッチを飲む事にした。
俺は部屋のバーカウンターの奥にあるスコッチを探した。そして、ビンを持ち上げ軽く振ってみた。
「少ししかない・・。」
そこで俺は独り言を言ってしまった。
「スコッチがすこっち」
部屋は静まり返っていた。
雨のせいなのか、ちょい悪オヤジギャグが冴えなかった。
気を取り直し、俺は残り少ないスコッチをグラスに注ぎ、JAZZをかけた。
ジョン・コルトレーンのブルートレインが流れ始め、
俺は耳を傾けながら部屋の白いソファーに深く腰を下ろした。
そして、TVの上に飾ってある恐竜のフィギュアに目をやった。
ハードボイルドな俺は恐竜が大好きだった。
そして、俺は若かりし頃体験したある出来事を思い出した。
あれは20代前半の頃だ。
監督はスピルバーグの映画「ジュラシック・パーク」という
恐竜映画が大ヒットをした時の事だった。
俺はその映画を観たときに、すぐ思った。
こいつはハードボイルドだと。
そして、しばらくするとレンタルビデオで「ジュラシック・パーク」がレンタル開始された。
「観たい、もう一度観たい、今すぐ観たい」
メジャーなレンタルビデオ屋が家から遠かったので、
近場にある初めて行くマイナーなレンタルビデオ屋に行く事にした。
俺は近所の寂びれたマイナーなレンタルビデオ屋に足を向けた。
店内はマイナーな店だけにマニアックそうな客やらオヤジやらで重々しい雰囲気をかもし出していた。
物音を立てたら怒られるんじゃないかと、まるで図書館のようだった。
小声でブツブツと言いながら、俺は静に「ジュラシック・パーク」を探し始めた。
「ジュラシック・・、ジュラシック・・。」
探したがなかなか見当たらなかったので、新作コーナーに移動した。
そして、俺の目に飛び込んできたのはとんでもない作品だった。
「エロティック・パーク」
この店はエロマニアご用達の店だった。
ハードボイルドな俺はここの会員になる勇気がなく家路を急いだ。
俺は、そんな昔の事を思い出しながらスコッチを一気に飲干した。
なぜだか、「エロティック・パーク」が気になりだした俺は
部屋のPCの電源を入れ検索してみた。
すると、とんでもない事実が画面に映し出された。
「エロティック・パーク?」
3作品も出していたらしい。
俺は、ちょっとだけ優しい気持ちになった。
「やっぱり、恐竜ってすごいんだな」
俺は冷蔵庫から缶チューハイとおしんこを出して、
「エロティック・パーク」の監督がスピルバーグじゃなくて
よかったと、あったかい気持ちで酔いしれた。

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