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淡江大学日本留学試験同好会コミュの水俣病認定 基準を改めるしかない(社説)

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分野別:社説
作者:朝日新聞社
出所:朝日新聞社サイト
リンク→http://www.asahi.com/paper/editorial.html
掲載年月日:2006年9月25日(月曜日)付
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(本文)


 壊れかけた制度に、役所だけがしがみついている。水俣病の認定基準を一切変えようとしない環境省の官僚たちのかたくな態度である。

 小池環境相が設けた「水俣病問題に係る懇談会」が、未認定の被害者に対する救済策などをまとめた。焦点になっていた認定基準の見直しには踏み込まなかった。審議の途中では、認定基準の見直しを提言する動きもあったのに、環境省は「そんな提言は受け取れない」と押さえつけたのだ。

 「懇談会は、行政のやりたいことを推進するためのガソリンだ。我々と違う方向へ進もうとするなら、ブロックするしかない」。朝日新聞が伝えた同省幹部の言葉である。

 環境省の認定基準が揺らいだのは、04年の最高裁の判決だ。最高裁は77年につくられた現行の基準よりも幅広く患者を救済した。認定基準が司法によって事実上、否定されたわけだ。

 ところが、環境省は「変えれば、新たな不公平を生む」として、現行の基準にこだわった。水俣病ではこれまで約2300人が患者として認定されたほか、95年の「政治決着」で、未認定の約1万1千人が1人当たり260万円の解決金を受け取った。そうした補償や救済の制度が崩れるのを恐れたのだろう。

 しかし、行政と司法の二重基準が続けば、混乱は目に見えている。

 最高裁の判決の後、認定を求めて熊本、鹿児島両県で新たに申請する人たちが増加の一途をたどった。「認定基準が緩やかになるかもしれない」という期待が広がったからだ。両県で審査を待っている人は約4300人にのぼる。

 ところが、両県では二重基準が足かせとなり、認定審査会の委員たちが「これでは責任ある審査はできない」と任期切れ後の再任を拒んだ。委員のなり手はなく、審査会も開けない。県の審査に見切りをつけ、国などを相手に損害賠償訴訟を起こした人は1100人を超えた。

 熊本、鹿児島両県は、11年前の政治決着と同じ水準で解決することを望む。しかし、政治決着の解決金は司法の救済に比べて金額が低い。これで未認定の人たちの多くが納得するとは思えない。

 自民、公明両党の水俣病問題プロジェクトチームも、両県の意向を受けて未認定者に対する「第二の政治決着」をめざしている。だが、こちらも全面解決には決め手を欠いている。

 このままの状態では、高齢の未認定患者が見捨てられることになりかねない。

 「いまだ救済の対象になっていない未認定申請者を含め、すべての水俣病被害者を救済・補償できる恒久的な枠組みの構築」。これが懇談会の提言だが、認定されない灰色の存在が制度のうえで続くかぎり、水俣病の患者は救済されたことにならない。

 今年は水俣病の公式確認から半世紀の節目にあたる。政府は過去の行きがかりを捨て、認定基準を改めるしかない。


(単語)

1.役所:役人が公の仕事をする所。官庁。役場。

2.しがみつく:力をこめて、強く取りすがる。

3.水俣病(みなまたびょう):有機水銀中毒による慢性の神経疾患。しびれ・運動障害・言語障害・難聴・四肢麻痺などの症状を示し、胎児にも発現し、重症者は死亡する。化学工場の廃液中の有機水銀によって汚染された魚介類の摂食により、1953年(昭和28)頃から、熊本県水俣湾周辺に集団的に発生。68年に公害病と認定された。新潟県阿賀野川流域でも64年頃同じ病気が発生(第二水俣病)。

4.頑な(かたくな):自分の考えにこだわり、融通がきかない。頑固だ。《固・硬》

5.踏み込む:物事の奥深くまで立ち入る。物事の核心・本質などを考慮に入れる。
「作歌の経緯にまで―・んだ解釈」

6.提言する:考え・意見を皆の前に示すこと。また、その考え・意見。

7.押さえつける:力を入れて強く押さえる。
「手足を―・ける」

8.ガソリン:比較的低沸点(摂氏約三〇〜二〇〇度)の炭化水素の混合物で、ガソリン-エンジンの燃料などに使われる。揮発油。

9.ブロックする:妨害すること。障害。遮断すること。

10.揺らぐ:ゆれ動く。基礎がぐらつく。
「地震で家が―・ぐ」

11.幅広い(はばひろい):関係する範囲が広い。
「―・い活動」「―・い知識」

12.こだわる:心が何かにとらわれて、自由に考えることができなくなる。気にしなくてもいいようなことを気にする。拘泥する。
「金に―・る人」「済んだことにいつまでも―・るな」

13.決着(けっちゃく):結論・結果が出ること。物事のきまりがつくこと。
「―をつける」「―がつく」「交渉はやっと―した」

14.辿る(たどる):道にそって進む。物事がある方向に進む。
「お決まりのコースを―・る」「家路を―・る」「下降線を―・る」

15.足かせ:〔「あしがせ」とも〕昔の刑具の一。罪人の足にはめて、その動作を束縛するもの。あしかし。

16.拒む(こばむ):要求・依頼・働きかけなどを断る。拒否する。
「要求を―・む」「来(きた)る者は―・まず」

17.なり手:ある役目になろうとする人。なる人。

18.見切り(みきり):見込みがないとして、あきらめること。みかぎること。
「―をつける」

19.プロジェクトチーム:企業活動などで、特別な目的のために編成されたチーム。タスク-フォース。

20.決め手:物事の真偽・勝ち負けを最終的に決定・解決するための手段やよりどころ。
「―となる証拠」「―を欠く」

21.見捨てる:捨ててかえりみない。関係を断つ。見離す。
「親に―・てられる」

22.枠組み:枠を組むこと。また、組んだ枠。

23.灰色の存在:暗い気持ちで、心に喜びのない状態。さびしく陰気なこと。
「―の人生」

24.公式:おおやけに決められている方式や形式。またそれにのっとって物事を行うこと。

25:節目(せつもく):小分けにした一つ一つの箇条。細目。

26.行き掛り(ゆきがかり):いったん始められた物事の動いてゆく勢い。いきがかり。
「―上やむをえない」


(文型)

1.〜かねない→
(解説)
 「〜兼ねない」は不確実な推量を表す「〜かもしれない」系の表現で、「(良くない事態が発生する)可能性がある」という意味を表します。「〜する恐れがある」(→文型020)とほぼ同義の推量表現です。この二つは常に悪い事態にしか使えませんが、「〜かもしれない」と同じく、事態の良し悪しに関係なく使える表現に「〜ないとも限らない」(→文型264)があります。
  秘密が漏れるかも知れない。
  秘密が漏れ兼ねない。
  秘密が漏れる恐れがある。
  秘密が漏れないとも限らない。

(例文)
1.会社命令に背こうものなら、首にされ兼ねない。
2.あいつは金のためには人殺しだってやり兼ねない男だ。
3.そんなにスピードを出したら、交通事故を起こし兼ねない。
4.部下を無能呼ばわりするなんて、人を傷つけるひどい言い方だけど、あの部長なら言い兼ねないね。
5.このままでは両国の国境紛争は、全面戦争に発展し兼ねない。まさに一触即発の状態と言えるだろう。

2.〜かぎり→
(解説)
 「〜限り」は仮定と既定(理由)の接続助詞の働きをします。仮定の時は「〜する間は絶対〜」、既定の時は「〜からには」や「〜以上」と同様に「〜だから、必ず〜」を表す理由の表現になります。
 学生である からには 勉強しろ。
       以上
       限り
 「〜ない限り」は、例文4、5のように「(〜する/〜しない)間は、絶対〜/〜しなければ、絶対〜」を意味するようになりますが、これは「〜なければ」の強調表現と考えていいでしょう。

(例文)
1.生きている限り、先生から受けた御恩を忘れることはありません。
2.戦争が続く限り、人類の悲劇は終わらないだろう。
3.土下座でもして謝らない限り、決して彼を許さない。
4.相手方が非を認め賠償金を支払わない限り、我々は告訴することも辞さない。
5.彼は頑固だから、よほどのことがない限り、自分の説を変えることはないだろう。

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