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フィリップ・K・ディックコミュのディック最後のインタビュー「ラスト・テスタメント」(1985刊行)

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ディックの亡くなる直前まで行われた、評論家グレッグ・リックマンによる最後のインタビューである「ラスト・テスタメント」を再読しているのですが、興味深い箇所が多々あるので、以下、こちらに書いて行きます♪

コメント(6)

ディックは、ユングの著書には全て目を通しているそうです。(P.66)

ディックがユングを読んでいることは、「ヴァリス」巻末の大瀧啓裕氏の解説(「秘密教典」だっけ?)で知っていましたが、その全てに目を通しているとは。

ユングが英語版の「易経」に序文を書いてたことから、ディックも「易経」を知り、易経というのは、数本の赴の中から1本を引いて質問の答えをいただくという、タロット・カードの中国版みたいなもんですね、これをやって、恐ろしく当たると言ってますが、それをヒントに書いたのが、「高い城の男」というわけですね。

面白いことに、ユングが易経を引くと、易経が自分自身について言及したとディックは言ってます。(P.65)

まるで易経自身が生きているかのように思えて来ますね。興味深い話です。
タロット・カードに、「タロット・カードは本当に当たるんですか?」と聞いてみたら、「完璧」のカードが出た…、みたいなもんですね。
コメント1の訂正です。

「ヴァリス」の巻末付録は、ディック自身による「秘密教典書」、大瀧啓裕氏による膨大なディック・ワードの解説は、「聖なる侵入」の巻末付録でしたかね?
それとも、両方とも「ヴァリス」の巻末付録でしたっけ?
もう読んだのがかなり昔のことなので、記憶が曖昧です…。あせあせ
押し入れに入れてあるダンボール箱から、ディックの文庫本を探し出して来ました。あせあせ

「聖なる侵入」の巻末の大瀧啓裕氏による解説は、「新アロゲネス」と題する35ページほどの解説でした。なので、膨大な解説の方はやはり、「ヴァリス」の巻末収録でしたね。

私はあの大瀧啓裕氏の解説で、かなりオカルトと宗教の門戸を開かれた一人で、あれはかなり充実した精神世界の、今で言えば、スピリチュアルの入門文献でしたね。
「自分に超能力があると思いますか?」との質問に、

「そんなものは何も無いよ。」と言い、そもそも「超能力なんてあるとは信じちゃいない。」と言っています。

続いて、予知能力(プレコグ)について聞かれ、

それは右脳が引き出すんだ、と言ってます。
そして、その予知は、あたかも魂の外からやって来るように感じられるけれど、そうじゃない、右脳の仕業だ、と。
原始人は右脳の声を聴いて、多分そこから、「神々」だとか、「聖なる力」だとかいった発想が生まれたんだろうね、と言ってます。(P.68〜70)

つまり、この世界を超えた超越的な存在というものを一切否定している。唯物論的な立場ですね。

それにしちゃあ、「ヴァリス」シリーズで、超越的な世界について、あれこれと思索、探求しまくってるじゃないか、と言いたいところですが、その思索の行き着く先に、そんなものは無いんだ、全て右脳の働きなんだ、という結論に至ったのかも知れないですね。

この後、ディック自身、子供の頃から、「声」が聴こえていたことについての話になりますが、これはまた次回♪(この体験が、ヴァリスの創作、つまり、超越的なものへの探求への動機と情熱、あるいは、少なくともその動機のひとつにはなったと思われます。)
小さい頃から、心の中で"声"が聴こえていたことについての質問に、

「人工知能とか女の声といった感じ。」(P.71)

と答えています。

場合によっては、それは、ずっとギリシア語で話し続けたこともある、と。

自分ではそれが何語だか分らなかったけど、前妻のテッサが教えてくれた、と。
テッサって学のある人だったんですね。

アルキメデスの原理を教えてくれたこともある、と。

この"声"について、釈義の中だったか、忘れましたが、「あるときはソ連の人工衛星からではないか、と思ったり、死んだ双子の片割れの女の子ではないか、と書いてますね。(女の声ですし。)

あるいは、アルベマス星系からではないか、と考えたともあったと言ってたかな。これは、「ヴァリス」の4作目とも言える、「アルベマス」へと直結しますね。

ディックは高校のときだったか、母に、精神科に連れて行かれ、「軽度の精神分裂病」と診断されてますね。今で言うと統合失調症です。

これは、お母さんがディックのどのような症状を見て連れて行ったのか。この"声"が聴こえるということを聞いてのことなのか。あるいはまた別のことによってなのか。ことによると、この"声"のことを聞いてなのかも知れないですね。

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