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ちりめん山椒(連歌 俳諧 連句)コミュの連句作品集『連理の小筥』

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今までに巻いた連句作品です。



photo by neo
「輪廻転生」雨池から坪庭に向かう森の中で。

コメント(284)

第四千句第四百韻

     百韻『さざ波は』の巻 
                  2013.2.6〜2.28
発句  さざ波は立春の譜をひろげたり  水巴  春     
脇句    東風に吹かるゝ堤のをとめら 春蘭  春  てい
第3  雉ほろろ玉追う子には罪もなし  風牙  春
4     無垢の小筥に仕舞ふ臍の緒  草栞
5   旅立ちの準備万端整ひて     真葛
6     無料アプリも割と役立つ    牙
7   待宵の今日の運勢占ひぬ     ね子  秋月
8     貴人挿頭す紅葉一枝     曙水  秋  あてびと かざす
裏
9   初嵐芸妓のひとり路地急ぐ    玄碩  秋
10    ”妻”と記して君を待つ宿    蘭  恋
11  俳句でも一つ捻つて捧ぐ愛     栞  恋
12    声高にては云へぬ腰痛     葛
13  孫娘前にすべてをそっちのけ    蛉
14    パソコン慣れてネット通販   蘭
15  口コミの評判さへも金次第     ね
16    暇な隠居は地獄耳にて     栞
17  犬吠えて向かいの娘は朝帰り    碩
18    有明月をとどむ夏空      葛  夏月
19  大漁と烏賊釣船の旗なびく     牙  夏
20    白寿赤飯お裾分けきて     水
21  枯枝に花咲くごとく若返り     栞  春花
22    子供のお古似合ひ麗らか    蘭  春
二表
23  奪ふべき愛ふらここに託し漕ぐ   葛  春恋
24    四月馬鹿にも淡き初恋     ね  春恋
25  付け文に差出人の名の無くて    牙  恋
26    告白披露罰ゲームなり     蛉
27  振り返るわが青春は悔いに満ち   蘭
28    古い手帳にペンは走らず    碩
29  ブラインド・タッチ華麗な新世代  蘭
30    国会中継コンサートなみ    葛
31  冬ざれの日本経済上向いて     ね  冬
32    滑らぬやうに歩く雪道     栞  冬
33  学校は知育偏重試験漬け      蘭
34    やる気演技でみせる就活    〃
34    世にはざらなり答えなき問ひ  〃
34    可愛さ変わらずどれもどんぐり 水  秋
35  月よ月我ら等しく死に近し     ね  秋月 三句に
36    山海の幸並ぶ賢治忌      牙  秋
二裏  
37  猫の手も借りたいほどの芋煮会   栞  秋
38    本家争ひしばし休戦      葛
39  呼び込みの熱さで決めるあぶり餅  蘭
40    青空市は今日も賑やか     ね
41  アンティークグラス二脚のクリスマス 牙 冬
42    嘘かまことか王の血筋と    葛
43  山陵を越えて広がる青田波     碩  夏  みささぎ
44    不意に現る虹の架橋      栞  夏
45  ポケットの婚約指輪取り出せず   ね  恋
46    葡萄酒醸し刻む君の名     牙  秋恋
47  待たされて有明の月薄蒼く     水  秋月
48    花紅葉敷く寺の延べ段     蘭  秋花
49  千年の古都の誇りは今もなほ    葛
50    ゴンドラ漕ぎもベルカントにて 栞
三表
51  チップにと覗く財布に小銭無し   牙
52    唇赤き七五三の子       ね  冬
53  初時雨止みて手水に光満つ     栞  冬
54    人気作家の返本の山      葛
55  評判は良くも悪くもバズられる   蘭
56    重き扉を開くる躊躇ひ     牙
57  教会に憬れ抱く仏教徒       ね
58    バージンロード父は疎まし   水
59  身ごもりを服で隠せぬやうになり  蘭
60    ここが出番と鳩の飛び出す   葛
61  道化師の子等はやしたて辻舞台   蛉
62    夏草燃ゆる城の坂下      栞  夏
63  刀から蚊遣りまで売る骨董屋    水  夏
64    伏し目にかくす志しあり    葛
三裏
65  少年の夢は宇宙に植民地      ね
66    アニソンばかり歌うカラオケ  牙
67  オフ会やハンドル名のこそばゆさ  蘭
68    闇にまぎれて触れる君の手   葛  恋
69  ボエームを想ひ耳まで赤くなり   栞  恋
70    大気汚染で意識失ふ      ね
71  噂して曹操がくる四千年      水
72    歴史は知恵の宝庫なりとや   蘭
73  鷄か卵が先か気になりて      ね
74    食欲誘ふ三つ葉芹の香     牙  春
75  水音を空耳かとも月朧       葛  春月
76    日永過ごすに足りる狭筵    蘭  春
77  孫ひまご祖父母の家は花盛り    ね  春花
78    写真館にて記念撮影      栞
名表
79  星屑の落ちし北の地五稜郭     牙
80    出張ついでに市内観光     蘭
81  庭先の路面電車に菊ゆるゝ     蛉  秋
82    駅長のごと案山子佇む     ね  秋
83  瓢の笛誰ぞ吹きたる月の夜     牙  秋月
84    人さらひとや聞くも恐ろし   葛
85  韓流を追っかけ家事はそっちのけ  蘭
86    目が離せない字幕スーパー   水
87  顧て初めて気づく恋心       栞  恋
88    相合傘を書いてまた消し    葛  恋
89  放課後に一人残されドリル解く   牙
90    おやの渋面浮かぶゆふぐれ   蘭
91  ひと月に十三回の里帰り      ね
92    政策変わって弟妹ができ    水
名裏
93  口遊むいろはにほへとほろ酔ひて  葛
94    あさきゆめみてさめしあけぼの 蘭
95 「芝浜」のかみさんほどに芸もなく  水
96    付け払ひせでお後よろしく   栞
97  春風に列みだれなきラーメン屋   蘭  春
98    頑固一筋山も笑へり      ね  春
99  花守の留め置き事項また増えて   葛  春花
99  若松の堀を染めたる花鏡      牙  春花
挙句    筵で待つは新社員らし     牙  春  両句に 

・・・<a href="http://is.gd/XaA02d">経過は</a>

※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
____________________________________
初折表 123456月8       (1〜8)   花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8       (93〜100)_________

<a href="http://is.gd/cZMY8"> 作法式目</a>
<a href="http://metrius.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html"> 付け転じ方</a>
写真提供は<a href="http://photozou.jp/photo/top">フォト蔵さん</a>
エンドレス自由連歌   2013.2.9〜3.4

251  ファッションを決めて街中ウォーキング 蘭
252    風で捲れる選挙ポスター      栞
253  世論とはメディアが作るムードにて   蘭
254    人のつぶやきさへも鵜呑みに    栞
255  おいしいと聞けば遠路も蕎麦行脚    蘭
256    山の色づくころは格別       〃
257  茸狩滑らぬやうに手を繋ぎ       栞
258    きづかぬうちに晴れる朝霧     蘭
259  秋の空女心は測りかね         栞
260    ひとりきままに古刹巡礼      蘭
261  チェックイン飛鳥坐神社にて      栞  あすかにいます
262    そこはかとなく息吹く万葉     蘭
263  読むほどに顔も赤らむ素直さよ     栞
264    源氏にまなぶ恋の駆け引き     蘭
265  魅入られて呪はるるとも本望か     栞
266    得れば興味をなくす人性      蘭
267  本棚の図録の中身憶え無し       栞
268    基準適用かたき断捨離       蘭
269  期待せぬ残り物にも福ありて      栞
270    誘ひし壁の花は令嬢        蘭
271  情熱のタンゴ始まり血も上る      栞
272    たまの観劇理性ぶっ飛ぶ      蘭
273  外泊となりし言ひ訳何とせん      栞
274    潮騒やさし彼は誰の浜       蘭
275  今はもう帰らぬ夏を惜しみつつ     栞
276    耳をつんざく蜩の声        蘭
277  山際にいつしか浮ぶ盆の月       栞
278    みやうみまねも混じる踊り手    蘭
279  ロボットに負けはせじとぞ技磨く    栞
280    うんちく通りいかぬ蕎麦打ち    蘭
281  まづ食事から自立せん濡れ落ち葉    〃
282    団栗降れば笑ふ山姥        栞
283  望の夜に帰ると息の手紙来る      蘭
284    菊花の約想ひ戦慄         栞  ちぎり
285  中華製戦国ドラマに囚はれて      蘭
286    呉越同舟臥薪嘗胆         栞
287  嫁と母両者立てるはむづかしく     蘭
288    どつちの料理下手か上手いか    栞
289  口こみはあんまり当てにならぬもの   蘭
290    イイネ!ボタンも面倒になり    栞
291  ネットでも日記はネタで苦労する    蘭
292    他所で見たよなコピー出回る    栞
293  正直に言へばわからぬ茶器の価値    蘭
294    普段遣ひが名物となり       栞
295  大八で振り売りあるく京野菜      蘭
296    ベンツ乗り付け急ぐ買ひ出し    栞
297  融けきらぬうちに小雪のちらついて   蘭
298    巣籠りしつつ英気養ふ       栞
299  オフシーズン溜めし有休消化する    蘭
300    三春の花も名残とどめん      栞
エンドレス自由連歌『狂句こがらし』  2013.2.9〜3.4

251  ファッションを決めて街中ウォーキング 蘭
252    風で捲れる選挙ポスター      栞
253  世論とはメディアが作るムードにて   蘭
254    人のつぶやきさへも鵜呑みに    栞
255  おいしいと聞けば遠路も蕎麦行脚    蘭
256    山の色づくころは格別       〃
257  茸狩滑らぬやうに手を繋ぎ       栞
258    きづかぬうちに晴れる朝霧     蘭
259  秋の空女心は測りかね         栞
260    ひとりきままに古刹巡礼      蘭
261  チェックイン飛鳥坐神社にて      栞  あすかにいます
262    そこはかとなく息吹く万葉     蘭
263  読むほどに顔も赤らむ素直さよ     栞
264    源氏にまなぶ恋の駆け引き     蘭
265  魅入られて呪はるるとも本望か     栞
266    得れば興味をなくす人性      蘭
267  本棚の図録の中身憶え無し       栞
268    基準適用かたき断捨離       蘭
269  期待せぬ残り物にも福ありて      栞
270    誘ひし壁の花は令嬢        蘭
271  情熱のタンゴ始まり血も上る      栞
272    たまの観劇理性ぶっ飛ぶ      蘭
273  外泊となりし言ひ訳何とせん      栞
274    潮騒やさし彼は誰の浜       蘭
275  今はもう帰らぬ夏を惜しみつつ     栞
276    耳をつんざく蜩の声        蘭
277  山際にいつしか浮ぶ盆の月       栞
278    みやうみまねも混じる踊り手    蘭
279  ロボットに負けはせじとぞ技磨く    栞
280    うんちく通りいかぬ蕎麦打ち    蘭
281  まづ食事から自立せん濡れ落ち葉    〃
282    団栗降れば笑ふ山姥        栞
283  望の夜に帰ると息の手紙来る      蘭
284    菊花の約想ひ戦慄         栞  ちぎり
285  中華製戦国ドラマに囚はれて      蘭
286    呉越同舟臥薪嘗胆         栞
287  嫁と母両者立てるはむづかしく     蘭
288    どつちの料理下手か上手いか    栞
289  口こみはあんまり当てにならぬもの   蘭
290    イイネ!ボタンも面倒になり    栞
291  ネットでも日記はネタで苦労する    蘭
292    他所で見たよなコピー出回る    栞
293  正直に言へばわからぬ茶器の価値    蘭
294    普段遣ひが名物となり       栞
295  大八で振り売りあるく京野菜      蘭
296    ベンツ乗り付け急ぐ買ひ出し    栞
297  融けきらぬうちに小雪のちらついて   蘭
298    巣籠りしつつ英気養ふ       栞
299  オフシーズン溜めし有休消化する    蘭
300    三春の花も名残とどめん      栞
エンドレス自由連歌『狂句こがらし』  2013.3.5〜3.30

301  うまさうな新草萌える山野辺に   蘭
302    羊の毛刈る技を見物      栞
303  思ひ立ちアクア経由でツーリング  蘭
304    潮干に見えぬ蟹の戯れ     栞
305  押せばひき引けばおすてふ恋のみち 蘭
306    ドン・ジョヴァンニの増えるカタログ 栞
307  結婚後ミステリアスとモテ期来て  蘭
308    小説よりも奇なる体験     栞
309  わざと身を落としルンペン放浪記  蘭
310    良夜に想ふ風月同天      栞
311  おほてらの由緒を読めば身に入みて 蘭
312    肩を寄せ合ふ黄落の道     栞
313  あこがれの田舎暮らしもある憂ひ  蘭
314    角のコンビニ今日で閉店    栞
315  血糖値下げるに良いとウォーキング 蘭
316    山ブランドで街に出かける   〃
317  森ガール聞こゑの良さにくすぐられ 栞
318    アイデンティティを奪ふ流行  蘭
319  頑なに変らぬ味を守る店      栞
320    至誠の文字の額のゆかしく   蘭
321  幕末の志士の思ひの偲ばれん    栞
322    問題山積国の内外       蘭
323  風塵とともに去り行く冬の雷    栞
324    三寒四温にまよふ服装     蘭
325  イースター前に安堵の根競べ    栞
326    デートの誘ひ彼女からTEL   蘭
327  慕はしき名前何度も確かめて    栞
328    ピンポンダッシュ逃げる悪餓鬼 蘭
329  横町の猫に近道教へられ      栞
330    巷ながめつ煎餅立ち食ひ    蘭
331  落語家の咄の種は尽きもせず    栞
332    くまなく新聞読んで切り抜き  蘭
333  点と線繋ぐ特命捜査にて      栞
334    ちかごろ亭主遅いご帰還    蘭
335  足の向く先に美人の女将居り    栞
336    時計ぐらいじゃ起きぬ寝坊助  蘭
337  有明の淡き弦月見ゑ隠れ      栞
338    狭霧の庭にかよふ菊の香    蘭
339  斑鳩の里より届く柿食はん     栞
340    自費出版の句集謹呈      蘭
341  団塊の世代と呼ばれ幾久し     栞
342    ブームに乗つて安堵するたち  蘭
343  タロツトと御神籤足して二で割りぬ 栞
344    平凡こそが幸せと知る     蘭       
345  輝けるライムライトの舞台裏    栞
346    ミスコンめざしハードレッスン 蘭
347  ネット票集めて早し総選挙     栞
348    遥かなりける電子立国     蘭
349  スマートフォン使いこなせずガラケーに 〃
350    淘汰案ずる絶滅危惧種     栞
第四千句第五百韻

百韻『径なくて』の巻   
2013.3.9〜4.2

発句  径なくて篁くづる菫かな       楸邨  春 たかむら:竹薮     
脇句    番ひの雉子の葎ゆく影      春蘭  春 つがひ
第三  座敷中雛道具など散らかして     ね子  春
4     下手な習字を見つけ赤面     草栞
5   初孫の授業参観いそいそと       蘭
6     高度成長時代駆け抜け      風牙
7   望くだり飲み友達はちりぢりに    真葛  秋月
8     夜長を過ごすアパートの鍵     ね  秋
ウ
9   虫すだくクロスワードのあと一語   曙水  秋
10    はぐらかされし愛の告白      蘭  恋
11  ドン・ファンはお手をどうぞと繰り返す 栞  恋
12    踊る阿呆は寂しからずや      ね
13  いざブログ牧水調の歌添へて      葛
14    本郷の坂息たへだへに       蛉
15  二人の子乗せる自転車母強し      牙
16    スケッチブックに素描描き留め   栞
17  復興の願ひ膨らむ遠花火        ね  夏花
18    祭囃子に惹かれ行く町       蘭  夏
19  そそくさと夕餉は残りごはんにて    〃
20    ドラマの録画溜まる一方      牙
21  山の端に見る人もなき冬の月      葛  冬月
22    湖面に降るる水鳥の群       ね  冬
二オ
23  故郷を持たぬ身軽さ頼りなさ      水
24    都市伝説の嘘も真に        栞
25  左手の小指の爪は桜色         牙  恋
26    春の恋なら春に終はらす      ね  春恋
27  ぬくもりをいざ断ち切らん巣立鳥    蘭  春
28    良きことあるや初虹の見ゆ     葛  春
29  名画より光と影の溢れ出で       栞
30    二時間待ちの札にげんなり     牙
31  拉麺は蘊蓄よりも食うが良し      水
32    つけつぱなしのテレビながら見   蘭
33  頷いて済ます会話も十年目       牙
34    強気の陰に透ける小心       葛
35  ミシュランを信じぬシェフの匙加減   栞
36    しかめっ面も弛む絵葉書      牙
二ウ
37  蜜月を終えてパンダ舎再開す      ね
38    うららに釣られぞろり出不精    蘭  春
39  見渡せば散るを厭わず花は咲く     水  春花
40    陽炎のごと去りし武士       栞  春  もののふ
41  待ち合わせ場所はSL広場にて     牙
42    腕絡ませる休日の午後       ね  恋
43  君がなほ辛き身なりと耐へる愛     葛  恋
44    溢るるばかりのビールごくごく   水  夏
45  いつかはと念ひし山を踏破して     蘭  夏
45  夏フェスを終えてバンドは舞台裏    牙  夏
46    ローカル局の取材厭はず      栞     両句に
47  落選の噂もありて元大臣        ね
48    我が世の春よ窓に望月       水  春月
49  桜咲く門の内にて八文字        牙  春  はちもんじ
50    軟東風吹きて揺れる簪       栞  春
三オ
51  卒業の旅で変身舞妓さん        蘭  春
52    慣れぬ手つきでシャッターを切る  牙
53  ツチノコを探すと友は西ひがし     ね
54    リタイアしたら俄然生き生き    蘭
55  蕎麦打ちに連歌の道を極めたる     栞
56    祭り上げられ親善大使       葛
57  尼寺の庵主しるせし本売れて      蘭
58    続き見るには有料となる      牙
59  三月ごと新聞替へて映画券       蘭     みつき
60    ミンク捲きたる顔の卑しき     葛  冬
61  狩人の道に迷えばレストラン      牙  冬
62    秘密のレシピ身体には毒      ね
63  ピアノの音漏るる洋館月赤し      牙  秋月
64    郵便受けに絡む蔦の葉       栞  秋
三ウ
65  待ちかねた嫁の里より新走り      水  秋
66    汲めど尽きせず古典逍遥      蘭
67  とくとくの清水流るる棲処にて     栞
68    お血脈札閻魔欲しがり       水
69  真打ちとなるには足らぬ色と艶     牙
70    憎まれ口をたたき気を引く     葛
71  こゝろとは逆に振る舞ふをさな恋    蘭  恋
72    フォークダンスの手に滲む汗    牙  夏恋
73  隊商の砂漠越えゆく月暑し       水  夏月
74    広場に響む物売りの声       栞     どよむ
75  真作のはずは無けれどガレの壺     牙
76    貸し借りなしの長き付き合ひ    葛
77  パッと咲きサッと散り行く花は友    ね  春花
78    千歳の松のみどり美し       蘭  春  うるはし
ナオ
79  恨み言一つ言わずに蜆汁        牙  春
80    絆絆とポスターを貼る       水
81  慕はしき名前何度も確かめて      栞  恋
82    相合傘は五月雨の中        ね  夏恋
83  籠り居る宿に想練る次回作       葛
84    伸ばしては剃るごま塩の髭     蘭
85  我が家にはサンタクロースは来ないのよ 水  冬
86    仏の煤を払ふ小坊主        蘭  冬
87  居酒屋に隠語で話す二人組       牙
88    ワインのコルク床に転がり     栞
89  難破船噂ありしがいつか消え      葛
90    店舗誘致で決まる集客       牙
91  廃屋と残土を照らす朧月        水  春月
92    風船飛ばす定年の人        ね  春
ナウ
93  花の香は古き枝にも蘇り        栞  春花
94    壁画の下の別の絵を知る      牙
95  講釈のおまけ付けられ吟醸酒      葛
96    木彫りの鼠張り扇で鳴き      水
97  江戸情緒探索〆に寄席へ行き      蘭
98    スカイツリーの消ゆる電飾     栞
99 「夜の梅」土産に貰ひ春の星       牙  春
挙句    鈴の音もあり遍路笠見ゆ      ね  春
第四千句第六百韻

百韻『若草や』の巻   
2013.4.8〜5.5

発句  若草や文庫で読みし資本論       風牙  春
脇     げんげ田かへす耕耘機の音     春蘭  春 
第3  春疾風聟取りの村華やぎて       曙水  春
4     日舞の稽古手取り足取り      草栞
5   顔に似ぬ厳しさが売り評判に      真葛
6     無垢の一枚板カウンター       牙
7   頬杖で眺むる今日の月明し       ね子  秋月
8     添い臥の稚児包む虫の音       水  秋  そいぶし
ウ
9   鬼の子と言はれ父恋ふ健気さよ      葛  秋
9   つりあはぬちぎりはかなくそでのつゆ   蘭  秋恋
10    面影慕ひ干せる中汲         栞  秋恋 両句に
11  長旅を終えて見下ろす滑走路       牙
12    リノリウムさへ匂ひ懐かし      蛉
13  若作りしてゆく孫の参観日        蘭
14    フォークダンスの足がよろける    葛
15  打ち上げはキャンプ・ファイアー缶ビール 蘭  夏
16    祭終ればむら冬支度         水  秋
17  最果ての海峡越えて鶴渡り        栞  秋
18    孤独身にしむ教室の窓        ね  秋
19  彫像の遠き眼差し月浴びて        葛  秋月
20    乙女らまとう春色の服        水  春
21  枝々に小鳥さへづる花大樹        蘭  春花
22    ランドマークの鐘は霞めり      葛  春
二オ
23  ツイートもメールも返信待ちの僕     水  恋
24    予約の取れぬ店で決戦        牙  恋
25  あかつきに羊羹めあての列のびて     蘭
26    ネズミいつしか寺に住みつく     葛
27  鍵つ子で街を彷徨ふローティーン     ね
28    亡き母想ふコゼットのごと      栞
29  成長の糧と不幸を乗り越えん       蘭
30    さざ波立てば揺れる満月       水  秋月
31  川霧のはれて顕はる舫い船        葛  秋
32    木犀薫る隠れ処の径         栞  秋
33  密造酒蔓延る街は風強し         牙     はびこる
34    ゴミに群がるからす艶よき      蘭
35  ばっさりと黒髪切るも二十の子      葛     はたち
36   「時分の花よ」乙女心は        水
二ウ
37  幽玄の風姿とどめよ今しばし       栞
38    烏賊に見立ててアロエベラ切る    牙
39  万能といふ触れ込みに騙されて      ね
40    うちの文化は包丁と鍋        水
41  母の日や筍めしの薄き味         蘭  夏
42    青嵐吹きて木々のざわめき      栞  夏
43  隣国に戦さ間近の噂あり         葛
44    スマホ出す度相場気になる      牙
45  鑑定は銀月錆びた大屏風         水  秋月
46    相続協議冷ややかに過ぐ       蘭  秋
47  藷掘りの続く道程一時間         牙  秋
48    二人で過ぐすときは短かく      ね  恋
49  めぐり逢ひて花の命を惜しみけり     栞  春花恋
50    山菜採りに入る奥山         蘭  春
三オ
51  穴を出て熊は行く手を見失ひ       葛  春
52    ダンプばかりとよくすれ違う     牙
53  立て看は頭を下げて「工事中」      水
54    忘れた頃に余震頻発         栞
55  飯いいと言はず帰りが遅くなり      蘭
56    これ見よがしにプラチナピアス    葛
57  昇降機五十階より降りてきて       牙
58    住まひ選びは実に難問        蘭
59  年の瀬のローンの重みいや増しぬ     栞  冬
60    子を叱りつつ先思いやる       水
61  ゆふぐれの植田ころころ啼く蛙      蘭  夏
62    打ち捨てられし緒の切れた下駄    葛
63  面影を思いきれずに春の宵        水  春恋
64    朧月にも著き恋やせ         葛  春月恋 しるき
三ウ
65  はらはらと散りて花びら埋む径      蘭  春花  うづむ
66    たゆたふ河の流れアダージョ     栞
67  悠久を求め私もインドへと        水
68    熱にうなされまた同じ夢       牙
69  猛暑日の予報うらめし蝉しぐれ      蘭  夏
70    草刈鎌は錆びる暇なし        葛  夏
71  下町の職人芸の活きてをり        栞
72    路地に並びし丹精の菊        水  秋
73  声掛けて声の戻らぬ月の夜        牙  秋月
74    新酒をあけて手向く一献       蘭  秋
75  様になる見よう見まねの太郎冠者     葛
76    村おこしにと舞台復活        蘭
77  奈落より脱出するも道険し        栞
78    百日紅とて落ちぬ空蝉        牙  夏
ナオ
79  うな重で上手くなりたる箸づかひ     蘭  夏
80    円安に乗りツアー賑はふ       葛
81  近くとも遠き国より使者来る       栞
82    スワンの息の白き寒靄        蘭  冬   かんあい
83  黄昏の枯野に独り佇みて         栞  冬
84    指折りてみる夢のあれこれ      葛
85  巷では景気良くなるてふ噂        牙
86    着飾つてゐる歌舞伎座の前      ね
87  背伸びしてメニューに迷ふ初デート    蘭  恋
88    告白タイム給仕目くばせ       栞  恋
89  転職の場にも刑事の名残出て       葛
90    あぶれ蚊あはれ打つ人もなし     蘭  秋
91  十五夜は戦国の世も丸き月        ね  秋月   まろき
92    古りにし城趾色変えぬ松       蘭  秋
ナウ
93  正宗は酒と限らぬ上戸殿         水
94    泣くも笑ふもこれが青春       葛
95  後知恵の先に立たずは道理なり      栞
96    末は議員と競う弁論         牙
97  茶と菓子を子が指図する春炬燵      蘭  春
98    雛の家にもランドセル増え      栞  春
99  二宮の像よ上見よ花の影         牙  春花
挙句    巣立ちの鳥の声のにぎやか      葛  春
第四千句第七百韻

     百韻『すつと出て』の巻
                 2013.5.8〜6.1

発句  すつと出て莟見ゆるや杜若       子規  夏
脇     片脚立ちて眠る青さぎ       草栞  夏
第三  日ざかりを鉄橋鳴らし汽車がゆく    春蘭  夏
4     一斉に鳴るシャッターの音     風牙
5   はきはきと夢語る子の頼もしさ     真葛
6     枕元には宇宙ロケット        牙
7   ジャズ聴けば飛び行けさうな望の月    栞  秋月
8     新酒かたむけ想ひいろいろ      葛  秋 
ウ
9   歌姫の噂は消ゑて秋深し        曙水  秋
10    肌寒にひと恋しかるらむ       蘭  秋恋
11  口下手はジンの濃いめにギムレット    牙  恋
12    待ち合わせには時計はずして     水
12    背中で語る昭和ヒトケタ      ね子
13  こりもせず妻の買ひ物つき合ひぬ     蘭    両句に
14    支離滅裂を斬新と褒め        葛
15  詠み人の正体実はプログラム       栞
16    親が結局こなす宿題         蘭
17  老いの目に矯めつ眇めつ凍てる月     葛  冬月
18    ぎしりぎしりと米を研ぐ音      水
19  田芹採り土筆を摘みて節約す       ね  春
20    高嶺は残る雪に際立つ        蘭  春
21  淡墨のごとく咲きにし花も散り      栞  春花
22    また来ん春とつぶやきてみる     葛
二オ
23  南仏風英国風と分譲地          水
24    懐乏し夢のあるとき         ね
25  平凡に生きてゐられるありがたさ     蘭
26    ひなたぼつこの猫の同胞       栞
26    ご飯炊けたの声に目覚める      牙
27  行く先はその日の気分旅衣        葛    両句に
28    発句でまづは亭主持ち上げ      蘭
29  一巻の終はりはいつも春の宵       ね  春恋
30    二人しとねに望む淡月        蘭  春月恋
31  菜の花も添へてオムレツふわふわに    葛  春
32    クチコミだけで伸びる行列      栞
33  予報ではことしの梅雨は長いとか     蘭  夏
34    はやりの服を美容師に聞く      水
35  カリスマに和すは易らぬ人の性      栞
36    選挙勝つには世論誘導        蘭
二ウ
37  若者よスマホを捨てよテレビ見よ     葛
38    俗事にうとく直に四十        蘭
39  室咲きの鉢に水やる塾講師        牙  冬
40    連獅子の夢果たし感慨        葛
41  三代目てて親よりも爺さん似       蘭
42    秘伝のたれの中身聞くまい      水
43  風に乗る匂ひ嗅ぎ分け秋渇        栞  秋
44    家路をせかす釣瓶落しよ       蘭  秋
45  今日の月誰かが住んでゐる気配      ね  秋月
46    憂さ晴らしする相手探して      栞
47  目指すのは世界遺産と山ガール      葛
48    背を追いかける息の切なさ      水
49  でおくれて樹下一面の花むしろ      蘭  春花
50    嵯峨念仏の舞台賑ふ         栞  春
三オ
51  風船に迷子やうやく泣きやみて      葛  春
52    日比谷公園昼寝天国         水  夏
53  新緑のまばゆし人もころもがへ      蘭  夏
54    見初めしよりもなほ麗しく      栞  恋
55  差し向かうプラットホームで手を振りて  水  恋
56    一期一会は旅の醍醐味        蘭
57  忘れゐし栞はらりと文庫本        葛
58    押し花造り姉に教わる        水
59  リタイアー正直ひまを持て余し      蘭
60    弱小チームならばレギュラー     牙
61  四股を踏む姿似合ふとおだてられ     栞
61  月影を相手に素振り百二百        蘭  秋月
62    腹一杯の茸飯喰ふ          栞  秋  両句に
63  爽涼に犬の散歩の距離延ばし       蘭  秋
64    手綱捌きはあなた任せで       葛
三ウ
65  何時の間に銀婚式も通り過ぎ       ね
66    へそくり投資ネット・トレード    蘭
67  喫煙所スマホ片手の美人秘書       牙
68    ミニスカートに動悸速まる      ね  恋
69  魔が差して嘆きの天使堕ち行けり     栞  恋
70    証拠写真は見つからぬまま      葛
71  知り合いは誰にもあたらぬ裁判員     水
72    初神籤引き末吉と出る        栞  新年
73  髪上げの晴れ着のひとを品定め      蘭  
74    辛口通し世間狭める         葛
75  花曇好みの酒は独り飲む         ね  春花
76    春の叙勲に並ぶ碁敵         水  春
77  縁側に広げし紙面みだす東風       蘭  春
78    ロイド眼鏡の行方訊ねる       牙
名オ
79  鼻濁音南部訛りのわざとめき       葛
80    ともの帰省に乗じ借るやど      蘭  夏
81  屋根裏のアパート照らす月涼し      栞  夏月
82    カルチェラタンのカフェで読書を   水
83  ツアーではフリータイムも魅力にて    蘭
84    時間差で出る駅の改札        ね
85  親どうし犬猿ゆゑに忍ぶ恋        蘭  恋
86    心中隠し告げる道行         栞  恋
87  飛びながら叱咤一声ほとゝぎす      蘭  夏
88    さみだれ縫つてめぐる鎌倉     野茨  夏
89  スタンプを集めて早くゴールへと     栞
90    カラコロ下駄のひゞく湯治場     蘭
91  おまけよとコロッケ一個加へられ     葛
92    無駄かも知れずトクホ飲料      水
名ウ
93  かそけくも生き永らへし冬の蝶      栞  冬
94    きのふの鍋に具を足して鍋      蘭  冬
95  書きさしの論文猶もまとまらず      葛
96    猫なで声で餌を催促         水
97  歌舞伎みて夫婦に会話もどる夕      茨
98    ちょろぎの酸味優しさ募り      蛉
99  てのひらに散れる花片うけとめて     蘭  春花
挙句    囀る鳥の仲間入りせん        葛  春

・・・<a href="http://is.gd/7kAJj3">経過は</a>

※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
____________________________________
初折表 123456月8       (1〜8)   花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8       (93〜100)_________

<a href="http://is.gd/cZMY8"> 作法式目</a>
<a href="http://metrius.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html"> 付け転じ方</a>
写真提供は<a href="http://photozou.jp/photo/top">フォト蔵さん</a>
第四千句第八百韻

     百韻『押しあひて』の巻

                   2013.6.3 〜 7.8

発句  押しあひて生つてゐるなる実梅かな   青邨  夏
脇     しとど青葉をつたふ五月雨     春蘭  夏
第三  家二軒由緒有りげに並びゐて      真葛
4     通学の子に仔犬離れず       曙水
5   お気に入り散歩コースは苑池まで     蘭
6     少し急がん秋の夕暮れ       ね子  秋
7   月光に色濃くなりし蒼い影       草栞  秋月
8     仁王立ちする野良の藁塚       蘭  秋
ウ
9   西へ行く臨時列車の客となる       ね
10    システム手帳チェックこまめに    葛
11  コーヒーで時間調整角のカフェ      蘭
12    思ひ乱れて「来る来ない来る」    ね  恋
13  夏薊思わず舐むる君の指        風牙  夏恋
14    高嶺を越えて雲の峰立つ       蘭  夏
15  ついすすりやはり噎せたり心太     野茨  夏
16    節介過ぎて煙たがられる       葛
17  鼻つまみ厄介者と扇がれて        蛉
18    所変はれば屑もアートに       栞
19  ひび割れも窪みもありて望の月      水  秋月
20    秋の夜空に花火儚し         ね  秋花
21  一人とて淋しからずや獺祭忌       栞  秋
22    コンビニで買ふ珍味いろいろ     葛   
二オ
23  嘘をつきコンパの誘ひ断つて       茨
24    首つたけなの年下の彼        栞  恋
25  アイドルが引退をせず卒業す       水
26    メディアに踊らされる民草      蘭
27  今でしょの株価は今日も乱高下      葛
28    明日への希望持つて生くべき     茨
29  健診で精密検査勧められ         ね
30    凩吹けば疼く古傷          栞  冬
31  なにもなき庭に趣が添ふ枯尾花      蘭  冬
32    壁の蓑笠ゆかし落柿舎        茨
33  熟年の婚活サイト覗き見る        ね
34    寝起きのまんまぬしテレビ漬け    蘭
35  朝ドラのヒロインともに泣き笑ひ     栞
36    喜怒哀楽が惚け防止なり       茨
二ウ
37  拾ひ来し子猫の世話に明け暮れて     蘭
38    野火の煙に季節知らさる       ね  春
39  残る雪駒形描く山の膚          茨  春
40    水も温んでどぜう顔出し       栞  春
41  雲ひとつない大空を鳶の笛        蘭
42    寝転びをれば浮かぶ楽想       葛
43  東軍に馳せ参じたる将もあり       栞
44    クラブのジャック切り札にして    水
45  カジノにて美女の気を引く技披露     茨  恋
46    澄ましカクテル作るバーテン     蘭
47  何ごとも甘さよろこぶ世を嘆き      葛
48    月に吼えれば朧なる顔        茨  春月
49  花よりと口遊みつつ松の陰        葛  春花
50    遍路の度に事件解決         栞  春
三オ
51  フェミニスト過ぎて未だに独り者     蘭
52    鏡に向かひおかめひょっとこ     葛
53  やれ茶会なんやかんやと妻出掛け     茨
54    二時間かけて探す爪切り       ね
55  徘徊の道に迷へば夜も更けて       栞
56    タクシー代はりに使ふパトカー    蘭
57  お隣の学歴偏重すさまじく        茨
58    名門塾に通ふ幼な児         蘭
59  投資とは資金を投げることなのか     茨
60    堂堂めぐり嫌気いや増す       葛
61  追うほどに葛きり逃げる箸の先      水  夏 
62    お忍びデート涼しげな月       栞  夏月恋
63  パパの恋ママに内緒にしてあげる     ね  恋
64    ただより高きものは無しとぞ     葛
三ウ
65  延命てふ清水はるばる汲みにゆく     蘭
66    定年待ってるキャンピングカー    水
67  憧れの風のガーデン眼の前に       栞
68    地に足着かぬ頼りなさあり      葛
69  襲名は興行を打つ名目よ         茨
70    慢心禁物日々の精進         蘭
71  後輩を育て仕事をぶん取られ       茨
72    単身赴任に惑ふ四十         蘭
73  音に聞く須磨の浦波月に映え       葛  秋月
74    芒の蔭に消ゆる落武者        栞  秋
75  大文字幾千万の魂鎮め          蘭  秋  
76    冷酒効いて蓙に大の字        茨     
77  ひさかたの天より受くる花万朶      栞  春花
78    みやこの跡はかすみ敷く野辺     蘭  春
ナオ
79  口あいて探せど見えぬ揚雲雀       茨  春
80    メール通話はすべて筒抜け      ね
81  情弱にスマホ機能は持ち腐れ       蘭
82    第一志望書くだけは書き       水
83  狭き門タカラジェンヌの夢遠く      栞
84    思ひ切る都度進む人生        蘭
85  出会ひざま0.1秒で恋をして       茨  恋
86    一万ボルトに痺れ悩殺        栞  恋
87  ライブ後のカラオケやたらハイテンション 蘭
88    DJポリスお手柄となる       水
89  ユーモアと機知は話の潤滑油       茨
90    一発芸に寿限無暗唱         蘭
91  後光差す阿弥陀如来を拝みをり      栞
92    沈む日輪追ふや月の出        茨  秋月
ナウ
93  背なの児も静かになりぬ夕紅葉      蘭  秋
94    刈田もやがて水を湛へん       ね  秋
95  秋霖をうらめし顔の捨て案山子      茨  秋
96    変身願望叶ふ日はいつ?       栞
97  みずみずと薄翠に染む蝉生るる      水  夏 あるる
98    風雅は四時を友としてこそ      蘭
99  黒髪にちらちらかゝる花の雪       茨  春花
挙句    毛氈延べる土手の若草        蘭  春
第四千句第九百韻

      百韻『蕎麦はまだ』の巻   
                    2013.9.7〜10.21

発句  蕎麦はまだ花でもてなす山路かな    芭蕉  秋
脇     峡の朝霧かすむ富士ヶ嶺      春蘭  秋
第3  ありあけに浅きゆめからふと覚めて   野茨  秋月
4     重陽の菊まずは一献        曙水  秋
5   五輪書を紐解き初心忘れまじ      草栞
6     還暦を機に飛び回る妻        蘭
7   追ひかける亭主の財布羽根生えて    真葛
8     ぴくりと動く梟の耳         栞  冬
ウ
9   浮世床うはさ話に花が咲く        茨
10    つけっぱなしのテレビちらちら    蘭
11  灰燼に帰せるタワーの残像か       栞
12    西に東に奔る大国          葛
13  二十一世紀もすでに十余年        蘭
14    みんなうつむきスマホいぢくる    茨
15  通学の憧れ王子やや寝癖         水
16    想ひを込めて落とすハンカチ     栞  夏恋
17  過去の恋また蘇るクラス会        茨  恋
18    茶々入れられて縒れしスピーチ    蘭
19  花見とて上司が居れば仕事にて      茨  春花
20    抜き打ち監査終へる朧夜       栞  春
21  山独活を芥子きかせた酢味噌和へ     蘭  春
22    長途の墓参も食の楽しみ       茨
二オ
23  海上の都に眠る作曲家          栞
24    四季をりをりに魅せる趣き      茨
25  遠距離の逢瀬を京で重ね来て       蘭  恋
26    失楽園の露と散りぬる        栞  秋恋
27  夢見じと酔はじと知りて濁り酒      葛  秋
28    小町も勝てぬ老いの秋風       茨  秋
29  幾千年かはらず光る望の月        蘭  秋月
30    孵化する命そつと育む        栞
31  歩数計数字かせぎに回る池        茨
32    画架立ち並ぶ定番の場所       蘭
33  手離せぬ懐炉たよりに待つ日の出     栞  冬
34    白らんだ息のかき消ゆる森      蛉  冬
35  緋袴にバイトの巫女もまざるらん     茨
36    鈴の音高く齢寿ぎ          栞
二ウ    
37  おめかしの馬コ引く馬子晴れがまし    蘭  夏
38    古本で見るパリ・コレの記事     葛
39  チョコレート色した染みは新しき     栞
40    旦那ゐぬ間のひるのママ会      茨
41  円満は互いに干渉しないこと       蘭
42    かたりかけそな仏像の笑み      茨
43  行き着かば希み叶ふやガンダーラ     栞
44    苦心の歌は舌足らずにて       葛
45  うぐひすのぐぜりをかしき竹のやぶ    茨  春
46    師の温情で卒業となり        栞  春
47  雲を得て伏龍天に昇るとや        蘭  春
48    おぼろ月にも影の仄見ゆ       葛  春月
49  石割の花の命の長からん         栞  春花
50    老眼鏡をふたつ重ねて        葛
三オ
51  積読を一念発起でよみ崩し        茨
52    資金不如意の休暇いただき      蘭
53  任せ切る安楽を知るバスツアー      茨
54    稲穂色づく豊穣のとき        蘭  秋
55  待宵に団子供へて縁を拭く        栞  秋月
56    少し派手目の秋袷着て        葛  秋
57  審美眼鍛へに上野の森へゆく       茨
58    ザックひとつでカスバ界隈      葛
59  わすれえぬきみのおもかげみにそへて   蘭  恋
60    熱きくちづけ分つ風花        栞  冬恋
61  ひなびたる湯宿埋もれん雪あかり     茨  冬
62    トンネル長しリハビリの日々     葛
63  介護ロボせめて相槌打てたなら      栞
64    生を佛にあづけ老い楽        蘭
三ウ
65  とりあへずなんでもかじる趣味三昧    茨
66    小節きかせてアリア熱唱       葛
67  当落の線上辺りひしめきて        栞
68    総選挙とはオタク商法        蘭
69  しかしまぁなべて日本は平和かも     茨
70    もうボケたかと連れの突っ込み    栞
71  阿と吽の区別つかぬもご愛嬌       葛
72    七福めぐり祈る開運         茨  新年
73  今年こそこころ入れ替へ肉断つて     蘭
74    骨の密度はいかにとやせん      栞
75  鱧捌く修業も月の法善寺         葛  夏月
76    待つ身にすれば永き短夜       茨  夏恋
77  ふくらみし花の蕾の初々し        蘭  春花
78    稚児のうぶ毛もそよぐはるかぜ    茨  春
ナオ
79  若駒の眼差しいつか荒らかに       葛  春
80    所領安堵の報せ巡りて        栞
81  ころころとブレていくのも処世術     茨
82    深く潜行大同団結          蘭
83  伝はりし皿鉢料理に舌鼓         栞
84    洗濯するは全自動にて        葛
85  古き良き昭和の不便さなつかしく     茨
86    掻いた落葉で作る焼き芋       蘭  冬
86    秋刀魚のけむりのぼる七輪      蘭  秋
87  みちのくの海はや秋の色深み       葛  秋
88    島影縫つて寄する月光        栞  秋月
89  野分過ぐ空気澄みきり夕あかね      茨  秋
90    淹れたて珈琲ほっと一息       蘭
91  ジョコンダのほほゑみの謎誰も触れず   葛
92    学生気分でオープン・カレッジ    茨
ナウ
93  何となく見覚えのある迷い猫       栞
94    下町情緒もとめ谷根千        蘭
95  買ひ喰ひで腹きつくなり昼は抜き     茨
96    嗚呼ややこしや8パーセント     葛
97  たまるのは嵩張る小銭ばかりなり     茨
98    近場の花を愛でてほろ酔ひ      蘭  春花
99  郎女の佳き日を前に暮遅し        栞  春
挙句    夕風かすか揺れるぶらんこ      葛  春
第四千句第十百韻   

     百韻『つくづくと』の巻
                  2013.11.7〜12.12

発句  つくづくともののはじまる火燵かな   鬼貫 冬
脇     時雨るるさきに街へ買出し     春蘭 冬
第3  山茶花の垣を曲れば散歩犬       草栞 冬
4     馴染みとなりて掛けるひと声    真葛
5   行列が行列を呼ぶラーメン屋      野茨
6     つるべ落しに迫る夕闇        栞 秋
7   月と酒どつちと言へぬ友にして      蘭 秋月
8     霧の向かうに独り身の家      ね子 秋
ウ
9   こりもせず一人相撲の片おもひ      茨 恋
10    消えかかる炎に反故の恋文      葛 恋
11  受験より大切なもの今はなし       ね 
12    スマホ世代も占いが好き      曙水
13  LINEして親子関係良好に       茨
14    げにむつかしき以心伝心       栞
15  噂して七十五日里の村          葛
16    風吹きやんでのぼる炊煙       蘭
17  ちり鍋を囲む奉行の睨み合ひ       栞 冬
18    勝ちし力士の肌に湯気立ち      水 冬
19  満場は総立ち拍手なりやまず       茨
20    記憶は春の雨の場所取り       ね 春
21  川沿ひの花のトンネル往き戻り      蘭 春花
22    雲雀囀るホワイトハウス       栞 春
二オ
23  とりにくさのりこえ有休消化して     茨
24    南の島でゴーギャンの真似      葛
25  探すなよこころの中にユートピア     茨
26    吾児の寝顔にゆるむ口もと      蘭
27  朝は妻昼は上司にどやされて       ね
28    満月の夜の変身願望         栞 秋月
29  長き夜に中島みゆき独り聴き       水 秋
30    山のやうなるピーナツの殻      葛 秋
31  老いて食細いながらも秋渇        蘭 秋
32    はかりに乗つて一喜一憂       茨
33  釣り宿に更新記録の魚拓貼る       水
34    目を見張ること多き旅先       ね
35  レートなどお構ひなしに爆買ひす     葛
36    おもへば遠しバブル時代よ      茨
二ウ
37  行く川の流れは絶えず浮葉舟       栞 夏
38    決められぬままふたまたの恋     蘭 恋
39  涙ぐみ悲劇の女演じ切る         葛 恋
40    輝く星となりし魂          栞(恋)
41  なきひとをふと思ひ出すゆふの鐘     茨
42    親の苦労を親となり知る       蘭
43  放蕩の末の棲処の有難き         栞
44    ことこと煮立つ芋粥の鍋       葛 秋
45  すさまじき山家のそらに澄める月     茨 秋月
46    庭の浅茅にすだく蟋蟀        蘭 秋
47  来客のなき日曜はワイン風呂       ね
48    ヨガで瞑想うららかな午後      栞 春
49  ひらりひら花びらひらりひらひらり    茨 春花
50    池に残りし鴨の水尾曳く       蘭 春
三オ
51  そぞろなり都踊りの近づきて       葛 春
52    本番備へ着付け練習         茨
53  撮影の合間に食べるカツサンド      栞
54    NGだけでスペシャル作り      水
54    メイク早いも売れっ子の技      水
55  呼び物は伊達の十役早変はり       蘭
56    一期一会の一世一代         栞
57  わが庵で茶会はじめて主催して      茨
58    すわ引っ越しと騒ぐ店子ら      水
59  恬として噂のぬしは頬被り        葛
60    邪魔されやすき色恋の道       茨 恋
61  野茨を手折りて気づく愛の不義      栞 夏恋
62    ゲーテとギョーテ和解せしとや    葛
63  悩むとも外にいでよと春の月       水 春月
64    田は水たたへ蛙鳴き初む       蘭 春
三ウ
65  名にし負ふ高嶺は雪や里桜        茨 春
66    世界遺産に挑む人びと        ね
67  とりあへずゆるキャラつくる町おこし   蘭
68    大志抱かずめざすB級        水
69  ながらへば埴生の宿もまた楽し      栞
70    ハモニカの音すこし上達       葛
71  一列に並んで歩く七五三         ね 冬
72    カルガモ親子フラッシュに慣れ    水 夏
73  緑陰がオアシスつくるオフィス街     茨 夏
74    手つき見事にワープロを打つ     葛
75  自分史をものせん履歴書まづ書いて    蘭
76    夜明け前より霞立ちたる       栞 春
77  三輪山の裾野をたどり花遍路       水 春花
78    八十のちまたに萌える若草      茨 春  やそ
ナオ
79  ロリータと名付く娘の稚けなさ      葛
80    あひあひ傘に描かれ赤らむ      蘭 恋
81  濡れ事を隠す暇なく広まりて       栞 恋
82    秘密保護法ねがふ面面        葛
83  せいじかのきょうみ利権と保身のみ    茨
84    庶民はいつも質素倹約        蘭
85  新聞は折込チラシがあんこにて      茨
86    食傷気味の父の説教         ね
87  なんやかや実家に帰り愚痴を言ひ     蘭
88    ふらりと出れば肌寒き野良      茨 秋
89  さやけくも木の間にのぞく十三夜     蘭 秋月
90    ひとり筆持ち染みる虫の音      水 秋
91  夢に見た文学賞は夢のまま        葛
92    遥けき希み神のまにまに       栞 
ナウ
93  堕ちてみて知ることもあり恋の淵     水 恋
94    またぞろもたぐ浮気ごころよ     茨 恋
95  会社ってそとみなかみは違ふもの     蘭
96    偽りのある是は早く朽ち       蛉
97  誤表示の白状をさまる気配なし      茨
98    やけに羽音の耳につく虻       蘭 春
99  喧噪をよそに天園花盛り         栞 春花
挙句    水平線の霞むわだつみ        茨 春

・・・<a href="http://is.gd/qr1dZm">経過は#jrenga</a>

※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
____________________________________
初折表 123456月8       (1〜8)   花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8       (93〜100)_________

<a href="http://is.gd/cZMY8"> 作法式目</a>
<a href="http://metrius.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html"> 付け転じ方</a>
写真借用は<a href="http://photozou.jp/photo/photo_only/20342/31194390?size=624">フォト蔵さん</a>
第五千句第一百韻『松すぎの』の巻   
                     2014.1.7〜2.16

発句  松すぎのはやくも今日といふ日かな   万太郎 新年
脇     ふくら雀の集ふ陽だまり      春蘭  冬
第3  待合の席和みたる大茶会        草栞
4     やゝ酒気帯びて口もなめらか    野茨
5   話すたび逃がした魚成長し       真葛
6     にはかに夕霧たち籠める川      蘭  秋  せきむ
7   月見んと駿馬を駆りて目指す丘      栞  秋月
8     世に打つて出る秋は今ぞや      茨  秋  とき
ウ
9   呟いてあっと言ふ間の流行語       葛
10    相変らずの御用新聞         栞
11  支持率の世論調査のうたがはし      蘭
12    嫌よ嫌よの空気読めずに      曙水
13  押せば引く引けば押し来る女波      茨  恋
13  自らの台詞に酔ひて愛捧ぐ        栞  恋  
14    目瞑りてさすルージュ完璧      葛  恋
15  プレゼンのイメリハ済ませ不安消え    蘭
16    営業ゑがお板につく頃        水
17  村おこし都市の祭りと交流し       蘭  夏
18    B級グルメ帰省土産に        栞  夏
19  駅ナカはコンビニ超えてモール化す    茨
20    目にまぶしきや春のよそほひ     蘭  春
21  いつの世も立ち去り難き花のもと    ね子  春花
22    蓬摘みつつしのぶ亡き人       茨  春
二オ
23  悪童の灸すえられし語り草        葛
24    詮なきことに波瀾万丈        栞
25  引退後即出版の手際良さ         水
26    次から次とアイドルユニット     茨
27  流行は追はず知らぬ間流されて      蘭
28    あなたに染まれ選ぶ白無垢      水  恋
29  ふたごころ隠し切れずになみだ色     葛  恋
30    いかにいくべき浮舟の身は      茨
31  清教徒海原を越え大陸へ         栞
32    家族は勇気出づる源泉        蘭
33  七五三母が一番写り良く         水
34    から風吹けば雲は離れて       栞  冬
35  ひとり寝の布団に差せる月の影      葛  冬月
36    くしゃみをしてももどる静寂     茨  冬
二ウ
37 「やっほー」の「ほー」の形の口のまま   ね
38    ムンクに会いに渡るこの橋      水
39  人形の家捨て去りし女あり        栞
40    だれも人生書けば小説        茨
41  忘却は過去の美化には都合よく      蘭
42    チーズと云ひてVサインする     葛
43  同窓会ビンゴゲームで大当たり      茨
44    注目される括弧旧姓         栞
45  マンネリに飽きて手書きで年賀状     蘭  新年
46    ヘタウマ御免豚に似た馬       葛
47  新妻の手料理すべて創作で        水
48    蓙に陣取る丘の若芝         茨  春
49  花開く時を謳歌の果てもなし       栞  春花
50    捲土重来期して春眠         葛  春
三オ
51  世を忍ぶ仮の姿は陶芸家         茨
52    茅葺き民家で手打ちそば店      蘭
53  わが夢に妻おいそれと乗つて来ず     茨
54    リケジョにレキジョ多忙女子増え   水
55  デートでは話題もネットで下調べ     蘭  恋
56    ハネムーンの地に思はざる危機    葛  恋
57  襲撃の疑惑は永遠に闇の中        栞
58    山葵ひそりと隠し味にて       水  春
59  だめ元で手はみな試す花粉症       茨  春
60    かすめる月や昼のねむたさ      蘭  春月
61  大戸より入りし物盗り誰も見ず      葛
62    拍子抜けするビフォア・アフター   栞
63  原作を変へて感動なき映画        茨
64    柳の下に二匹めは居ず        水  夏
三ウ
65  端居して財布重たき客を待つ       ね  夏恋
66    汗さえ見せぬ白きうなじに      水  夏恋
67  紫のゆかり想ひて涙する         栞  恋
68    古典熟読寿大学           茨
69  かはらない若さの秘訣好奇心       蘭
70    血気盛んな相棒の範         栞
71  キャッチャーのサイン通りに球しずみ   水  夏
72    無欲が招く巨額契約         葛
73  リニア線過疎地ばかりを縫つて敷き    茨
74    障害物越ゑスノーボーダー      水  冬
75  氷上で聴き初む曲に翳ありて       栞  冬
76    ラジオかけつつ日永釣する      蘭  春
77  みづどりの澪をひきゆく花筏       茨  春花
78    あの世へ向かふ遍路道なり      ね  春
ナオ
79  あん住を打ち破り出て草まくら      蘭
80    お任せツアーは実にお気楽      茨
81  懐メロについ釣り込まれ唱和して     蘭
82    思はず腕を組んで睨まれ       栞
83  心せよここはウォールストリート     葛
84    山出しなれば宵越しの銭       水
85  国産の木材の良さ見直され        茨
86   「手に職つけろ」親の口癖       蘭
87  代々の田に水張り終ゑて映る月      水  夏月
88    蒲の穂ゆれてサヨナラを言ふ     ね  夏
89  ハンカチをそつと渡して汽車に乗り    栞  夏恋
90    おぼつかなしや末の変心       茨  恋
91  余計なる選挙昨今はやりをり       蘭
92    威信かけるも受くる冷笑       栞
ナウ
93  野良犬が街の通りにたむろして      茨
94    育ちの良さは隠しおおせず      水
95  ゴミ出しに背筋のばして令夫人      蘭
96    遠く白富士風光る坂         茨  春
97  入日差す愛宕の山に奴凧         栞  春
98    故郷おもへば鐘朧なる        蘭  春
99  身を任し川面たゆたふ花見舟       茨  春花
挙句    畔の柳新芽美し           蘭  春

・・・<a href="http://is.gd/aZMdJs">経過は#jrenga</a>

※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。

____________________________________
初折表 123456月8       (1〜8)   花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8       (93〜100)_________

<a href="http://is.gd/cZMY8"> 作法式目</a>
<a href="http://metrius.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html"> 付け転じ方</a>
写真借用は<a href="http://photozou.jp/photo/photo_only/20342/31194390?size=624">フォト蔵さん</a>

百韻『炎昼の』の巻   


2014.7.9〜8.8


発句  炎昼の女体のふかさはかられず     楸邨  夏 
脇     しぐさもゆかし路地の打ち水    春蘭  夏
第三  いつきても飽きることなき古都の旅   野茨
4     杉玉みれば試飲三昧        杜角
5   はいはいと医者の忠告聞き流し      蘭
6     徹夜の読書もはや有明        茨  秋月
7   虫時雨おのづとそなふハーモニー     角  秋
8     運動会の迷子呼び出す       里代  秋
裏
9   道ばたに鼻をくすぐる露店出て      蘭
10    かすみ立ち籠む梅林の里       茨  春
11  早々と雛をしまふも縁遠く       曙水  春
12    春眠さめて二度寝する日々     真葛  春
13  弁当を持たせキッスで送る主       角  恋
14    鬼の居ぬ間の個人レッスン     草栞  恋
15  サッカーのプロにするのが親の夢     茨 
16    千手観音汗し眺むる         代  夏
17  帰省子を責めるが如く鳴く杜鵑      蘭  夏  
18    水場にかかる細き夏月        葛  夏月
19  ゆふさればさわさわ風にさやぐ葦     角
20    散歩も犬で様になりたり       茨
21  まっ盛り心は花に浮き立ちて       蘭  春花
22    都踊にそぞろ繰り出し        栞  春
二表
23  恋はさが身は老いぬれどいまだ春     角  春恋
24    抱かれし日々波のごとくに      代  恋
25  戦争を知らぬ孫子は勇ましく       葛
26    行進曲はAKBで          水
27  人生は明日へ続く長い道         茨
28    苦があってこそ深きよろこび     蘭
29  頂きは視界さえぎるものもなし      角
30    自分撮りして呟くが趣味       水
31  一番の美女探し出す魔法にて       栞
32    林檎を齧る口も可愛く        代  秋
33  ござ敷いて秋の野遊びはしゃぐ子ら    茨  秋
34    千草の花を冠に編む         角  秋
35  ふるさとをふと思はする眉の月      蘭  秋月
36    嫂と云ふ気にかかる人        葛
二裏
37  道ならぬ恋の話に盛り上がる       代
38    懲りずうはきの虫のうごめく     茨
39  道具屋に蚊遣りの豚を値引かせて     水  夏
40    一服がてら茶屋で白玉        角  夏  
41  かまくらや梅雨の合間の空を鳶      蘭  夏
42    あるかなきかの薄物の縞       代
43  黒髪のみだれつくろふ後朝に       茨  恋
44    金釘流の文の恥づかし        葛  恋
45  真贋の鑑定めぐり論争す         栞
46    遺産相続無いなりにもめ       角
47  銀行の窓あかあかと年の暮        代  冬
48    月に誘はれつっかけで出る      蘭  冬月
49  唐橋のたもとに揺れる花万朶       栞  春花
50    ふらここに乗り天に近寄る      水  春
三表
51  少女らのほつれ毛なでて風光る      茨  春
52    若さは特権今を悔ひなく       角
53  熱弁も正論もみな呑みしヤジ       葛
54    澄まし顔にて呉越同舟        栞
55  離婚すらできずに家庭内別居       蘭
56    そぞろ身に染む須磨の秋風      代  秋
57  遥かなる都や月は同じくも        角  秋月
58    隣街から秋祭りの音         水  秋
59  清貧の膳には贅か菊膾          茨  秋
60    つい過ごしがち旧友との酒      蘭
61  長ばなし相槌打つて聞き流し       角
62    手術中のランプ見守る        水
63  キューを出す頃合い計る助監督      栞
64    いつしか異名アメフラシとや     茨
三裏
65  デートには小雨はむしろ好ましき     蘭  恋
66    月さまと呼ぶ声も朧に        代  恋春
67  睡魔きてあことねころぶ花むしろ     角  花春
68    そつと近づく雀の子居て       栞  春
69  神ほとけ人をいざなふ慈悲の道      茨
70    標本箱に並ぶ斑猫          水  夏  はんみょう
71  夏休み自由研究親がやり         蘭  夏
72    新旧不問ゴジラ対決         葛
73  非日常こそ日常のカンフル剤       角
74    BGMはハリーポッター       代
75  コンピュータ相手のチェスで苦戦する   栞
76    地道に歩む出世街道         水
77  報・連・相休まず遅れず働かず      茨
78    民族移動盆の月見て         代  月秋
名表
79  幾山河つまとこえきし夏の果       蘭  秋
80    声をかぎりにひぐらしのなく     角  秋
81  子規庵の大鳥籠も露に濡れ        栞  秋
82    ぬしなき庭を飾る鶏頭        茨  秋
83  おもひ断ちタンスの肥やし捨てにけり   角
84    修道院になどかあくがる       代
85  ははこひしうきぐもひとつゆくみそら   蘭
86    残りめしにておかかおにぎり     角 
87  勉強は自立のためと心得て        茨
88    窓の雪見て穴ごもりする       栞  冬
89  榾の火にじつとみいれば時忘れ      蘭  冬
90    今さらながら不倫小説        葛
91  十六夜の月やちまたのさんざめき     角  秋月
92    光悦垣に紅葉散り敷く        代  秋
名裏
93  露の身をあたら死闘に明け暮れて     茨  秋
94    岨の枯木に何を孤鴉なく       蘭    こあ
95  故郷の塒を後に三度笠          栞
96    どうやら嵐去りししののめ      角
97  太公望間隔たもち並びをり        茨
98    池の土手には土筆群ら立つ      蘭  春
99  城あとに花爛漫と咲き匂ひ        角  春花
挙句    見立てをかしき山の雪形       茨  春

・・・経過は#jrenga

※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
____________________________________
初折表 123456月8       (1〜8)   花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8       (93〜100)_________

作法式目
付け転じ方
写真借用はフォト蔵さん
第五千句第三百韻『この道や』の巻 
                     2014.9.7〜10.14

発句  この道や行く人なしに秋の暮      芭蕉  秋
脇     森の奥より小牡鹿の声       野茨  秋  さおじか
第3  月影の茅舎にはかに輝いて       杜角  秋月
4     酒を土産に遠来の友        春蘭     みき
5   笊碁にて長考しても手は同じ      曙水
6     運を任せて引く阿弥陀籤      草栞
7   進級後初の席替へ盛り上がり       茨  春  
8     桜吹き入れ窓辺明るし       里代  春
ウ
9   四月馬鹿来賓祝辞次々と         水  春
10    ところえらばぬ居眠りもわざ     角       
11  ビル街の公園もこむ昼休み        蘭
12    今年の夏は晴れの少なし       茨  夏
13  狂言の舞台想はす蝸牛          栞  夏
14    てくてく句碑をめぐる鎌倉      角
15  切通抜けて日向に梅二輪         水  春  きりどおし ひなた
16    つなげばぬくし白ききみの掌     蘭  春恋
17  陽炎の身をひとすじに貫いて      真葛  春恋
18    ボーカロイドの歌姫の恋       代  恋
19  職人の技も終には見破られ        栞
20    忘れ花咲く聖堂の門         水  冬花
21  同窓会みな何かしら若づくり       茨
22    シェフの手元にしばし見惚るる    代
二オ
23  赤子抱くネイルアートにラメ光り     水
24    なびく幟の褪せし紺色        葛
25  名物のほうとう旨し甲州路       阿紗
26    落ち穂拾ひの人は何処に       栞  秋
27  やまもとに点る家の灯雁のこゑ      角  秋
28    子らの帰宅をせかすゆふ月      蘭  秋月
29  釣り堀によもや坊主はをらぬらん     茨
30    柳の下でする待ち惚け        水  春
31  空へ漕ぐ負けず嫌いの半仙戯       代  春
32    ひばりの名乗り耳鳴りのごと     角  春
33  行きずりのジャムセッションも興に入り  栞
34    無料のティッシュ受け取らぬ人    水
35  ともかくも買ひ出しに出る年の暮     蘭  冬
36    秘伝のたれで囲む鱈ちり       紗  冬
二ウ
37  パンドラの箱は今宵も閉ざされて     代
38    銀箔押しの抱一の櫛         水
39  芸術は眼とこころとの保養なり      茨
40    裸身眩き騎上のGODIVA       栞
41  貴婦人と呼ばれし樺に逢いにゆき     水
42    霧のヴェールにかすむみづうみ    角  秋
43  尾根に出て視界ひらけり秋の富士     蘭  秋
44    娘かたづき風の身に入む       茨  秋
45  望の月肩を寄せ合う道祖神        水  秋月
46    旅立つ前に外す表札         栞
47  みちのくに遊行詩人の跡追つて      蘭
48    蕎麦街道を吹きすさぶ東風      角  春
49  愛車駆り花の名所を見て回る       茨  春花
50    千社札買ふ春の夕暮         代  春
三オ
51  頃合を量りてそつと手をつなぎ      栞  恋
52    はまかぜ揺らす亜麻色の髪      蘭
53  名を馳せた陸サーファーも夢のあと    水     おか
54    孫に翻弄されてへとへと       角
55  就活の次は婚活春疾風          水  春
56    一段目だけ飾る雛壇         茨  春
57  納税期済まぬと他事は手に付かず     角  春
58    昼飯代はり二個の草餅        蘭  春
59  フランスに行きたき思ひ褪せぬまま    葛
60    マフラー巻いて通ふ名画座      栞  冬
61  そそくさと独りで済ます冬至粥      代  冬
62    視力あやしき目にも月冴ゆ      角  冬月
63  PCは2時間ごとに休むべし       茨
64    思わくはずれ今日の円高       水
三ウ
65  ケチ徹しハワイ旅行の旅費浮いて     蘭
66    人生はじめて食すスッポン      角
67  いつになく精気漲る夏の宵        栞  夏
68    仕立下ろしの浴衣嬉しき       代  夏
69  遠く聴く祭囃子に胸躍る         茨  夏
70    後家となりにし初恋のひと      角  恋
71  教科書に書いた相合い傘ばれて      水  恋
72    ピタゴラスでも解けぬ難題      葛
73  見上げても形わからぬ大宇宙       蘭
74    受賞の行方神のみぞ知る       栞
75  ねらふほどなかなか来ない本命よ     茨
76    嫦娥逃げゆく皆既月蝕        水  秋月
77  返杯を遠慮せぬ妻花灯籠         角  秋花
78    はららご飯に膝を崩して       葛  秋
名オ
79  出張の収支たいてい赤字なり       蘭
80    給湯室で淹れるブラック       茨
81  プレゼンは先手必勝リハーサル      代
82    弾む会話で決まる合コン       角
83  玉の輿ならよろこんで婿養子       茨
84    営業トーク職業病で         水
85  一族の多さ実感する法事         蘭
86    今ふた度の十三夜待つ        栞  秋月
87  触れもせでほろほろ落つる小紫      角  秋
88    細水指で風炉名残茶事        代  秋
89  松虫に足の痺れをからかはれ       水  秋
90    師匠めあてに小唄手習ひ       茨  恋
91  プロフィール写真内緒で壁紙に      栞  恋
92    ハートおねだりはまるツムツム    蘭
名ウ
93  禍をくぐり生きてるだけで儲けもん    角    か
94    それにつけてもはやき月日よ     茨
95  花粉症ひとより先に春を知り       角  春
96    君に留まりし蝶を羨む        水  春恋
97  畑を打つ嫁御はマキシワンピ着て     紗  春恋
98    命授かり心うららか         栞  春
99  ひま人と花の陣取り命じられ       蘭  春花
挙句    はや色に出るワンカップ酒      茨
百韻『世にふるも』の巻   
2014.11.5〜12.3

発句  世にふるもさらに時雨のやどりかな   宗祇  冬
脇     散りて彩なすかさのもみぢ葉    春蘭  冬
第3  たぬき肥ゆ我が家の一味となりぬらむ  曙水
4     焦がした鍋を洗ふ夕暮       里代
5   後の月過ぎて今なほ輝けり       草栞  秋月
6     芒の原に聴きしビオロン      阿紗  秋
7   褒め合ひて差しつ差されつ新走り    真葛  秋
8     アラセブンにてやまひ知らずよ   野茨
ウ
9   持ち歌は中島みゆき一筋で        水
10    抱かれていたい夜が明けるまで    代  恋
10    いいひとどまりに終はる恋愛     蘭  恋
11  笑顔見せ心で泣いて汽車に乗る      栞  恋  両句に
12    クロワッサンとカフェオレの朝    代
13  無縁とは思ひつつ見る訃報欄       葛
14   「老人力」を読んでうとうと      紗
15  風雨でもついむきになり散歩して     蘭  
16    川の淀みに集ふ留鳥         茨
17  病葉にいざ鎌倉の道細し         代  夏
18    抹茶アイスでまずはもてなし     水  夏
19  夕月に幼な子揺れるハンモック      紗  夏月
20    読み聞かせたる絵本しまひて     栞
21  写真付きLINE飛び交ふ花便り     茨  春花
22    誘はれ易き峪の蝶々         葛  春
二オ
23  憧れの先輩今日卒業す          水  春恋
24    偶然装ひ駅でまちぶせ        蘭  恋
25  黙しても見透かされるや下心       栞
26    石榴裂けたる菩提寺の庭       代  秋
27  半纏のきりり決まりて冬支度       葛  秋
28    芋が煮えたと夫に呼ばれる      紗  秋
29  名月やとなりのうひ児なきやみぬ     蘭  秋月
30    いろはさらへばにほふ墨の香     茨
31  寺子屋は腕白揃ひよだれくり       代
32    解けぬ難題ひとつ咳         水  冬   しわぶき
33  レジ打って爪の手入れもこっそりと    紗
34    流行色に惑はされつつ        栞
35  服買つてやうやく機嫌なおる妻      茨
36    秘密の基地に蝉の抜け殻       葛  夏
二ウ
37  叡智だね彗星の尾を捕まえた       水
38    きみとの出逢ひこれも奇跡さ     蘭
39  狂ほしく若き情熱蘇り          栞  恋
40    ハーレーの腰しかと抱きしむ     代  恋
41  陽光を受けて眩しき海の青        葛
42    帰燕見送る島の灯台         紗  秋
43  辛抱のこもり奉公秋ととせ        蘭  秋
44    秘めし宿望誓ふ満月         茨  秋月
45  八戎はさらりと捨てて寺下る       代
46    ヒップホップが今日の体育      水
47  白山羊に不思議な顔でのぞかれて     紗
48    読まずに閉じた雛の添へ文      栞  春
49  相合ひの言はず語らず花篝        葛  春花恋
50    妬くやはるかぜ捲るスカート     茨  春恋
三オ
51  通学路急ぐ自転車立ち漕ぎで       水
52    あせの煌めきわかば照り映ゆ     蘭  夏
53  滝の音絶える間もなく谺せり       栞  夏
54    熊野古道で出会ふ修験者       代
55  顔に似ずバイリンガルの隠し技      葛
56    夜景を見せて甘く囁く        紗  恋
57  ゆきずりの刹那刹那は本気にて      蘭  恋
58    あいさつ代はり「今度飲もうよ」   茨
59  プリプリのエビチリが来て月今宵     代  秋月
60    菊花賞には肥ゆる馬居ず       水  秋
61  不器用な人思ひつつ秋の駅        紗  秋
62    間合をおいて二度鳴らすベル     栞
63  悪戯は小僧の糧となりぬべし       茨
64    神父の胸の銀の十字架        葛
三ウ
65  半世紀サンタクロースに見捨てられ    水  冬
66    おでん肴にボジョレ・ヌーボー    蘭  冬
67  割烹着脱いだ彼女は今何処        栞
68    キラキラ光る鴨川の海        代
69  思い出をぎっしり詰めて絵日記に     葛
70    土器のかけらに似せたクッキー    紗
71  好奇心あれば世界は刺激的        蘭
72    人見知りせぬ仔猫かはゆき      茨
73  椀種のしらうをの目にみつめられ     代  春
74    音羽屋を観に春ショール掛け     水  春
75  バーボンを飲んでほんのり朧月      紗  春月
76    花の都の灯も燃ゆ          栞  春花
77  待ちわびし愚図な彼よりプロポーズ    茨  恋
78    小町の轍を踏まず婚約        葛  恋
名オ
79  政党の名前が語る憂き世にて       水
80    かつ消え結ぶ淵のうたかた      蘭
81  叢に梔子香る仮の庵           栞  夏
82    腹の上だけのせる夏掛        代  夏
83  ジャンボくじお告げあったと大人買ひ   葛
84    集ふヲタクに二階みしみし      紗
85  トキワ荘昭和マンガの発祥地       蘭
86    生活感の醸すおもむき        茨
87  月高しカラオケ館といふビルに      代  秋月
88    二次会終えて虫すだく道       水  秋
89  朝寒のトースト焦げた匂ひして      紗  秋
90    黄落踏んで配る新聞         栞  秋
91  けふもまたテレビに暮れる日の早さ    茨
92    かなた熱愛こなた破局で       葛
名ウ
93  訳本もシェイクスピアは苦手なり     水
94    自慢くすぐり入れる合ひの手     蘭
95  もち上るはずが歳には逆へず       栞
96    ぬらりと逃げる寒釣の鮒       代  冬
97  歌詠みの夢は流れて千曲川        葛
98    かすみて分かちがたき天と地     茨  春
99  やすらかにハープ鳴らせば花の降る    紗  春花
挙句    いざ佐保姫の園へ参らむ       栞  春
初懐紙 第五千句第五百韻『正月の』の巻

2015.1.5〜2.9
発句  正月の子供に成て見たき哉       一茶  新年
脇     白紙はみ出すほどの書初め     春蘭  新年
第3  マジシャンの金の箱より鳩飛びて    真葛
4     ふだんとがめる妻も空箸      野茨
4     逢魔時の行合の空         草栞  秋
5   明月や無理とさとりぬ隠しごと      蘭  秋月  両句に
6     ラ・フランスの甘き香を剥く    里代  秋
7   茶話会へ持ち寄る品につど迷ひ     杜角
8     不器用通し得たる定席        葛
ウ
9   黙阿弥の影武者となり存へて       栞
10    悔ひ改めに遅きことなし       茨
11  シニアにてふたたび戻る大学生      蘭
12    テレビ消せない箱根駅伝      曙水  冬
13  酒気帯びの亭主炬燵で指図する      角  冬
14    宇宙旅行の夢は伏せたり       代
15  面接は上手に嘘をつく場らし       茨
16    化粧濃いめに再婚の朝       ね子  恋
17  みそ汁はあなた好みに薄くして      蘭  恋
18    浅き浦にも春きざす頃        栞  春
19  空の月掌にある如し月日貝        葛  春月
20    花はつぼみのうちこそが華      角  春花
21  加速する世代交代フィギュア界      茨
22    バブルの記憶レジェンドとなる    ね
二オ
23  ある意味で会社選びは博打に似      蘭
24    響かぬ鉦を捨てて悔いなし      葛
25  炎天下心頭滅し布施修行         栞  夏
26    緑蔭すずしありがたき風       角  夏
27  冤罪の不倫疑惑の渦中にて        ね
28    女も好きでお茶屋遊びは       代
29  オアシスを求めるやうに京都・奈良    茨
30    身軽な独りむしろ羨む        蘭
31  賃貸かローンを組むかで喧嘩をし     水
32    相棒見ては真似る口癖        栞
33  もう少し足長けりゃと埒もなし      葛
34    記憶はいつも鬼ごっこの鬼      ね
35  ねんねこの中の妹ずり上げて       代  冬
36    街の昼月氷砕のごと         水  冬月
二ウ
37  若作りすぎて老化を目立たせり      角
38    秘めたる情事噂広まる        栞  恋
39  ウィンクにVサインして玉の輿      葛  恋
40    早や二代目に移る追っかけ      代
41  青春はたぎる情熱あるかぎり       茨
42    もう一花とダンス教室        蘭
43  右足と右手同時に前に出し        ね
44    パパのビデオへ園児駆け出す     水
45  春びよりパワー全開晴れ男        角  春
46    空へぐるりと半仙戯漕ぐ       代  春
47  山裾を覆ふばかりの花の波        栞  春花
48    今ある生を礼す野仏         茨
49  退院後だんだん伸ばす散歩路       蘭
50    日々微かにも季節うつろふ      角    
三オ
51  花時計黄色のパンジー今何時       水
52    言葉あそびは少女得意で       葛
53  きらめきの湖もとは名なき池       茨
54    白鳥飛来添へる彩り         角  冬
55  初デート手袋越しに手をつなぐ      ね  冬恋
56    グリューワインに一夜明かして    代  恋 
57  残る月そぞろ身に入む朝の市       栞  秋月
58    立ち籠めし霧うすれゆく川      蘭  秋
59  越え難き砂漠にせめて野菊咲け      ね  秋
60    宙を仰げば恒河沙の星        茨
61  顔ならべ視線泳がす露天風呂       角
62    手拍子打って宴もたけなは      葛
63  特訓のカラオケで人振り向かせ      蘭
64    狐忠信花道を翔ぶ          水  雑花
三ウ
65  騙されたフリ作戦の父母の知恵      ね
66    おとり捜査に一役買つて       栞
67  裁判の傍聴レポが趣味となる       茨
68    またぞろもたぐ作家への夢      角
69  こなからが五合となって四畳半      葛
70    口説き文句は常の鉄板        水  恋
71  同窓会聞けばマドンナ未亡人       蘭  恋
72    主演脚本語る半生          ね
73  冬銀河韓流ブームいまいずこ       代  冬
74    波の花立つ断崖の磯         茨  冬
75  お仕覆の裂地問はれて答へけり      栞
76    そっと正座を崩しもむ足       角
77  楽しみはお清め鄙の法事ごと       蘭
78    当番札の失はれをり         葛
名オ
79  学ランの釦懐かしブレザーは       水
80    蛮カラやがてチョイ悪に成る     ね
81  フレックス制開始前からフレックス    茨
82    店の外まで薫る珈琲         角
83  切絵図をたどり味はふ江戸情緒      蘭
84    消えた町名復活の縁         栞
85  なれそめは判子もらひに地区回り     角  恋
86    ハスキー声も婀娜にかはゆく     茨  恋  あだ
87  体裁をつくろふなかれ猫の恋       蘭  春
88    チューリップ皆小首かしげて     水  春
89  背負ふものどうでもよくて朧月      ね  春月
90    脱ぎしさしぬき行方知らずも     葛
91  きぬぎぬの別れに憎きすましがほ     茨  恋
92    総務部長にばれた二股        水
名ウ
93  前門の虎後門の狼で           栞
94    苦難試練は成長の糧         角
95  けなげさや野になにを食む悴け鳥     蘭  冬  かじけどり  
96    掛大根の並ぶ庫裡裏         代  冬
97  残したき風景ばかりの写真集       ね
98    蝶の舞ひゆく懐しき径        栞  春
99  一面の花筏割る舟の水尾         茨  春花  みお
挙句    四つ葉みつけてあがる歓声      角  春
春連歌『よく見れば』の巻 第五千句第六百韻

百韻『よく見れば』の巻   
2015.3.18〜4.28

発句  よく見ればなづな花咲く垣ねかな    芭蕉  春
脇     郷のしゞまに響むうぐひす     春蘭  春
第3  山高み雲居はいまだ残る雪       野茨  春
4     年々増すは日々の速さよ      杜角
5   燃えるごみ燃えぬごみ分け煩はし    真葛
6     「お持ち帰り」がゴシップとなり   曙水 
7   いつになく顔曇らせるお月さん     草栞  秋月
8     夜食を買ひに馳せるコンビニ     茨  秋
ウ
9   気の所為で終はりたくなし秋の声    ね子  秋
10    ちぎりは夢か憎き戯れ男       蘭  恋
11  偶然も運命になる片想ひ         水  恋
12    旅の余韻に身をまかしつつ      角
13  しばらくは無為に籠らん草の庵      茨 
14    圏外なれば邪魔も入らず       栞
15  アマチュアがゴルフツアーに優勝し    蘭
16    大きなつづらを背負ふ冬晴      ね  冬
17  人絶えし関所跡なり冴ゆる月       葛  冬月
18    来るなと言えばついてくる部下    水
19  缶ビール乾き物にて花の宴        角  春花
20    風やはらかく心うららか       茨  春
21  君の嘘看破れなかつた万愚節       栞  春
22   「好きだつたの」と匂ふ沈丁      ね  春
二オ
23  上京のいとこの婚儀伝へ聞く       蘭  恋
24    彼に伝へぬメアド変更        水  恋
25  白玉のつるりと喉をおちてゆき     里代  夏
26    岩うちしぶく滝のとどろく      角  夏
27  ぬぐふ汗苦労にほうびある登山      茨  夏
28    露天湯つかり心気充実        蘭
29  祝定年友と卒業旅行して         角
30    想ひ起せる異動発令         栞
31  世界中紛争地帯となりにけり       ね
32    えさに群れ寄り競ふ水鳥       茨  冬
33  枯れてなほ形おもしろき蓮の骨      蘭  冬  なり
34    祖父が好みの志野の七化け      水
35  山の音聞きしと思ふ谷戸の朝       代
36    四葩にほそる雨後の参道       角  夏  よひら
二ウ
37  短夜を惜しむ逢瀬の狂ほしき       栞  夏恋
38    乱筆をどる衣衣の文         葛  恋
39  上司より逆玉縁談舞ひ込んで       茨
40    ひとカラ通ひロック絶叫       水
41  右肩のタトゥーの名前見え難し      ね
42    妻の顰蹙耐へてプロレス       蘭
43  会話なき息と一献古酒開けて       角  秋
44    もつてのほかの蘊蓄を添へ      栞  秋
45  突き抜けて拝領の槍嫦娥刺す       葛  秋月
46    逢魔が時に辻を行く馬        水
47  白無垢に覚悟秘めるや綿帽子       茨
48    枝ふつくらと揺れる花房       蘭  春花
49  風ぐるま地蔵の前に置き去られ      ね  春
50    わらんべ群れて遊ぶ紫雲英田     角  春  げんげだ
三オ
51  モーニングサービスにつく茹で卵     代
52    剥れかかつたレトロ広告       栞
53  つまらない授業はサボり映画館      茨
54    定まる夢の欠けし青春        蘭
55  アルバムを整理仕出して時忘れ      角
56    どこに隠すか妻お見通し       水
57  シュレッダー嵩なしてゐる年の内     代  冬
58    物色やめて嫁ぐ二十九        茨
59  味噌汁の茗荷の味もほろ苦く       栞
60    帰省久しく老いし父はは       角  夏
61  休耕田むぐら隠れに鹿の角        蘭  夏
62    げに難しき異種の共存        茨
63  満月の迎へ拒めぬかぐや姫        ね  秋月
64    今ひとたびの竹伐りもがな      栞  秋
三ウ
65  新藁を束ね修練居合術          角  秋
66    決まつてひとが覗く節穴       蘭
67  いつまでも鬼が目隠しかくれんぼ     代
68    ゆふべの鐘に合はせ鳴る腹      茨
69  向日葵は禅僧のごと立ち尽くし      水  夏
70    ふらりふらふら誘ふ蛍火       ね  夏
71  忍ぶれど思ひ焦がれて後を追ひ      栞  恋
72    振袖綾に恋は盲目          葛  恋
73  幼ななじみ成人式に見違へて       角  新年
74    東京さ出るとやつぱ違ふね      蘭
75  めくるめく洗練度増すオフィス街     茨
76    蜃気楼にも現れるとや        栞  春
77  蓬莱山富士の裾野は花ごろも       角  春花
78    てふてふ追ひて転ぶをさな子     水  春  まろぶ
ナオ
79  天才を育てる塾のあるといふ       ね
80    自撮りばっちり独り見蕩れて     代
81  辻占で今がモテ期と煽てられ       蘭
82    着た切り雀がスーツ新調       茨
83  副賞は世界一周社長賞          角
84    耳慣らしにとAFN聴く       蘭
85  たいていのことはネットで用が足り    栞
86    アイフォン見つつ漬ける沢庵     ね  冬
87  エコライフ求め田舎に移住して      茨
88    街のネオンがまれに恋しき      角
89  下弦月小遣ひ更に減らされる       蘭  秋月
90    唇寒く手折る残菊          栞  秋
91  坂の家柿はたわわに人なくて       水  秋
92    そつと触れれど零余子こぼるる    茨  秋   
ナウ
93  泣き止まぬ児を背負ひ出る昼の丘     角
94    悠々自適の老後遠のく        ね
95  埋み火を掻けばまた燃ゆふるき恋     蘭  恋
96    異国の空からおくる絵葉書      茨
97  オリオンの星を仰げば冴返り       栞  春
98    田螺蠢く小田の水底         角  春
99  大将は一本立ちの花の巨樹        茨  春花
挙句    木々は萌黄に芽吹き初めたる     蘭  春
      初夏の歌仙『愁ひつゝ』の巻

                    起首 平成27年5月4日
                    満尾 平成27年5月20日

発句  愁ひつゝ岡にのぼれば花いばら    蕪村  夏  (香魚選)
脇     麦の穂波のうねるゆふぐれ    春蘭  夏            
第3  竹刀重し弟にまた敗れたり      香魚
4     ひときは目立つくぬぎ団栗    草栞  秋
5   昼の月池をめぐりて歩を稼ぎ      蘭  秋月
6     雁繍ひたる帯をあつらふ      魚  秋   (かりがね ぬひ)
ウ
7   懐に仕舞ひし文をたしかめて      栞
8     そそくさ消ゆる君が憎らし     蘭  恋
9   きつね雨にいさゝか濡れたほどのこと  魚
10    番茶出されて昔話に        栞
11  やまでらの寺男ひと懐つこき      蘭
12    無骨なる手に吊る江戸風鈴     魚  夏
13  夜店にて目移りしつつ品定め      栞  夏
14    影踏みといふ遊びありにき     魚
15  躓づけばきゃっきゃと笑ふ背なの吾子  蘭
16    霞漂ふ谷間の里          栞  春
17  あはあはと残んの花に月さして    鉄線  春花月
18    独活和へに噎せさ丹つらふつま   蘭  春
名オ
19  棒手振りの忘れゆきたる銀ぎせる    魚     (ぼてふり)
20    北斎漫画読んで閃く        栞
21  アングルを変へれば彼もいい男     線  恋
22    はづれ馬券を捨てられなくて    魚
23  確申は年に一度の大仕事        蘭
24    ああ誰にでもふるさとはある    線
25  碇星ブルーライトに溶ける夜      栞  秋
26    ねむれぬ車窓すでに有明      蘭  秋月 
27  ゆれやまぬ穂薄きみを思はしむ     魚  秋恋
28    風の便りに知れる駆落ち      栞  恋
29  ひもすがらジャージ姿で過しをり    線
30    ねこの尾虎の尾踏んで見せうぞ   魚
名ウ 
31  勘当に夢諦める積もりなし       蘭
32    麦蒔くひとの颯爽として      線  冬
33  晩鐘を聞けば天使の梯子差す      栞
34    無信心にも東風はあまねく     蘭  春
35  なつかしき花のかをりや筆洗ふ     魚  春花
挙句    床に掛けたる惜春の軸       栞  春


   蕪村 一  香魚 十  草栞 十  鉄線 五  春蘭 十


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