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2024年04月13日00:03

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快作を生む改作となれるか?

プロの師匠や社会人の方々から依頼をいただいて、
新作落語を書くという作家活動もどきをしておりますが、
時には『古典落語の改作』というのも手掛ける事があります。
新作落語を、さらに改作するなんて場合もあります。


どなたもご存知ないでしょうが、
林家木久蔵師の『火焔太鼓』『新聞記事』、
林家三平師の『ざる屋』『有馬の秀吉』、
桂かい枝師の『壺算』『豊竹屋』『天神山』『丑三つタクシー』、
春風亭小朝師の『ぼやき酒屋』などは
【さん太改作バージョン】でかけて下さっています。


改作というのは、従来の古典落語にギャグを入れたり、展開を変えたりして、
オリジナリティを出す作業ですが、これがなかなか難しいです。


もちろん、新作を1本書くのも難しいんですが、
新作の場合は無から有を作り出しているので、
とりあえず作業のあとが判りやすいです。
【平地】だったところに【家】が建てば、
たとえあまりいい家じゃなくても【建てた】という事は一目瞭然です。


ところが古典の改作というのは、
元々建っている家の【内装工事】のみをするわけですから、
一見したところ作業のあとが判りにくいです。
早い話が『ギャグを沢山盛ってナンボ』という事になりますので、
非常に【手数(てかず)】が必要となります。


オリジナルの新作の場合は、依頼者の方に
『ギャグはさほど気に入らなくても、噺の展開が好き』と思ってもらえたら、
それはそれでありなんですが、
改作の場合は、既にストーリーは存在していますから、
ギャグのみで勝負するようなものです。


下手すると変なギャグを入れたために、
普通に演れば面白い噺を、ぶち壊してしまう可能性まであります。
ある意味、新作を書くよりセンスを問われ、
大変な作業と言えるかもしれません。


改作には、ギャグを入れる作業の他に、
『展開を変える』という作業をする場合もあります。
これは本来のストーリーを変えてしまうわけですが・・非常に勇気のいる事ですね。


ともすれば古典落語という、畏敬の念を持つべき存在を、
根幹から否定するような事になりかねませんからね。
自分で高座にかけるためだけならまだいいんですが、
お仕事として依頼を受けた時、
『これを演ってみてください』と言って依頼者に渡すのは度胸が要ります。


ギャグを入れる場合は増量するわけですから、
大体『+α的感覚』でいいんですが、展開を変えるのは、
『従来の物を捨てる』という事になります。
だから、よほどその着想に自信がない限りは、
思いついても二の足を踏んでしまいますね。
非常に悩ましいです・・まだまだ勉強不足ですね。


微笑亭さん太
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