語ろう！フライフィッシング。コミュの「ホセの計画～朝食バイキング～」

「ホセの計画～朝食バイキング～」

いやはや全くの失業者になっちゃって
食べるお金もない

部屋には２００万円位の釣竿やグッズがあるというのに（＊１）
もはや出番もない

腹減った～

ぼくにはある計画があります
あのファミレスの朝食バイキングに行くことです
たしか７時３０分から１０時までで６８０円

テーブルに着いたら
まず　こっそりと深めのタイイング用ダスト箱を取り付けます
それと　マイポットを出します

ここの朝食バイキングは和洋がいっぱいでアイテムが豊富なんです
でも　ぼくは気品高いダンディでモンタナ州立大学出です
労働者じゃあないんだから
けっして　和洋折衷で朝食をとりません

ここのライ麦の石窯パンおいしいんです
それに
紅茶は透明ポットに入れたオレンジペコーにします
それと
ソーセージ　茹でたまご　サラダ　フルーツ　バター　オレンジジュース
も

ときどき
喰い溜めできる牛になりたいとおもいます
まったく

さて　用意ができました
石窯パン　茹でタマゴ　ソーセージ　包装バターなどは
こっそりとタイイング用ダスト箱に落とします
さらに　紅茶はマイポットに移します

どうせスタッフはろくな接客できないから心配ありません

何度も　バイキングコーナーを行き来します
さーて　これで一週間分の朝食を確保しました
紅茶にはスライスレモンを入れて気取って飲みます

それで
ヴァージニアの煙草をゆっくりと吸いながら
半分で消します
また吸いたくなったら　その半分に
ダグラスのオイルライターで火をつけます

それで
リチャード・ブローティガンの本を読んで
オレゴンやモンタナやワイオミングの風と陽を吸い
アイデス（iDeath）というコミューンを想います
それから
ロンメル進軍に赴きます

腹直しにジンジャーエールを飲みます

これで４時間潰します
そいで　河原に行ってうたた寝をします
陽が真上に来たら　起きて
さっきの紅茶とパンを少しだけ食べます

ふたたび　本を読みます
今度は「エミリ・ディキンスン詩集」や「エミリ・ディキンスン家のネズミ」です

《一つの心が壊れるのをとめられるなら
わたしの人生だって無駄ではないだろう
一つのいのちの痛みを癒せるなら
一つの苦しみを静められるなら

一羽の弱ったコマツグミを
もう一度、巣に戻してやれるなら
わたしの人生だって無駄ではないだろう》（＊２）

夕方になったら
立ち呑み屋のウグイの衆の中に
違和を感じながら
一杯のジムビーム・ソーダ割りを呑み
ゴールデンバットを吸ってから

バスで
陸の孤島の部屋へ帰り
無料映画を三作観ます
それから
床で今度は朝まで
シモーヌ・ヴェイユを読みます

束の間にみる夢といったら
もう　フライフィッシングです
猫や鼠の自意識です

いやはやこれが全くの失業者の日常です

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（＊２）ぼくは第４級の身体障害者（人工股関節手術）です。
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　　　こんな生活ですから、週に単行本で３冊、文庫本で５冊くらい読んでいます。
　　　「無料宅配便」制度を知ったのは約１ヶ月前です（これは得で便利です）

～160526.0.50記～