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独学ノート(土筆の子)コミュのx^4+1=0 とガロア理論

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これまでに判ったことを書くと、

これは、1の8乗根の原始根を与える円分方程式で、その解は、
α=cos(π/4)+isin(π/4)=1/√2+i/√2
β=cos(3π/4)+isin(3π/4)=-1/√2+i/√2
γ=cos(5π/4)+isin(5π/4)=-1/√2-i/√2
δ=cos(7π/4)+isin(7π/4)=1/√2-i/√2
で与えられる。

円分方程式は、ガロア以前にガウスが研究したもので、これは、
可解であることが判っている。

1/α=1/(1/√2+i/√2)=√2{1/(1+i)}=√2{(1-i)/(1-i^2)}=√2(1-i)/2)=
=(1-i)/√2=δ、-α=γ, -1/α=β
になっている。
したがって、4根は、{α,-1/α,-α,1/α}となっている。

また、四根に√2をかけると、見通しが良くなる。
√2α=1+i,-1+i,-1-i,1-i

また、1の8乗根をζ_8とすると、α=ζ_8(改めてこれをζとする)
β=ζ^3, γ=ζ^5, δ=ζ^7 になっている。

ここで、σ(ζ)=ζ^3, τ(ζ)=ζ^5,
τσ(ζ)=τ{σ(ζ)}=(ζ^3)^5=ζ^15=ζ^7=στ(ζ)
なる置換を考える。ここで、それぞれ、2回の操作を繰り返すと、
σ^2(ζ)=ζ^9=ζ, τ^2(ζ)=ζ^25=ζ,
τσ^2(ζ)=(ζ^7)^2=ζ^49=ζ
ともとに戻る。つまりは、恒等置換(写像)eになることが判る。

したがって、{e,σ,τ,τσ}で与えられる置換群(写像群)は
クラインの4元群になっている。
実際、以下が成り立つ、、{e,σ,τ,τσ}を{e,p,q,r}とすると、
\e,p,q,r
e,e,p,q,r
p,p,e,r,q
q,q,r,e,p
r,r,q,p,e

例えば、qr=τ{τσ(ζ)}=(ζ^7)^5=ζ^35=ζ^(32+3)=ζ^3=p

さて、解{ζ,ζ^3,ζ^5,ζ^7}は、
{e,σ},{e,τ},{e,τσ}によって不変な次の3組に分けられる。
{e,σ}:{ζ,ζ^3},{ζ^5,ζ^7}
{e,τ}:{ζ,ζ^5},{ζ^3,ζ^7}
{e,τσ}:{ζ,ζ^7},{ζ^3,ζ^5}

これは、x^4+1の分解に次の3通りがあることを意味している。
{(x-ζ)(x-ζ^3)}{(x-ζ^5)(x-ζ^7)} ?
{(x-ζ)(x-ζ^5)}{(x-ζ^3)(x-ζ^7)} ?
{(x-ζ)(x-ζ^7)}{(x-ζ^3)(x-ζ^5)} ?

?:{x^2-(ζ+ζ^3)x+ζ^4}{x^2-(ζ^5+ζ^7)x+ζ^4} ■
?:{x^2-(ζ+ζ^5)x+ζ^6}{x^2-(ζ^3+ζ^7)x+ζ^2}
?:{x^2-(ζ+ζ^7)x+ζ^8}{x^2-(ζ^3+ζ^5)x+ζ^8}

ここで、
ζ+ζ^3=i√2,ζ^5+ζ^7=-i√2, ζ+ζ^5=0, ζ^3+ζ^7=0
ζ+ζ^7=√2, ζ^3+ζ^5=-√2
ζ^4=-1,ζ^6=-i,ζ^2=i,ζ^8=1
なので、それぞれ、

?:{x^2-i√2x-1}{x^2+i√2x-1}
?:{x^2-i}{x^2x+i}
?:{x^2-√2x+1}{x^2+√2x+1}

つまり、σ,τ,τσの置換(写像)の組に対応して、
3種類の分解の塔が出来ることが判る。
(i)
{e,σ,τ,τσ}: x^4+1=0
{e,σ}:{x^2-i√2x-1}{x^2+i√2x-1}=0
{e}:(x-ζ)(x-ζ^3)(x-ζ^5)(x-ζ^7)=0
(ii)
{e,σ,τ,τσ}:x^4+1=0
{e,τ}:{x^2-i}{x^2x+i}
{e}: (x-ζ)(x-ζ^5)(x-ζ^3)(x-ζ^7)=0
(iii)
{e,σ,τ,τσ}:x^4+1=0
{e,τσ}:{x^2-√2x+1}{x^2+√2x+1}=0
{e}:(x-ζ)(x-ζ^7)(x-ζ^3)(x-ζ^5)=0

ここで、
{e}:(x-ζ)(x-ζ^3)(x-ζ^5)(x-ζ^7)=0 ?
の意味は、もし、この式にσ:σ(ζ)=ζ^3を対応させると、
(x-ζ^3)(x-ζ^9)(x-ζ^15)(x-ζ^21)=0
(x-ζ^3)(x-ζ)(x-ζ^7)(x-ζ^5)=0
?式とは順番が変わってしまって、不変とは云えないことを示している。
もっとも、順番が変わっても、1次式まで分解しているので、様子は
それほど変わらない。

根の置換(写像)の集合を以下のように名付ける。
{e,σ,τ,τσ}=G
{e,σ}=H
{e,τ}=K
{e,τσ}=L
{e}=I

これを、
Gの全ての元について例えば、σ(x^4+1)=x^4+1
Hの全ての元について例えば、σ(x^2-i√2x-1)=x^2-i√2x-1●
Kの全ての元について例えば、τ(x^2-i)=x^2-i ◎
Lの全ての元について例えば、τσ(x^2-√2x+1)=x^2-√2x+1 △
Iの全ての元、この場合は恒等置換e,について例えば、e(x-ζ)=x-ζ
と不変になっていることが確かめられる。

●の意味は、例えば、■式の前半の係数を見てみると、
σ(ζ+ζ^3)=ζ^3+ζ=ζ+ζ^3
σ(ζ^4)=(ζ^4)^3=ζ^12=ζ^4
とσで不変であることを意味する。

◎で、τ(ζ)=ζ^5,の写像を考察すると、τ(1)=1^5=1
τ(i)=τ(ζ^2)=(ζ^2)^5=ζ^10=ζ^(8+2)=ζ^2=i
τ(-i)=τ(ζ^6)=(ζ^6)^5=ζ^30=ζ^(24+6)=ζ^(3*8+6)=ζ^(6)=-i
とそれぞれ、τで不変である。

△で、τσ(ζ)=ζ^7を考察すると、
τσ(ζ+ζ^7)=ζ^7+ζ^49=ζ^7+ζ^(8*6+1)=ζ^7+ζ
τσ(ζ^3+ζ^5)=ζ^21+ζ^35=ζ^(8*2+5)+ζ^(8*4+3)=ζ^5+ζ^3
τσ(ζ^8=1)=ζ^56=1
とそれぞれ、τσで不変である。

σ,τ,τσで不変になる?,?,?
きっと、こういったものを軌道といっているのであろう。
同じものを考えることによって、類別が可能になってくる。

Gの位数|G|は,元が4つあることから、4、
|H|=|N|=|M|=2,|I|=1

K:x^4+1
L:{x^2-i√2x-1}等、
F:(x-ζ)等
とすると、

[K:F]=4,[K:L]=2,[L:F}=2
[K:F]=[K:L][L:F}=4
[K:F]=|G|=4

定義:
Kを部分体Fを含んでいる体とする。F上のベクトル空間と
見たときのKの次元をF上の次数といい、[K,F}で表す。
即ち、[K:F}=dim_F K

Fを元ごとに不変にするKの全ての自己同型写像の作る群を、
F上Kのガロア群といい、Gal(K/F)=Gで表す。

Gal(K/F)=FがKの自己同型写像のつくる有限群によって
不変であるすべての元のつくる体となっていて
拡大K/Fをガロア拡大という。

Kの自己同型写像のつくる群Gによる不変体をK^Gによって
表すと、
K^G={x∈K|すべてのσ∈Gに対してσ(x)=x}
とするとき、拡大K/Fがガロア拡大であるための必要十分条件は、
Kの自己同型写像のつくる有限群Gが存在して、F=K^Gを
満たすことである。

以下は、ガロア群の基本定理になってくる。

ここで、休憩





コメント(2)

ガロア理論の基本定理の再掲、
上のことで少しは内容に迫れたか確認。
代数方程式のガロアの理論、Jean-Pierre Tignol 著 新妻弘訳、共立出版 の15章より、定義15.1は上述と同じなので、省略

定理15.2(ガロア理論の基本定理)
Kを部分体Fを含んでいる体とする。Kの自己同型写像のつくるある有限群Gに対して、
F=K^Gならば、次が成り立つ。
[K:F]=|G|, G=Gal(K/F)
このとき、体KはFを含んでいるすべての部分体のガロア拡大である。さらに、Fを含んでいるKの部分体とGの部分群の間に次のような1対1対応が存在する。すなわち、この対応は任意の部分体Lに対して、ガロア群Gal(K/L)⊂Gを対応させ、また任意の部分群H⊂Gに対してその不変体K^Hを対応させる。
この対応において、Kの部分体LのF上の次数は、対応している部分群のGにおける指数に対応している。
[L:F]=(G:G=Gal(K/L)), (G:H)= [K^H:F]
さらに、Kの部分体LがF上ガロア拡大であるための必要十分条件は、対応している部分群Gal(K/L)がG上で正規部分群となることである。ガロア群Gal(K/L)はGの自己同型写像をLに制限することによって得られ、その制限準同型写像は
同型写像 G/Gal(K/L)〜→Gal(L/F) を引き起こす。

きっと以下のような対応のことを云っているのだろう。
{e,σ,τ,τσ}⇔ x^4+1=0 ⇔{ζ},{ζ^3},{ζ^5},{ζ^7}
{e,σ}⇔{x^2-i√2x-1}{x^2+i√2x-1}=0 ⇔{ζ,ζ^3},{ζ^5,ζ^7}
{e}⇔(x-ζ)(x-ζ^3)(x-ζ^5)(x-ζ^7)=0 ⇔{ζ,ζ^3,ζ^5,ζ^7}

数論1の付録に納得させる例がありました。再掲
何度も見ているとこういうものかという気がしてきます。

K=Q, L=Q(√2,√3)とすると、[L:k]=4, G(L/K)={σ_1,σ_2,σ_3,σ_4}
ここにσ_1は恒等写像、σ_2,σ_3,σ_4は次の性質で特徴づけられるLの
K上の自己同型である。
σ_2(√2)=√2, σ_2(√3)=-√3,
σ_3(√2)=-√2, σ_3(√3)=√3,
σ_4(√2)=-√2, σ_4(√3)=-√3,

LはKのガロア拡大であり、ガロア群の群構造は
σ_2^2=σ_3^2=σ_4^2=σ_1=1, σ_4=σ_2σ_3=σ_3σ_2
で与えられ、
G(L/K)∼=Z/2Z x Z/2Z

-----------------------
Lを体Kの有限次ガロア拡大であるとし、G=G(L/k)とおく、
このとき2つの集合の間の全単射
{K⊂M⊂Lとなる体M} ←→{Gの部分群H}
がM←→H

ここに
H={σ∈G; すべてのx∈Mについてσ(x)=x},
M={x∈L; すべてのσ∈Hについてσ(x)=x},
によって与えられる。
---------------------
K=Q, L=Q(√2,√3)のとき、上の対応M←→Hは、
Q(√2,√3)←→{σ_1},
Q(√2)←→{σ_1,σ_2},
Q(√3)←→{σ_1,σ_3},
Q(√6)←→{σ_1,σ_4},
Q ←→ {σ_1,σ_2,σ_3,σ_4}

このようにガロア理論は、ガロア群の力によって中間体
(K⊂M⊂Lとなる体M)を浮きぼりにしようとするものである。

注1:
体Q(√(2))={a+b√(2);a,b∈Q} (Qは有理数全体)
体Q(√(3))={a+b√(3);a,b∈Q} (Qは有理数全体)
体Q(√(2),√(3))={a+b√(3);a,b∈Q} (Qは有理数全体)
と云った記号です。
また、
体Q(√(-1))={a+bi;a,b∈Q} (Qは有理数全体)
は、複素数に近く感じますが、
複素数は、a,b∈R(実数)でしたね。

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