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ちりめん山椒(連歌 俳諧 連句)コミュの一番みじかい連句「三つ物」はいかがですか

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連句の本質は「付け」と「転じ」だそうです。
それならば、一番みじかい連句「三つ物」を作ってみませんか。
おひとりで「付け」と「転じ」の練習をされてもよろしいですが、数人集まれば
ゲーム感覚の愉しさが味わえますよ。
えんぴつ
[発句] 5・7・5。
当季の季語をもち、原則として切れ字(や・かな・けりなど修辞的に言い切る語)を用いる。
[脇句]7・7。
発句と同季で、発句に添うように付ける。たいていは体言止め。
[第三]5・7・5。
格調高く転じる。て・にて・も・らん・なし・・・などで留めるのが普通。
ただし、発句が「かな」のときは「にて」は用いない。
発句に推量や疑問を示すような助詞・助動詞が用いられたら、「らん留め」は用いない。

クリスマス来年の年賀状用に三つ物を作られるのでしたら
「平成二十一年(または己丑つちのとみ)歳旦三つ物」
などと題するそうです。

コメント(21)

      平成二十年 初冬三つ物   
             

1熊穴へ友は季寄に籠るらむ           面白
     こたつで算段天の磐座(いはくら )     みかん
  まづ明日は開運かかる宴にて          夕笛

2熊穴へ友は季寄に籠るらむ           面白
     布子着込みてまず掃除から         夕笛
  丸木舟重ね塗りする防腐剤           みかん

3散紅葉かさかさと踏む長考句          夕笛   
     短沓(ショートブーツ)に黄の毛糸帽     面白
  リニアカー試運転にと誘われて         みかん
 
4散紅葉かさかさと踏む長考句          夕笛
     小春日和に浮遊する脳           みかん
  琳派展ハンマースホイと梯子して        面白

5筆塚や落ち葉に埋まる筆二本          みかん  
     初凩に染まりゆく頬             面白
  出不精を押して今宵は歌舞伎座に        夕笛

6筆塚や落ち葉に埋まる筆二本          みかん
     想ひ出深さ寒空に尚            夕笛
  デニッシュの焼きたての香のながれきて     面白  

今回の三つ物には別の仕掛け「沓冠」がほどこされておりまして、この先
「獅子沓冠・熊穴へ」と発展させる予定です。
なお「獅子」とは4X4=16(句)、「沓冠」とは「初め」と「終わり」の意で、
発句の字を各句の冠か沓に詠みこんでいく折句のことです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「初冬三つ物」

今回は連衆が3人でしたので
?まず発句を出し合う(ひとり何句でもよい)。
?気に入った発句を選び脇を付ける。
 各自が違う相手の句に1句ずつ付けたので、2句ずつで計6句。
?自分以外の発句と脇の組み合わせに第三を付ける。

結果的に6組の「三つ物」が出来上がりました。
おなじ発句でも、脇によってあるいは第三によって、こんなにも異なる世界が
広がるのかと、ちょっと新鮮な驚きでした。
そう言えば似たようなことを前にやったなとトピを探しました(^^;)

●歳旦三つ物の研究  http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=11683188&comm_id=1303056
歳旦三つ物は、みかんさんに手ほどきをうけ、はじめて年賀はがきに墨で三つ物を
書いて出しました。

  歳旦
    若水を汲めばしたたる小袖かな
      真白まばゆく光る初冨士
    岡野辺を七草摘みにつたひきて   春蘭

  歳旦
    ゆたかなる黒川湧水淑気満つ    
      羽根つく音に子等の歓声         
    新しい道具うれしくもどかしい   智(みかん)

ついでに作った、歳暮三つ物。

    年ふえて買ふもの減るや歳の市
      常の総菜詰める重箱
    除夜の鐘鍋のそば湯を汲みながら  春蘭

●短連句  http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=15694556&comm_id=1303056
前句付けと普通の三句のわたり。平句の七七からスタートするのもあり。

      質のながれの天の羽衣     信章 (『江戸三吟』)
    田子の浦波打ちよせて負博打    信徳
      坊主で帰る海士の釣舟     春蘭

      夫婦でわける開き一枚     春蘭
    厚い方あげて我が家は平和なり    同
      バレンタインのチョコを頂く  青波

それで、
このトピ【一番みじかい連句「三つ物」はいかがですか】は、歳旦三つ物が一般化された形の発句/脇/第三の三つ物なので、七七や平句から始まる三つ物は、トピ【短連句】の方でやればいいですね。なかなかこういう趣向も継続的な活性化は難しいのですが、今回は『江戸座点取俳諧集』などを繙きながら高点句の鑑賞&真似を動機付けとしてやることに致しましょう。あっかんべー
春蘭さん 青波さん
「柳多留・武玉川に付ける」たのしく拝読させていただいています。

さて、お正月には「歳旦三つ物」をと思っておりましたが、個人的に服喪中でしたので、
「寒中三つ物」と相成りました。
ご感想とかいただければ幸いです。

連衆は5名でしたが、ねらいとして総当りとなることを心掛けました。
?発句は各自2句ずつ提出。
?好きな発句に脇を付けます。
全員の発句に付けた方もあれば、そうでない方もあります。
?自分の入っていない発句と脇の組み合わせに第三を付けます。
全部付け句をしたら膨大な数の三つ物になってしまうので、おひとり2つぐらいが目安です。
?完成した三つ物の中から投票でひとつを選び、新しい歌仙の出だしを決めます。

ここで、時間をかけて作品を読みあうことにより、発句のよさもさりながら、脇がよく
付いているか、第三で大きく転じているかなど総合的に吟味することになります。

えんぴつ「三つ物」としてはOKでも、歌仙にしたら五が「月」なので、第三に「天象」はまずい
などということも出てきました。


*コメント1の「平成二十年 初冬三つ物」は、その後「獅子沓冠」に発展し、
以下のトピのコメント80,81,82に収めてあります。  
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=13445370&comm_id=1303056
【寒中三つ物】

発句                 2009.1.13〜1.18
? 荒星や大航海時代ふたたびか    白
? 冬萌や心にきざすもの何ぞ      白
? 寒晴や影踏み遊び寄ってこよ     みかん
? 加速する円高不況枯木立      みかん
? 残る実を喰む尉鶲日脚伸ぶ     草栞   (じょうびたき)
? 白鳥の天使微笑む風の庭      草栞
? 寒雨ありバードバスも凍りつき    文
? 小寒や骨董市にて徳利買い     文
? 寒中や週に五日は鍋料理      夕笛
? 化粧さへ顔のしばれの防ぎかな    夕笛

               写真提供 みっちゃん♪さん
【発句&脇】               1.13〜1.22

? 加速する円高不況枯木立        みかん
     耕して食ぶ冬菜の甘さ       白

? 白鳥の天使微笑む風の庭        草栞
     しばれる光は受胎告知か      白

? 小寒や骨董市にて徳利買い       文
     八目鰻に睨まれてゐる       白

? 冬萌や心にきざすもの何ぞ        白
     寒紅さして鏡に問ひぬ       夕笛

? 寒晴や影踏み遊び寄ってこよ      みかん
     いれて欲しやと見ゆ雪だるま   夕笛

? 残る実を喰む尉鶲日脚伸ぶ       草栞   (じょうびたき)
     寒肥撒いて苺夢見る        夕笛

? 小寒や骨董市にて徳利買い       文
     夕餉想はゆ風花の道        夕笛

? 寒中や週に五日は鍋料理        夕笛
     物書きをへて葱きざむ夕      白

? 冬萌や心にきざすもの何ぞ        白
     炉火しずまりぬ袱紗美し      文

? 残る実を喰む尉鶲日脚伸ぶ       草栞   
     長き日を経て春を待つ芽は     文

? 荒星や大航海時代ふたたびか       白
     襷掛けしていざ寒稽古       みかん

? 白鳥の天使微笑む風の庭        草栞
     冬うららかに長き影曳く      みかん

? 寒雨ありバードバスも凍りつき      文
     白き息はき犬のあいさつ      みかん

? 化粧さへ顔のしばれの防ぎかな     夕笛
     巻貝のごと舞うスケーター     みかん

? 荒星や大航海時代ふたたびか      白
     情報爆発豆撒き散らす      草栞

? 加速する円高不況枯木立        みかん
     お水送りの春を待つ寺       草栞


          写真提供 みっちゃん♪さん
      完成【寒中三つ物】      2009.1.13〜1.25

1-A
冬萌や心にきざすもの何ぞ        白
  炉火しずまりぬ袱紗美し      文
山の端に静寂を破る鳥鳴いて      夕笛(しじま)
             1-B
              冬萌や心にきざすもの何ぞ        白
                炉火しずまりぬ袱紗美し      文  
              踏切を列車の過ぎる音のして      夕笛
2
白鳥の天使微笑む風の庭        草栞
  冬うららかに長き影曳く      みかん
川沿ひのポプラを人の過ぎぬらん    夕笛
             3
              冬萌や心にきざすもの何ぞ        白
                炉火しずまりぬ袱紗美し      文
              蔀戸を上げて差す日の傾きて      草栞
4
化粧さへ顔のしばれの防ぎかな     夕笛
   巻貝のごと舞うスケーター    みかん
喝采にため息混じる待ち時間      草栞
             5
              小寒や骨董市にて徳利買い       文
                八目鰻に睨まれてゐる       白
              パソコンは反転拡大表示して      みかん
6
寒中や週に五日は鍋料理        夕笛
  物書きをへて葱きざむ夕      白
残高はすかすかすかと減るばかり    みかん
               7
              小寒や骨董市にて徳利買い       文
                夕餉想はゆ風花の道        夕笛
              "Yes,you can"背を押すもの欲りながら  白(せな)
8
白鳥の天使微笑む風の庭        草栞
  冬うららかに長き影曳く      みかん
"Change!"とふ人のさざめき対岸に   白
              9
              寒晴や影踏み遊び寄ってこよ      みかん
                いれて欲しやと見ゆ雪だるま    夕笛
              校舎より始業のチャイム流れきて    白 
10
寒晴や影踏み遊び寄ってこよ       みかん
  いれて欲しやと見ゆ雪だるま    夕笛
二階には手差しの防具干しおりて    文
              11 
              加速する円高不況枯木立        みかん
                耕して食ぶ冬菜の甘さ       白
              3日目の骨盤体操はや挫折       文

                    写真提供 みっちゃん♪さん
発句に脇を付け、その組み合わせに第三を付けるという方法で
今回も「三つ物」を作りました。 
おなじ発句から生まれるヴァリエーションの豊かさに驚かされます。

1

     早乙女や転がす声に風が乗り     苑



2
   
   早乙女や転がす声に風が乗り     苑
     うなじまぶしき菅笠の中      祐輔


   早乙女や転がす声に風が乗り      苑    
     風雅につづけ老鶯も         面白


   早乙女や転がす声に風が乗り      苑
     母娘三代揃いの単衣         みかん


   早乙女や転がす声に風が乗り      苑
     モデル嬢たち揃いの単衣       みかん


   早乙女や転がす声に風が乗り     苑
     聴き惚れるまま午睡忘れて     草栞


   早乙女や転がす声に風が乗り     苑
     涼しさ運ぶディヴェルティメント   草栞


3


   早乙女や転がす声に風が乗り     苑    
     風雅につづけ老鶯も         面白
   鞭打って我が身励ます古希の坂    祐輔 

 
   早乙女や転がす声に風が乗り       苑
     モデル嬢たち揃いの単衣        みかん
   ON/OFFとスイッチたくみに切り替えて   面白


   早乙女や転がす声に風が乗り     苑
     うなじまぶしき菅笠の中       祐輔
   卵白を角が立つほど泡立てて     みかん


   早乙女や転がす声に風が乗り     苑
     涼しさ運ぶディヴェルティメント   草栞
   義山(ギヤマン)の香合床に飾りつけ  文


   早乙女や転がす声に風が乗り      苑
     母娘三代揃いの単衣         みかん
   草原に小さな家のあった頃       草栞

                             2010.5.28〜6.4
樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ    日野草城

連歌における発句と脇との関係は正客と主人の挨拶句なので、一句で屹立している
現代俳句は 発句に向かない(二の句が継げない)という丸谷・大岡さんの談話を
ご紹介したことがあります。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=24731585&comm_id=1303056(コメント4)

本『十七季』の発句の項を読みますと
「発句は一巻興行のその季節にかなった季語をもち、切字(や・かな・けり、など
修辞的に言い切る語) をもっていることが求められるが、それはその一句が詩情
として独立した想と形とをもっていることが求められるからである。
無季の発句、切字のない発句も全くないわけではないが、きわめて稀である。」
と書かれています。

切字はありませんが、日野草城の梅雨入りの句で脇起しに挑戦してみました。

1
樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ    草城
  待ちくたびれて眠る子燕       祐輔
夜もすがらブブゼラの音まとひつき    面白

2
樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ    草城
  花茣蓙をのべ待つはまれびと      面白
門口に男女不問の札下げて        祐輔

3
樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ    草城
  高さ色々傘の列過ぎ          草栞
人は人我は我なり大都会         祐輔

4
樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ    草城
  明月院にとりどりの傘         うさ
遺失物係いよいよ忙しなく        面白

5
樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ    草城
  花茣蓙をのべ待つはまれびと      面白
さてけふはどんな話をお茶受けに     うさ

6
樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ    草城
  高さ色々傘の列過ぎ          草栞
無心にて足を差し出す右左        うさ

7
樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ    草城
   濃く薄く色映ゆる紫陽花       うさ
移り気は女の性(さが)と言ひ募り    祐輔

                       写真 みっちゃん♪さん
           大暑三つ物
                   平成二十二年七月二十三日
1
念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城    
  息も絶え絶え土用の鰻         祐輔
床に水流す音のみ響きゐて       面白

     2
     念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城     
       百合の香強くたちこめる部屋      苑
     憧憬ははるか遠くにありてこそ     面白

3
念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城     
  空蝉の木に累々として         草栞
からからと風吹きぬける日ぞいつか   面白  

     4
     念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城 
       夏休み待ちマクロ習得         みかん
     食洗器使つてみたらあら便利      面白

5
念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城    
  息も絶え絶え土用の鰻         祐輔
組み合わせ悪くて延長戦になり     苑

     6
     念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城 
       夏休み待ちマクロ習得         みかん
     最終のバーゲンセール勝ち組は     苑

7
念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城     
  百合の香強くたちこめる部屋      苑
軒先に華道師範の札ありて       祐輔

     8
     念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城     
       空蝉の木に累々として         草栞 
     浅き夢覚めやらぬ間の大合唱      祐輔

9
念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城     
  朝な朝なに咲く仏桑花         面白 
ウクレレの音色涼しき海の家      祐輔

     10
     念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城 
       夏休み待ちマクロ習得         み
     重箱の隅を突つつく癖ありて      祐輔

11
 念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城
   息も絶え絶え土用の鰻         祐輔
 この機会逃すものかと追いかけて    みかん

      12
      念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城     
        朝な朝なに咲く仏桑花        面白
      犬友にお散歩族も加わって       みかん

13
念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城
  息も絶え絶え土用の鰻         祐輔
宇宙でも決して狂わぬ腹時計       草栞

     14
     念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城     
       百合の香強くたちこめる部屋      苑     
     背を伸ばし歩き疲れて一休み      草栞

15
念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城     
  朝な朝なに咲く仏桑花         面白 
宵越の糧を持たずにコンビニへ     草栞

     16
     念力のゆるめば死ぬる大暑かな     鬼城 
       夏休み待ちマクロ習得         みかん
     有効の合はせ技にて昇段し       草栞


                        写真 みっちゃん♪さん
亮さんの発句に脇・第三を付けて、9名の連衆で三つ物に仕立てました。
おなじ発句でも選句・付け句をしていくうちにまるで違う絵模様が織りなされて
行きます。
この後、三つ物のひとつから世吉(四十四句)がスタートしました。

                     2011.3.7〜3.12
【A】

春の雪載せてとりどり傘景色       亮     
  濡れないように雛あられ抱く     みかん    
残る鴨なにがよくってこの沼に     面白    

     春の雪載せてとりどり傘景色       亮   
       メトロの口に途惑う地虫        面白    
     耕人に求められるはエコロジー     祐輔     

春の雪載せてとりどり傘景色       亮  
  メトロの口に途惑う地虫        面白  
笛の音に遠足の子等かたまりて     みかん  

     春の雪載せてとりどり傘景色       亮  
       メトロの口に途惑う地虫        面白  
     いたづらな東風に負けないミニスカート  苑 

春の雪載せてとりどり傘景色      亮    
  ミモザ香れる玄関を抜け       草栞   
猫の子をそっと飼ってる秘密基地   和音
    
     春の雪載せてとりどり傘景色      亮  
        ぬれないように雛あられ抱く    みかん
     伝えゆけその奥ゆかし所作もまた    うさ

【B】

大空にあまたのどれも八重椿       亮   
  淡雪積もると手紙を綴り      うさ   
赤い糸抜いて納める針供養       文  


【C】   

     佐保姫の裳裾の揺れている銀座      亮  
       柳絮飛ぶかや風なき午後に       文  
     潮干狩りする子らの声嬉々として    草栞  

   久保田万太郎の夏の句三題で脇起し

1
     神田川祭の中を流れけり         万太郎
    まだ若かった浴衣の貴方          祐輔 
    丈直しせずに新調太っ腹          草栞

          神田川祭の中を流れけり         万太郎
         親分子分揃ひの甚平            草栞 
         てーへんでー隣の猫の髭がない       祐輔

2  
     今日のこと今日すぐわする桐の花     万太郎
    木の枝はらひ燻らす紫煙          面白
    新入りの藍の脚絆がまぶしくて      みかん

          今日のこと今日すぐわする桐の花     万太郎
         しばし娘で母の日なれば           苑
         突然の涙もろさも許されん         草栞

     今日のこと今日すぐわする桐の花     万太郎
    シュワシュワシュワとサイダーの泡     祐輔
    頭韻をそろへてみたりこはしたり      面白

          今日のこと今日すぐわする桐の花     万太郎
         同じ頁でまた午睡して           草栞
         舟を漕ぐ村の船頭はもう六十路       祐輔

     今日のこと今日すぐわする桐の花     万太郎
    武者人形の兜斜めに            みかん
    寝違えの首の膏薬二股で          祐輔

3
     この恋よおもひきるべきさくらんぼ    万太郎
    青み深まる切子の器            草栞
    旅に出るとてもとてもいまつらくって    面白
      
          この恋よおもひきるべきさくらんぼ    万太郎
         白靴軽き修学旅行             和音
         憧れの青い山脈仰ぎ見て          草栞

         晩秋[三つ物]

                         2011.10.2〜10.8

1
  青空に背筋を伸ばす秋刀魚かな     和音  秋
    身をそがれても銀鱗の月      祐輔  秋月
  花野には八人の衆連座して       面白  秋 (はったり)

  青空に背筋を伸ばす秋刀魚かな     和音  秋
    身をそがれても銀鱗の月      祐輔  秋月
  大花野八人の衆連座して        面白  秋 (はったり)

  青空に背筋を伸ばす秋刀魚かな     和音   秋
    身をそがれても銀鱗の月       祐輔   秋月
  金木犀匂い立ちたる暗闇に       苑    秋

  青空に背筋を伸ばす秋刀魚かな      和音   秋
    身をそがれても銀鱗の月       祐輔   秋月
  コスモスの揺れにシャッターきれぬまま  みかん  秋

2
  海を背に色変えぬ松立ちにけり      和音   秋
    爽籟に訊く2011             面白   秋
  仮の家をほのかに照らす月ありて     祐輔   秋月

  海を背に色変えぬ松立ちにけり      和音   秋
    爽籟に訊く2011             面白   秋
  沈みても昇らぬ月のなきを知り      祐輔   秋月

  海を背に色変えぬ松立ちにけり     和音   秋
    爽籟に訊く2011             面白   秋
  日めくりの薄くなりゆく十三夜       文   秋月

  海を背に色変えぬ松立ちにけり      和音   秋
    爽籟に訊く2011             面白   秋
  月煌々虫の影さえくっきりと       みかん  秋月

  海を背に色変えぬ松立ちにけり      和音   秋
    爽籟に訊く2011             面白   秋
  後の月茶碗撫でつつ仰ぎ看て       草栞  秋月

2
  海を背に色変えぬ松立ちにけり      和音   秋
    波のまにまに揺れる弦月        文   秋月
  道しるべそれぞれにあり鳥渡る       苑   秋

2
  海を背に色変えぬ松立ちにけり     和音   秋
    月明かりにも威風堂々        苑    秋月
  朗報に応える姿さやかにて       文  秋


3
  秋深し笑顔溢れる湯気の卓       和音   秋
     栗剥きすぎて痛む指先       みかん  秋
  半月は乳をしとらせ甘やかに      面白   秋

         冠字[あ・き・の] 三つ物
                        2011.10.28〜10.31

1
発句  天の原遥かに鶴の渡るらん        祐輔  冬
 脇    北窓閉ぢて薪積む夕べ          文  冬
第三  ノヴェンバーステップスなど耳鐘に    面白 

発句  天の原遥かに鶴の渡るらん        祐輔  冬
 脇    北窓閉ぢて薪積む夕べ          文  冬
第三  ノエルには久しき顔が勢ぞろひ      苑   冬

発句  天の原遥かに鶴の渡るらん        祐輔  冬
 脇    北窓閉ぢて薪積む夕べ          文  冬
第三  残り物集めたチジミ美味しくて      みかん
 
---------------------
発句  天の原遥かに鶴の渡るらん        祐輔  冬
 脇    吉日選ぶ七つ子詣            苑  冬
第三  ノンシャラン気どるもいつか親となり   面白

発句  天の原遥かに鶴の渡るらん        祐輔  冬
 脇    吉日選ぶ七つ子詣            苑  冬
第三  野辺に咲く花を一輪髪に挿し       和音

---------------------
発句  天の原遥かに鶴の渡るらん        祐輔  冬
 脇     きらりきらりと凍てつく水面     和音  冬
第三  乗り越しも得した気分ポジティブに    苑

発句  天の原遥かに鶴の渡るらん        祐輔  冬
 脇     きらりきらりと凍てつく水面     和音  冬
第三  野うさぎの跳ねた足跡辿り来て      草栞  冬

---------------------
発句  天の原遥かに鶴の渡るらん        祐輔  冬
 脇    金銀燻し山も眠るか          面白  冬
第三  軒下に身づくろいする竈猫         文  冬

---------------------
2
発句  浅き日を惜しみて一句芭蕉の忌      祐輔  冬
 脇    木守りの実に託す行く末        草栞  冬
第三  のほほんと腕組みながら変若ちを待つ   面白 (をち)
  
---------------------
3
発句  あはれ知る事多かりき神無月       祐輔  冬
 脇    気象レーダー寒煙とらへる      みかん  冬
第三  野良猫の影目の前を横切りて       和音

       処暑の三つ物
                        2012.8.21〜8.25

?
発句  煮えたぎる湯の音ばかり秋の朝       文   秋
 脇    いつしか止みぬ蜩の声        草栞   秋
第三  藩誌編む月齢のごと淡々と        面白   秋月


?
発句  煮えたぎる湯の音ばかり秋の朝       文   秋
 脇    色よく漬かる名残のなすび     みかん   秋
第三  嫁の身の哀れかこちて月に泣く      祐輔   秋月


?
発句  煮えたぎる湯の音ばかり秋の朝       文   秋
 脇     家族そろつてする盆支度       苑   秋
第三  月旅行ばあちやんの夢広がりて      和音   秋月


?
発句  煮えたぎる湯の音ばかり秋の朝       文   秋
 脇    いつしか止みぬ蜩の声        草栞   秋
第三  大小の池塘それぞれ月抱いて       みかん  秋月


?
発句  煮えたぎる湯の音ばかり秋の朝       文   秋
脇     色よく漬かる名残のなすび     みかん   秋
第三  送南風ムーンリバーを聴きながら      苑   秋月


?
発句  煮えたぎる湯の音ばかり秋の朝       文   秋
脇     愛逢月に届きたる文         面白   秋
第三  行合の空に弓張浮べたし         草栞   秋月


            晩秋三つ物沓冠
                           2012.10・26〜10.31

1
堂々と白き山立つ秋の朝            和音 
  有明月も知りえぬ宿阿           面白
運動会一年一度の主役とて           みかん
      
      堂々と白き山立つ秋の朝            和音
        有明月も知りえぬ宿痾           面白
      運勢は五黄土星の吉なれど           祐輔

堂々と白き山立つ秋の朝            和音
  有明月も知りえぬ宿痾           面白
うちごはん家族そろって倍美味し         苑

      2
      右肩を濡らして歩く秋時雨           祐輔
        温め酒酌み幻月仰ぐ           みかん
      銀巴里もモンパルナスの灯も消えて       面白

      
右肩を濡らして歩く秋時雨           祐輔
  温め酒酌み幻月仰ぐ           みかん
銀行の残高になど目もくれず         苑
      
      右肩を濡らして歩く秋時雨           祐輔  
        無月の径にエディターズバッグ       面白
      業界の内部告発冷まじく           みかん

3   
音出しをするかのように山紅葉          苑   
  桂男の見せる微笑み           和音
湯治村屋号懐かし軒連ね            文


       4
      椋鳥の群れ姦しき道の駅             文  
        栗名月にふるう腕前            面白
      喰い初めにあーんあーんと皆口あけて     みかん

椋鳥の群れ姦しき道の駅             文
  栗名月にふるう腕前            面白
口開けは舌の肥えたる老夫婦          祐輔

       
      椋鳥の群れ姦しき道の駅             文
        栗名月にふるう腕前            面白
      苦労した顔は見せずににっこりと        和音

       富士山平成二十五年 歳旦三つ物 

1
日めくりを柱に掛けて去年今年       祐輔 
  脱皮せんとなやれおらが春       面白
流行の衣装ルンルン身に纏い       和音


   日めくりを柱に掛けて去年今年       祐輔 
     脱皮せんとなやれおらが春       面白
   龍の目の涙流れて船となり         草栞

2
日めくりを柱に掛けて去年今年       祐輔
  父の癖字の年玉袋          みかん
難しい変体仮名が読めなくて        和音

3
日めくりを柱に掛けて去年今年       祐輔  
  衣紋正して囲む節饗           文  
オリンピック招致は若きに任せおき     面白


   日めくりを柱に掛けて去年今年       祐輔
     衣紋正して囲む節饗           文 
   しっかりとバトンを渡す子に孫に      和音 

4
日めくりを柱に掛けて去年今年       祐輔
  紙飛行機を飛ばす初空         和音  
内外の憂いの重さに耐えぬいて      みかん
 

   日めくりを柱に掛けて去年今年       祐輔
     紙飛行機を飛ばす初空         和音  
   少しづつ夢に近づく予感して         文

5
日めくりを柱に掛けて去年今年       祐輔
  初礼をして読みあげる声         苑
東西の番付表も出揃いて          面白 

6
日めくりを柱に掛けて去年今年       祐輔 
  添える破魔矢に無事を願って      草栞 
桃割れの後姿のあどけなさ         面白




           寒中三つ物
                       2013.1.20〜28

1
    巨星堕つ弟子屈町は雪しんしん      面白
      スノーモービルに乗って行くらし  みかん
    急かされた宅配ピザも間に合つて     草栞
   
    巨星堕つ弟子屈町は雪しんしん       面白
      スノーモービルに乗って行くらし   みかん
    生活をかけて鬼は豆集め          祐輔

2 
    残る実を喰む常鶲日脚伸ぶ        草栞
      センター試験もいやなんのその    面白
    腰抜かすほど派手派手の一張羅       苑

    残る実を喰む常鶲日脚伸ぶ        草栞
      ママチャリ快走雪見の買い物    みかん
    骨密度計ってみれば二十代        和音

    残る実を喰む常鶲日脚伸ぶ         草栞
      ママチャリ快走雪見の買い物     みかん
    コンビニのおでんの味もよく滲みて     祐輔
3

    積む雪や足の置き場に迷いおり     みかん
      冬の日差しに光る盛り塩       和音
    紫の式部とならばなんとしょう      面白

    積む雪や足の置き場に迷いおり     みかん
      冬の日差しに光る盛り塩       和音
    無依とは自由な心と教えられ         文

    積む雪や足の置き場に迷いおり     みかん
      返却急ぐスノボのビデオ        苑
    婿殿はいつの間にやらインドア派     和音
4 
    腰痛に湿布を貼って雪下ろし       祐輔
      いくつになっても春待つこころ    面白
    ウルウルと涙腺弱くなっている      和音

    腰痛に湿布を貼って雪下ろし       祐輔
      いくつになっても春待つこころ    面白
    ウルトラの技さえわたる決勝戦       文

    腰痛に湿布を貼って雪下ろし       祐輔
      いくつになっても春待つこころ    面白
    売れ筋はブラウン系と見定めて     みかん
 
    腰痛に湿布を貼って雪下ろし       祐輔
      寒星仰ぐ露天のお風呂        和音
    歌声に仕切り隔てて耳澄ませ       草栞
 
    腰痛に湿布を貼って雪下ろし       祐輔
      鍋に熱燗待っている頃        草栞
    うちご飯それとも他所でうふふふふ    面白
6
    行く足をふと止めにけり寒椿       和音
      雪で高騰野菜の相場         面白
    九分九厘纏めた企画かわされて     みかん
7
    鯛焼きのぬくもり胸に帰る道        文
      寒稽古終へ迫る夕闇         面白
    イトシアにタカラジェンヌの居るショップ  苑

    鯛焼きのぬくもり胸に帰る道        文
      かまくらで待つ孫のほほゑみ      苑
    いつのまに犬の兄弟仲間入り       草栞



      小満芒種 三つ物             2015.5.22〜5.25

1
発句  冷奴四つに切りけり減量期        真  夏
 脇    小満芒種みづゑの世界       面白  夏
第三  産院の窓より笑ひ声のして        文

2
発句  冷奴四つに切りけり減量期        真  夏
 脇    小満芒種みづゑの世界       面白  夏
第三  出不精はカーソル任せで旅をする    苑


3
発句  冷奴四つに切りけり減量期        真  夏
 脇    アッパッパ着て隠す体型        苑  夏
第三  ようそろと言葉の海に漕ぎ出さう   面白


4
発句  夏浅し石の佛のほそき腕          真  夏
 脇    新緑の道子等はにぎやか      和音  夏
第三  せせらぎを渡る嬉しさ日は落ちて   草栞


5
発句  夏浅し石の佛のほそき腕          真  夏    
 脇    人なき野路に丁字草咲く        文  夏
第三  歌枕たづねきたれば早三十日     面白


6
発句  夏浅し石の佛のほそき腕          真  夏      
 脇    野いばらの咲く小径抜け行く     草栞  夏
第三  遠来のお客様ですおもてなし      和音

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