切磋短歌コミュの斉藤斎藤の歌

ひさしぶりに斉藤斎藤の歌を見ることが出来た。
短歌９月号に８首掲載されている。
それだけで嬉しかったのであるが、じつは止めてしまったのではないかと、密かに心配していたのである。

彼のように有為な青年が、元気で頑張ってくれるのが一番嬉しい。
彼は、きっととても繊細なのだと思う。歌壇などに出ると相当タフなキモチがないとやっていけないのではないか、そんな気がして、この半年ほど、折に触れて彼の歌が出てこないかなあと、気にしていたのである。
彼は所属する歌誌にもずっと歌をだしてなかったから。

さて、８首は「短歌」を見て頂くとして、そのうちのいくつかを。

だいじょうぶ　あなたはだんだん立ち直る　だいじょうぶ　ひざのお皿をくだく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　斉藤斎藤

自分自身を信じる力と、自分自身に対する破壊衝動とふたつが表現されているのだろうか。どちらへいくのか、本人もいまだ決めていない、そういうことなのだろうか。
しかし、自己の破壊衝動を言葉にして人に見てもらうというのは、深いところで擬似破壊衝動だと、自分でもわかっているのだ。
結句でそれを言って、１首の帰結にしてはいるが、ぜひ、そこを乗り切って、だいじょうぶと自分を信じるほうへきてもらいたい。

こんな、君をしらないにんげんが、かすかな歌をたよりに心配しているのだから、それを無にしてはいけない。

もう１、２首と思ったけれど、本質をついたつもりなので、今回はこれで。