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ちりめん山椒(連歌 俳諧 連句)コミュの百韻『あら何共なや』もどき

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底本:芭蕉連句全註解 第一冊、島居清、昭和五十四年

 延宝五之冬
あら何共なやきのふは過て河豚汁 桃青 冬 (ふくと)
 寒さしさつて足の先迄     信章 冬
居あひぬき霰の玉やみだすらん 京信徳 冬
 拙者名字は風の篠原       青
相應の御用もあらば池のほとり   章
 海老ざこまじりに折節は鮒    徳
醤油の後は湯水に月すみて     青 秋月
 ふけてしば/\小便の露     章 秋

きゝ耳や余所にあやしき荻の声   徳 秋 (よそ)
 難波の芦は伊勢のよもいち    青
屋敷がたあなたへざらりこなたへも 章
 替せ小判や袖にこぼるるゝ    徳
物際よことはりしらぬ我涙     青 恋 (ものぎは:節季前)
 干鱈四五枚是式の恋を      章 恋
寺のぼり思ひそめたる衆道とて   徳 恋
 みじかき心錐で肩つく      青 恋 (きり)
ぬか釘のわづかのことをいひつのり 章
 露がつもつて鐘鋳の功徳     徳 秋
うそつきの坊主も秋やかなしむ覧  青 秋
 その一休に見せばやの月     章 秋月
花の色朱鞘をのこす夕まぐれ    徳 春花(しゅさや)
 いつ焼つけの岸の款冬      青 春 (やまぶき)
二オ
よし野川春もながるゝ水茶碗    章 春
 紙袋より粉雪とけ行       徳 春
風青く楊枝百本けづるらん     青 春 (ようじ=柳=春)
 野郎ぞろへの紋のうつり香    章 恋
双六の菩薩も爰に伊達姿      徳 恋
 衆生の銭をすくひとらるゝ    青
目の前に嶋田金谷の三瀬河     章
 から尻沈む渕はありけり     徳
小蒲團に大蛇のうらみ鱗形     青 恋
 かねの食つぎ湯となりし中    章 恋 (めし)
一二献跡はさびしく暮過て     徳
 月はむかしの親仁友達      青 秋月
蛬無筆な侘そきり/゛\す     章 秋 (きりぎりす)
 胸算用の薄みだるゝ       徳 秋
二ウ
勝負もなかばの秋の濱風に     青 秋
 われになりたる波の関守     章
顕れて石魂たちまち飛鵆      徳 冬 (ちどり)
 ふるい地蔵の茅原更行      青   (ち)
塩賣の人通ひけり跡見えて     章
 文正が子を恋路ならなん     徳 恋
今日より新狂言と書くどき     青 恋 (こんにち)
 物にならずにものおもへとや   章 恋
或時は蔵の二階に追込て      徳
 何ぞととへば猫の目の露     青 秋
月影や似せの琥珀にくもるらん   章 秋月
 隠元ごろもうつゝか夢か     徳 秋
法の声即身即非花散て       青 春花(のり)
 余波の鳫も一くだり行      章 春 (なごり)
三オ
上下の越の白山薄霞        徳 春 (かみしも こし しらやま)
 百萬石の梅にほふなり      青 春
昔棹今の帝の御時に        章   (ざお:検地)
 守隋極めの哥の撰集       徳   (しゅずい:秤座)
掛乞も小町がかたへ急候      青   (かけこひ:借金取り)
 これなる朽木の横にねさうな   章
小夜嵐扉落ては堂の月       徳 秋月(とぼそ)
 ふる入道は失にけり露      青 秋
海尊やちかい比まで山の秋     章 秋 (かいぞん:常陸坊 ころ)
 さる柴人がことの葉の色     徳 秋
縄帯のそのさまいやしとかゝれたり 青
 これぞ雨夜のかち合羽なる    章   (かち:徒行)
飛乗の馬からふとや子規      徳 夏
 森の朝影狐ではないか      青
三ウ
二柱弥右衛門と見えて立かくれ   章   (ふたはしら:鳥居)
 三笠の山をひつかぶりつゝ    徳
萬代の古着かはうとよばふなる   青   (かはう:買おう)
 質のながれの天の羽衣      章
田子の浦浪打よせて負博奕     徳   (ばくち)
 不首尾でかへる蜑の釣舟     青   (あま:海人)
前は海入日をあらふうしろ疵    章
 松が根まくら石の綿とる     徳   (石の綿:茸)
つゞれとや仙女の夜なべ散紅葉   青 冬
 瓦灯の煙に俤の月        章 秋恋月(がとう:火燈)
我恋を鼠のひきしあしたの秋    徳 秋恋
 涙じみたるつぎ切の露      青 秋恋
衣奬繪の姿うごかす花の風     章 春花(いしょうえ:押絵)
 匂ひをかくる願主しら藤     徳 春
ナオ
鈴の音一貫二百春くれて      青 春
 かた荷はさいふめてはかぐ山   章   (めて:馬手=右手)
雲助のたな引空に来にけらし    徳
 幽霊と成て娑婆の小盗      青   (こぬすみ)
無縁寺の橋の上より落さるゝ    章   (無縁寺:両国回向院)
 都合その勢万日まゐり      徳
祖父祖母早うつたてや者共とて   青   (うつたてや:打ち立てや)
 鼓をいだき草鞋しめはく     章
米袋口をむすんで肩にかけ     徳
 木賃の夕部風の三郎       青
韋駄天もしばしやすらふ早飛脚   章
 出せや出せやと責る川舟     徳
走り込追手顔なる波の月      青 秋月
 すは請人が芦の穂の声      章 秋
ナウ
物の賭振舞にする天津鴈      徳 秋 (かけ)
 木鑵子の尻山の端の雲      青   (かんす:茶の湯の釜)
人形の鍬の下より行嵐       章
 畠にかはる芝居さびしき     徳
この翁茶屋をする事七度迄     青
 住吉諸白砂ごしの海       章   (もろはく:精白米だけで作る清酒)
淡路潟かよひに花の香をとめて   徳 春花
 神代このかたお出入の春     筆 春

   桃青 三十三
   信章 三十三
   信徳 三十三
   執筆   一


写真提供:左と右は<a href="http://photozou.jp/photo/top">フォト蔵さん</a>
中央は<a href="http://national.jp/product/cooking/ih_heater/local_recipe/fugu.html">松下電器産業さん</a>
     
     

コメント(126)

つぎは二句続けてお願いできますか?

前は海入日をあらふうしろ疵     章   白浪の大漁旗も色さめて         白
了解しました。

前は海入日をあらふうしろ疵    章    白浪の大漁旗も色さめて       白
 松が根まくら石の綿とる     徳     ひときは黒く見える島影      蘭
つゞれとや仙女の夜なべ散紅葉   青 冬  あまをとめ藻塩の鍋で大根炊     同
                         
 瓦灯の煙に俤の月        章 秋恋月                  白
我恋を鼠のひきしあしたの秋    徳 秋恋
つゞれとや仙女の夜なべ散紅葉 青 冬  あまをとめ藻塩の鍋で大根炊     同
 瓦灯の煙に俤の月      章 秋恋月   月に匂ひは届くでせうか     白  

  満月 Send a smell to the moon.
       ヨーコ・オノ 「グレープフルーツ・ジュース」より
つゞれとや仙女の夜なべ散紅葉   青 冬  あまをとめ藻塩の鍋で大根炊     同
 瓦灯の煙に俤の月        章 秋恋月 月に匂ひは届くでせうか      白
我恋を鼠のひきしあしたの秋    徳 秋恋 なさぬ恋利休鼠の霧こめて      蘭
 涙じみたるつぎ切の露      青 秋恋
衣奬繪の姿うごかす花の風     章 春花 (いしょうえ:押絵)
涙じみたるつぎ切の露      青 秋恋   蔦唐草の紙を切り継ぐ      白 
我恋を鼠のひきしあしたの秋    徳 秋恋 なさぬ恋利休鼠の霧こめて      蘭
 涙じみたるつぎ切の露      青 秋恋  蔦唐草の紙を切り継ぐ       白
衣奬繪の姿うごかす花の風     章 春花 かな散らし源氏写せば花の風     蘭
 匂ひをかくる願主しら藤     徳 春

鈴の音一貫二百春くれて      青 春
匂ひをかくる願主しら藤     徳 春     藤の面影やどす女童         白

二柱弥右衛門と見えて立かくれ   章    ワイヤーの見え隠れする白狐かな   白
 三笠の山をひつかぶりつゝ    徳     やんややんやの拍手喝采      蘭
萬代の古着かはうとよばふなる   青    垂涎の革ジャン、レノンミュージアム 白
 質のながれの天の羽衣      章     想像しよう天国はここ       蘭
田子の浦浪打よせて負博奕     徳    ビギナーズラックか旅のラスベガス  白
 不首尾でかへる蜑の釣舟     青     おけらで帰るボウズ軍団      蘭
前は海入日をあらふうしろ疵    章    白浪の大漁旗も色さめて       白
 松が根まくら石の綿とる     徳     ひときは黒く見える島影      蘭
つゞれとや仙女の夜なべ散紅葉   青 冬  あまをとめ藻塩の鍋で大根炊     同
 瓦灯の煙に俤の月        章 秋恋月 月に匂ひは届くでせうか      白
我恋を鼠のひきしあしたの秋    徳 秋恋 なさぬ恋利休鼠の霧こめて      蘭
 涙じみたるつぎ切の露      青 秋恋  蔦唐草の紙を切り継ぐ       白
衣奬繪の姿うごかす花の風     章 春花 かな散らし源氏写せば花の風     蘭
 匂ひをかくる願主しら藤     徳 春   藤の面影やどす女童        白

鈴の音一貫二百春くれて      青 春  猫の仔も招く壷焼きふけぬらん    蘭
 かた荷はさいふめてはかぐ山   章   (めて:馬手=右手)
雲助のたな引空に来にけらし    徳
かた荷はさいふめてはかぐ山   章       馬手で弓手でそれとも足で    白
鈴の音一貫二百春くれて      青 春  猫の仔も招く壷焼きふけぬらん    蘭
 かた荷はさいふめてはかぐ山   章     馬手で弓手でそれとも足で     白
雲助のたな引空に来にけらし    徳    雲助をかるくあしらふちりめん屋   蘭
 幽霊と成て娑婆の小盗      青   (こぬすみ)
無縁寺の橋の上より落さるゝ    章   (無縁寺:両国回向院)
幽霊と成て娑婆の小盗      青       山椒と酒盗をあてにほろ酔ひ     白
雲助のたな引空に来にけらし    徳    雲助をかるくあしらふちりめん屋   蘭
 幽霊と成て娑婆の小盗      青     山椒と酒盗をあてにほろ酔ひ    白
無縁寺の橋の上より落さるゝ    章    忠臣もししと呼ぶなり山くじら    蘭
 都合その勢万日まゐり      徳
祖父祖母早うつたてや者共とて   青   (うつたてや:打ち立てや)


ももんじゃ
http://woman.excite.co.jp/gourmet/restaurant/shop_6918.html
忠臣蔵
http://www.tokyo-kurenaidan.com/chushingura1.htm
山くじら・・・猪のこととは知りませんでした。よく召し上がるのですか?
ちなみに、冬の季語みたいですが、こちらも「仮名手本忠臣蔵」でウインク

無縁寺の橋の上より落さるゝ    章    忠臣もししと呼ぶなり山くじら    蘭
 都合その勢万日まゐり      徳      「ん」を味方に万マイル貯め   白    
山くじら、めったに食べませんが、脂がのってうまいです。たしかに、秋とか冬の季語になってますね。年末なので見逃してください(^^;) 


鈴の音一貫二百春くれて      青 春  猫の仔も招く壷焼きふけぬらん    蘭
 かた荷はさいふめてはかぐ山   章     馬手で弓手でそれとも足で     白
雲助のたな引空に来にけらし    徳    雲助をかるくあしらふちりめん屋   蘭
 幽霊と成て娑婆の小盗      青     山椒と酒盗をあてにほろ酔ひ    白   
無縁寺の橋の上より落さるゝ    章    忠臣もししと呼ぶなり山くじら    蘭
 都合その勢万日まゐり      徳     「ん」を味方に万マイル貯め    白 22−20/20−22
祖父祖母早うつたてや者共とて   青    たけざうよここでおふたが百年目   蘭
 鼓をいだき草鞋しめはく     章                      白
米袋口をむすんで肩にかけ     徳                      白
 木賃の夕部風の三郎       青                      蘭
韋駄天もしばしやすらふ早飛脚   章                      白
 出せや出せやと責る川舟     徳                      蘭
走り込追手顔なる波の月      青 秋月                   白
 すは請人が芦の穂の声      章 秋                    蘭 

物の賭振舞にする天津鴈      徳 秋 (かけ)               白
 木鑵子の尻山の端の雲      青   (かんす:茶の湯の釜)        白
人形の鍬の下より行嵐       章                      蘭
 畠にかはる芝居さびしき     徳                      白
この翁茶屋をする事七度迄     青                      蘭
 住吉諸白砂ごしの海       章   (もろはく:精白米だけで作る清酒)  蘭
淡路潟かよひに花の香をとめて   徳 春花                   白
 神代このかたお出入の春     筆 春                    蘭
たけざう→武蔵 おふた→逢ふた→あふた でせうか?


祖父祖母早うつたてや者共とて   青    たけざうよここでおふたが百年目   蘭
  鼓をいだき草鞋しめはく     章      張扇のおと家の外まで      白                  

>たけざう→武蔵 おふた→逢ふた→あふた でせうか?
そうです。武蔵で声の主はお杉婆w 
やはり、あふたでしょうか。これでおふたと音で読みますよね。
ここらへん、ずーっと原句もむづかしいですね。

鉄線さんの連続、下にずらしました。私の二句に二人を隠したつもりですが、その人たちの俤が浮かんでくるでしょうか。クイズw


祖父祖母早うつたてや者共とて   青    たけぞうよここであふたが百年目   蘭
 鼓をいだき草鞋しめはく     章     張扇のおと家の外まで       白
米袋口をむすんで肩にかけ     徳    貧相をひげと語りでカバーして    蘭
 木賃の夕部風の三郎       青     どやに宿りて浮世本かく      同
韋駄天もしばしやすらふ早飛脚   章                      白
 出せや出せやと責る川舟     徳                      蘭
西鶴は西山宗因に師事して談林派の俳諧を学んだのですね。
あれ? 人違ひでせうか n(ー_ー?)ン?

 家の外まで→小屋の外まで に訂正お願いしますm( )m   



祖父祖母早うつたてや者共とて   青    たけぞうよここであふたが百年目   蘭
 鼓をいだき草鞋しめはく     章     張扇のおと小屋の外まで       白
米袋口をむすんで肩にかけ     徳    貧相をひげと語りでカバーして    蘭
 木賃の夕部風の三郎       青     どやに宿りて浮世本かく      同
韋駄天もしばしやすらふ早飛脚   章    アキレスもしばしやすらふ早連句   白
 出せや出せやと責る川舟     徳                      蘭
江戸時代だと西鶴でしょうか。昭和だと野坂昭如とか何人かいそうですね。

祖父祖母早うつたてや者共とて   青    たけぞうよここであふたが百年目   蘭
 鼓をいだき草鞋しめはく     章     張扇のおと小屋の外まで      白
米袋口をむすんで肩にかけ     徳    貧相をひげと語りでカバーして    蘭
 木賃の夕部風の三郎       青     どやに宿りて浮世本かく      仝
韋駄天もしばしやすらふ早飛脚   章    アキレスもしばしやすらふ早連句   白
 出せや出せやと責る川舟     徳     次第にあがるヘクトパスカル    蘭
走り込追手顔なる波の月      青 秋月                   白
 すは請人が芦の穂の声      章 秋                    蘭
「たけぞう」は当初のまま「たけざう」でよろしいのでは。
蔵という字を「ぞう」で引くと旧かなは「ざう」ですのでm( )m

走り込追手顔なる波の月    青 秋月  かけくらべ月のうさぎに追ひついて  白
 出せや出せやと責る川舟     徳     次第にあがるヘクトパスカル    蘭
走り込追手顔なる波の月      青 秋月 かけくらべ月のうさぎに追ひついて  白
 すは請人が芦の穂の声      章 秋   秋潮みちる葦はらの舟       蘭

物の賭振舞にする天津鴈      徳 秋 (かけ)               白
 木鑵子の尻山の端の雲      青   (かんす:茶の湯の釜)        仝


二句連続でお願いします。

たけざう、もとのテキストを修正し忘れミスが復活してしまいました(^^;)

  貧相をひげと語りでカバーして張扇のおと小屋の外まで   蘭・白
  
この短歌の講談師の名前がやっと出てきましたw 田辺一鶴さん、ご健在のようですね。
http://www.mdn.ne.jp/~kakuei/top_info/ikkaku_02.htm
 田辺一鶴さん・・・人影 目に浮かびますw



物の賭振舞にする天津鴈     徳 秋  双六の上がりに待つは今年酒       白
 木鑵子の尻山の端の雲      青     南部鉄瓶ちんちん鳴つて       仝
物の賭振舞にする天津鴈      徳 秋  双六の上がりに待つは今年酒     白
 木鑵子の尻山の端の雲      青     南部鉄瓶ちんちん鳴つて      仝
人形の鍬の下より行嵐       章    朝帰り舌を駆使して過ぐあらし    蘭
 畠にかはる芝居さびしき     徳                      白
この翁茶屋をする事七度迄     青                      仝

また二句連続でお願いします。
人形の鍬の下より行嵐       章   朝帰り舌を駆使して過ぐあらし     蘭
 畠にかはる芝居さびしき     徳     犬のリードで散歩する老      白
この翁茶屋をする事七度迄     青   鶴亀の絵柄に添へし共白髪       仝
 畠にかはる芝居さびしき     徳     犬のリードで散歩する老      白
この翁茶屋をする事七度迄     青    鶴亀の絵柄に添へし共白髪      仝
 住吉諸白砂ごしの海       章     高砂住吉あひおひの松       蘭
淡路潟かよひに花の香をとめて   徳 春花                   白
 神代このかたお出入の春     筆 春
淡路潟かよひに花の香をとめて 徳 春花  花篝打てや鼓にゆらめいて       白

  『あら何共なや』の巻           『首さする』の巻
             延宝五之冬                平成十九年初冬

あら何共なやきのふは過て河豚汁 桃青 冬  首さする河豚にことなきあした哉  春蘭
 寒さしさつて足の先迄     信章 冬   手水につかふ温き湯たんぽ    面白
居あひぬき霰の玉やみだすらん 京信徳 冬  玉霰凍てつく縁につくばひて     蘭
 拙者名字は風の篠原       青     人は私をただの千代女と      白
相應の御用もあらば池のほとり   章    なんなりと御用の筋は池の端     蘭
 海老ざこまじりに折節は鮒    徳     佃に出向き鮒の甘露煮       白
醤油の後は湯水に月すみて     青 秋月 月島でもんじやとやらを頂いて    蘭
 ふけてしば/\小便の露     章 秋   腹にたまるもほんの露の間     仝

きゝ耳や余所にあやしき荻の声   徳 秋  荻吹くや聴耳頭巾いづこにぞ     白
 難波の芦は伊勢のよもいち    青     胡乱なやから今を時めく      蘭
屋敷がたあなたへざらりこなたへも 章    惨国史偽誤蝕とふは此方人等で    白
 替せ小判や袖にこぼるゝ     徳     堪忍切れて小銭こぼるゝ      蘭
物際よことはりしらぬ我涙     青 恋  瀬戸際と知らでか我のなみだ恋    白
 干鱈四五枚是式の恋を      章 恋   焦がれて捩るするめ一枚      蘭
寺のぼり思ひそめたる衆道とて   徳 恋  尼寺にのぼるきだはし道それて    白
 みじかき心錐で肩つく      青 恋   思慮もあさはか茨でつつく     仝
ぬか釘のわづかのことをいひつのり 章    くず鉄のわづかな入りも酒に消え   蘭
 露がつもつて鐘鋳の功徳     徳 秋   あさゆふ拝す野仏露けき      仝
うそつきの坊主も秋やかなしむ覧  青 秋  ねだり屋の女房も秋やなげく濫    白
 その一休に見せばやの月     章 秋月  その繰言にふりむけば月      蘭
花の色朱鞘をのこす夕まぐれ    徳 春花 花の色ぼかし珊瑚の夕つかた     白
 いつ焼つけの岸の款冬      青 春   おいしさうなり若い山蕗      蘭

よし野川春もながるゝ水茶碗    章 春  水草生ふよしのよくみよ雪解川    白
 紙袋より粉雪とけ行       徳 春   淀にただよふ紙の捨て雛      蘭
風青く楊枝百本けづるらん     青 春  黒文字の木肌を削げば風光り     白
 野郎ぞろへの紋のうつり香    章 恋   脂粉のちまたは此処でありんす   蘭
双六の菩薩も爰に伊達姿      徳 恋  長煙管大夫のしぐさ仇っぽく     白
 衆生の銭をすくひとらるゝ    青     見ほれる旦那の財布からつぽ    仝
目の前に嶋田金谷の三瀬河     章    一律に六文かかる三瀬川       蘭
 から尻沈む渕はありけり     徳     ころも頭にのせ偽の経よむ     白
小蒲團に大蛇のうらみ鱗形     青 恋  片恋の姫の気色のおそろしく     蘭
 かねの食つぎ湯となりし中    章 恋   紅鉄漿つけて大蛇となるか     白
一二献跡はさびしく暮過て     徳    一二献ブレーキゆるむ時節にて    蘭
 月はむかしの親仁友達      青 秋月  平成の世も配所に月を       白
蛬無筆な侘そきり/゛\す     章 秋  あはれげな景色な見せそきりぎりす  蘭
 胸算用の薄みだるゝ       徳 秋   秋園に散る十露盤の珠       白
二ウ
勝負もなかばの秋の濱風に     青 秋  塾がへり薄ヶ原で賭け相撲      蘭
 われになりたる波の関守     章     セコム完備のわたしのお家     白
顕れて石魂たちまち飛鵆      徳 冬  白狐化けたる石を遠目に見      蘭
 ふるい地蔵の茅原更行      青     温泉たまごも人もふけゆく     白
塩賣の人通ひけり跡見えて     章    しほ風に金色夜叉の松古りて     蘭
 文正が子を恋路ならなん     徳 恋   大正昭和の恋路なるらん      仝
今日より新狂言と書くどき     青 恋  才もありロマンもあるとおだてあげ  白
 物にならずにものおもへとや   章 恋   物にてさそふものならなくに    蘭
或時は蔵の二階に追込て      徳    三畳間「男の書斎」に押込めて    白
 何ぞととへば猫の目の露     青 秋   残り蛍に我が身かさねる      蘭
月影や似せの琥珀にくもるらん   章 秋月 燃えてゐる月がルビーであつたなら  白
 隠元ごろもうつゝか夢か     徳 秋   露のこころもやがて金剛      蘭
法の声即身即非花散て       青 春花 妙音も馬耳東風と花の下       白
 余波の鳫も一くだり行      章 春   帰る鳫あり残る鳫あり       仝

上下の越の白山薄霞        徳 春  犀川や友禅あらふ春の水       蘭
 百萬石の梅にほふなり      青 春   白壁沿ひに五彩も麗        白
昔棹今の帝の御時に        章    棹竹の御しめによその吉事知る    蘭
 守隋極めの哥の撰集       徳     きみは秤座われ水瓶座       白
掛乞も小町がかたへ急候      青    札差に伺候してまで俳諧し      蘭
 これなる朽木の横にねさうな   章     草を枕に幾夜か寝つる       白
小夜嵐扉落ては堂の月       徳 秋月 あらし過ぐ屋根はいづくか梁の月   蘭
 ふる入道は失にけり露      青 秋   ふる鼠失せ露さむき夜       白
海尊やちかい比まで山の秋     章 秋  次郎吉の心いかでか寺の秋      仝
 さる柴人がことの葉の色     徳 秋   黄金の色葉緑苔に散る       蘭
縄帯のそのさまいやしとかゝれたり 青    羊腸の小径を往く草鞋掛       白
 これぞ雨夜のかち合羽なる    章     尻をからげて笠に雨音       蘭
飛乗の馬からふとや子規      徳 夏  馬子唄に歩をゆるめれば霍公鳥    白
 森の朝影狐ではないか      青     信太の森の売りは葛もち      蘭
三ウ
二柱弥右衛門と見えて立かくれ   章    ワイヤーの見え隠れする白狐かな   白
 三笠の山をひつかぶりつゝ    徳     やんややんやの拍手喝采      蘭
萬代の古着かはうとよばふなる   青    垂涎の革ジャン、レノンミュージアム 白
 質のながれの天の羽衣      章     想像しよう天国はここ       蘭
田子の浦浪打よせて負博奕     徳    ビギナーズラックか旅のラスベガス  白
 不首尾でかへる蜑の釣舟     青     おけらで帰るボウズ軍団      蘭   
前は海入日をあらふうしろ疵    章    白浪の大漁旗も色さめて       白
 松が根まくら石の綿とる     徳     ひときは黒く見える島影      蘭
つゞれとや仙女の夜なべ散紅葉   青 冬  あまをとめ藻塩の鍋で大根炊     仝
 瓦灯の煙に俤の月        章 秋恋月 月に匂ひは届くでせうか      白
我恋を鼠のひきしあしたの秋    徳 秋恋 なさぬ恋利休鼠の霧こめて      蘭
 涙じみたるつぎ切の露      青 秋恋  蔦唐草の紙を切り継ぐ       白
衣奬繪の姿うごかす花の風     章 春花 かな散らし源氏写せば花の風     蘭
 匂ひをかくる願主しら藤     徳 春   藤の面影やどす女童        白

鈴の音一貫二百春くれて      青 春  猫の仔も招く壷焼きふけぬらん    蘭
 かた荷はさいふめてはかぐ山   章     馬手で弓手でそれとも足で     白
雲助のたな引空に来にけらし    徳    雲助をかるくあしらふちりめん屋   蘭
 幽霊と成て娑婆の小盗      青     山椒と酒盗をあてにほろ酔ひ    白
無縁寺の橋の上より落さるゝ    章    忠臣もししと呼ぶなり山くじら    蘭
 都合その勢万日まゐり      徳     「ん」を味方に万マイル貯め    白
祖父祖母早うつたてや者共とて   青    たけざうよここであふたが百年目   蘭
 鼓をいだき草鞋しめはく     章     張扇のおと小屋の外まで      白
米袋口をむすんで肩にかけ     徳    貧相をひげと語りでカバーして    蘭
 木賃の夕部風の三郎       青     どやに宿りて浮世本かく      仝
韋駄天もしばしやすらふ早飛脚   章    アキレスもしばしやすらふ早連句   白
 出せや出せやと責る川舟     徳     次第にあがるヘクトパスカル    蘭
走り込追手顔なる波の月      青 秋月 かけくらべ月のうさぎに追ひついて  白
 すは請人が芦の穂の声      章 秋   秋潮みちる葦はらの舟       蘭
名ウ
物の賭振舞にする天津鴈      徳 秋  双六の上がりに待つは今年酒     白
 木鑵子の尻山の端の雲      青     南部鉄瓶ちんちん鳴つて      仝
人形の鍬の下より行嵐       章    朝帰り舌を駆使して過ぐあらし    蘭
 畠にかはる芝居さびしき     徳     犬のリードで散歩する老      白
この翁茶屋をする事七度迄     青    鶴亀の絵柄に添へし共白髪      仝
 住吉諸白砂ごしの海       章     高砂住吉あひおひの松       蘭
淡路潟かよひに花の香をとめて   徳 春花 花篝打てや鼓にゆらめいて      白
 神代このかたお出入の春     筆 春   一座建立めぐるこの春       蘭

    桃青 三十三                 面白 五十
    信章 三十三                 春蘭 五十
    信徳 三十三
    執筆   一
                           
Alternatives:
 首さする河豚にことなきあしたかな吐く息白く赤き足先     蘭
 月島でもんじやとやらを頂いて釣瓶に寄れば朝顔の露      蘭・白
 われ呼ばふ昼の酔夢に観世音脂粉のちまたは此処でありんす*  蘭
 天平の御世よりおはす盧舎那仏白壁沿ひに五彩も麗*      蘭・白

                                 2007.12.17-29

ばんざーい!わーい(嬉しい顔)

鉄線さん、
おかげで年内に満尾しました。安堵感と達成感がありますね。先人の博識には舌を巻きました。そこそこ(そんなの関係ねぇと)無視をしつつそこそこ心を寄せて結構面白い百韻となったのではないかと思います。おつきあいどうもありがとうございました。
うわ〜、ついに満尾ですね あせあせ

クリスマス内容的にもめでたく巻き納められ、お蔭さまでよい新年を迎えられそうです。
(たしか、はじめは年越しと冠していたような。。。w)

春蘭さん、この一年の間、ご指導ありがとうございました。

また、この場をお借りして、こやんさんはじめ、お世話になりました皆様にもお礼申し上げます。


     ○┓○┓○┓【来年もどうぞ宜しくお願いいたします】┏○┏○┏○
満尾おめでとうございます
お二人で猛スピードで (@_@;)
いや〜も〜、とても入り込む隙間のないよいリズムで、連句はこうありたいのお手本のようでした。
エ!こんな解釈もあるのだなど楽しみながら読者していました。
次回は1句なりとも参加したいと思っています。
良いお年をお迎えください。

           みかん
みかんさん
コメントありがとうございます。両吟ももちろんいいのですが、回りがえらい早いので、正直ぜーぜー気味でしたあせあせ(飛び散る汗) 次回は是非、常任としておでまし下さい。目がハート

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