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プレイバックシアターコミュのご報告・緊急パフォーマンス(21日in大阪)

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皆様へ。


今月21日、震災によるプレイバックシアター日本大会の中止を
受けて、大阪・スタジオCAVEで行った緊急パフォーマンスには
関西の方々だけでなく東京をはじめ各地から30名の方が集まり、
プレイバックシアターのリチュアル(様式)を用いて生まれる実存的な
劇場空間を共有しました。


プレイバックシアターがまったく初めての方々も来てくださいました。
またフランス在住の舞踏家竹之内淳志氏と
ミュージシャンの小宮弘子氏も駆けつけてくださり、テラーや
アクティングや即興の舞踏を通じて関わってくださいました。


2時46分から3分間、全員で黙祷した後、
日本大会委員長の今井美佐穂氏からご挨拶を頂き、
僕(橋本)がコンダクターの役割を務めました。


アクター、ミュージシャンは会場のお客様から「今、舞台に立ってみたい」
と感じる方がその役割を務めるという形で進めました。


これは日本大会の最終日の全体パフォーマンスで行う予定だったやりかたです。


日ごろから専門的に訓練しているシアター・ザ・フェンスのような特定の
劇団メンバーではなく、
その場の参加者全員で作り上げるプレイバックシアター、いわば
その場に集った民衆が自発的に参加して、プレイバックシアターの
リチュアル(様式・手続き)を粛々と進めながら執り行う民衆舞台としての
プレイバックシアターの試みです。


コンダクターとしての僕は、東南アジアの土着の演劇構造で言えば、
村人が行う神聖演劇の祭儀的手続きをつかさどる村のシャーマンに
近い役割を果たす事になります。


室内の壁面が黒一色のスタジオCAVEのステージ。
照明に浮かび上がった空間に、プレイバックのショートフォームである
動く彫刻をアクティングするために5名のアクターとミュージシャンが1人、
客席から立ち上がって向かいます。


テラー(語ってくださる参加者)の言葉にインスパイアされて、
アクター(役をする人・代理人)の躍動するエネルギーが
身体表現や音声を通じて表現されていきます。


客席の全員が舞台上で放たれるアクティングをそれが
自分自身の物語であるかのように真剣に見つめ、
一つの作品が終わるたびに大きな拍手で区切られていく
CAVE=洞穴での舞台芸術。


僕は今、皆様とこのプレイバックの舞台で語られた物語を
共有することが意義深いことであると考えています。


懸命に生きる普通の人々や隣人が語る個人的な物語の中には、
明日ももう一度起き上がって生きていく気にさせる民衆の知恵や
洞察、そして他者へのやさしさが散りばめられています。


日々を生きていく人々の肉声が、舞台の上で再現されることで
芸術としてのエネルギーをまとい、その作品を見るものに具体的に
感じ取れる勇気を与えるのです。


以下、それぞれの作品の内容を簡潔に記します。


             シアター・ザ・フェンス 橋本久仁彦




プレイバックシアター第一幕@CAVE(大阪)


「動く彫刻」

(一本目)
被災者の人らがおるのに
心も身体も寒い思いしてるのに、
なんでまたこんな寒い気候になるのかと
うらめしく思う


(二本目)
地震のあと東京から四日市の家に戻った母に
電話したら、すごく安心すると言ってくれてうれしかった。


(三本目)
夫の父親の誕生日を祝うのに夫の家族が集まった。
彼らの仲良さをみて ちょっとさびしい。
私の父親はもう亡くなってるので。


(四本目)
日本大会中止の事務作業を進めなければいけないのに
テレビから被災地の辛い映像が流れ、自分の辛さとリンクして
苦しかった。


(アクター、ミュージシャン交代)

【ストーリー】

(一本目)
夜、車を運転していたらたぬきが前を横切った。
地震のニュースを見て人がたくさん亡くなったと思ったが、
動物たちのことを思ったことはなかった。
たぬきを見て、でも動物は生きてるんだなと思ったら
なぜか元気が出た。


【ストーリー】

(二本目)
2週間前祖母が亡くなった。
人生をやり終えたんだなぁという気持ちがあって。
妙なことに、亡くなったのが悲しいとか、そういうようになれなかった。
静かな感じ。

お葬式のために家に帰ったとき
もうおばあちゃんここにいないなと思った。

遺体というか、亡くなってる骸(むくろ)はそこにあっても、
もう向こうに行ってるわという思いがあった。

骨を拾うときに、このお骨はお墓に入っていくんやけど、
それと、実際のおばあちゃんが僕には結びつかないというか、
それがちょっと不思議な感じ。

そこにはいない。おばあちゃんはもう全然違う人生を始めてるような
そんな感じがした。

(コンダクター:生前のおばあちゃんとの思い出は?)

両親が共働きだったので、小さい頃はよく遊びに
連れて行ってもらった。
デパートの屋上で、祖母と二人でクリームソーダを食べてたのを
いつも思いだす。


【動く彫刻】

(5本目)
即興の場っていうのはここにいる人しか体験できないことで、
その人の中にしか記憶に残っていかないものだ思う。
「共有した」ことはずっとその人の中にあると思う。
それをカタチにしたらどうなるのだろう。


-------------休憩----------------------------------


岡山睦美(シアター・ザ・フェンス)による即興の場踊り



第二幕

【動く彫刻】

(6本目)
真っ黒いこんな箱(部屋)の中にいっぱい人が入って、すごく怪しい感じ。
自分も、皆もここへ目的持ってきたと思うが、全部吹っ飛んで、
いったい何してんだろな、という面白さを感じている。

(7本目)
東京からやってきた。また東京に戻る。
だいぶ錯乱してるところに戻る。なぜ戻るか。グループをやりたいから。
期待と不安が入り混じっている。
今日みたいに楽しい場をもてるだろうなと思いながら、、
しかし皆錯乱してるから・・僕も錯乱したので大阪にきている。
戻って大丈夫なんか、という はざまで。
(期待・不安を)行ったり来たりしている。


(8本目)
私は43歳で、父が79歳。
昨日実家に帰った。まだ元気。
しかしやがては別れのときがくるんだろうな。
親孝行しなあかんのじゃないかな、でも
やれてないような気がする。

男二人って、何話したらいいのかということすら
なかなか出てこなくて、
いつも会ったら、世話焼きの父があれこれ世話やいて
一方的に僕が受身で そばにいるだけ。
いつまでもこれでいいんかな、
やらなあかんことできてないんちゃうかなぁ。
息子として父にもらってばっかりだなと。
いつまでも、この年になっても。


(9本目)
震災・津波は目に見えるが、
今回はそれが終わったあとにどういうふうにリ・アクトしていくか、
生活・こころを取り戻していくか。
友人にメールを送ると「大丈夫だ」とかえってくるが、
友人の家族は原発から80キロのところに住んでいる。


家は壊れていなくて、これから生活を立て直していこうというときに
目にみえないもの、それに脅かされている僕ら。
そこから抜けるには離れるしかない。
友人から「家族みんなで1ヶ月くらい離れてみようと思うんだ」とメールがきて。


放射線のことがテレビなどでいろいろ報道されるが、全然目に見えない。
全然目に見えないから、たぶん雨のなかに、食べ物のなかに
含まれてるんじゃないかとか、
そういう目に見えないものに向き合って、
どう自分の心を取り戻してくのかってういうのは
これからすごく大きなテーマになる。
震災終わったのにまたその上にたくさん死ぬ人が出てくる。
そういうことをふと思って。


(アクター・ミュージシャン入れ替え)

【ストーリー】

(3本目)
「誰かのために何かしてあげたい」という言葉をきくたびに、
うそくささというか、ある感情があがってきてて、
自分の中で気持ちわるい。消化しきれてない。
情報が入ってくるばっかで、出る機会がないので。。


なんでこんなにしんどいんやろなと。
でも周りの人はそういうこと思わずに何で普通に生きてんねやろ
と思いながら生きてた。
他の人に確認取ったわけじゃないから、他の人もそう感じてるかも
知れないが、私はそういう風に生きてきたなと思って。


「何かしてあげたい」という言葉をきいたときに
居心地がわるい・居場所がない。


なんかそんな感覚が私の中に在る。


「私は被災地に愛を届けたい」
「なにかしてあげたい」とか、すっごいうそ臭く感じる。


そしてそう感じてしまう自分がいやな奴に思える。



【ストーリー】

(4本目)
地震があって、私は看護師してるので被災地へ支援に行くことになるだろうと。
すごく大きな地震だったし、
神戸のときに勤めてた病院では次の日に被災地へ行くことになったので
当然そういう動きになると思っていたが、うちの病院は動かず、
淡々と業務が流れて行く。


15日くらいに、支援に行く話が出て「登録しますか?」といわれた。
意思はあったので行きますと返事したが、病院として何の準備もなく、
情報もあいまいで、私も不安。
今の業務も私が抜けるとまわらないので、
いまは行くときじゃないんだなあと思って断った。


が、新聞を見たときに床の上にいっぱい布団がならんでいて
点滴をしてる人たちがいっぱいいるのをみて、
私1人が行ってどうかなることではないんですが、「あー・・」と思って、
すごく、刺されるように、グサっときた。


「あー今ここに人が必要なのに、今行ける人間がどうして行けないんだろう」
ってすごく思って。
それは私だけじゃなく、被災してないところの病院ってどこも全部忙しいんですけど
でも被災地に比べたら絶対安定してるので、一人や二人の人数は出せるはずや。
でもむこうの受け入れ態勢が整ってないっていう。
でも被災地の状況で受け入れられる体勢を整えられるわけがないって思って。


何で皆そこでストップしてしまうんやろうっていう、はがゆさがあって、
でも自分ひとりの力ではなく組織なのでそこにいる人間としては
 動けなく、黙ってみてるしかなくて
どうもできへんねんけど、、どういたらいいのか。
すごくおさえられてるようなのを感じてる自分。
すごく苦しかった。


・・でも独居で暮らしているおじいさんの所へ行ったら、
夜中にポータルトイレに行ってベッドに戻れなくなって
一晩中床の上にいて低体温症になって、その人と被災地の
低体温とかおこしているおじいちゃん・おばあちゃんが
重なって、私は被災地へ行けないけど、私がしないといけないのは
このひとたちの命を守らないといけないというか、大げさなんですけど。


そういうことなんだなと思った。
今私がしないといけないことをしっかりみないといけないなと。


ある訪問看護先の患者さんが
低体温になってるところを、朝ヘルパーさんが見つけた。
こんな状態なんですと電話があって。
身体触っただけですごい冷たいし。
意識はしっかりされてましたけど
結局最後まで、「いやや〜あの大きい病院いくのいやだ」と言ってはった。
説得して病院に。
「また元気になって帰ってきて」といったら
しぶしぶ「しゃあないな」と言ってくれはって。


【動く彫刻】

(10本目)
地震があって
すごく孤独だったりとかする。
東京にいて怖かった
帰ってきて粛々と仕事をしてたんですけど
いろんな映像みたり 話をきくと
熱くなってしまって
涙が。


ここへきて、安心した。人の中へきて。
安心したのと、ちょっとぬくもりとか温かさとかを感じた。


      終幕。

竹之内氏、返礼の舞踏を披露してくださる。             







プレイバックシアタープロデュース
 ptproduce@bca.bai.ne.jp
http://ptproduce.com/
 
   橋本 久仁彦

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