男女交際が決裂した場合、振られる側は思わぬ行動に出る事が多いのですが、
気分転換とか思い出の一掃とか、捨てたり買い替えたり。男性の立場からすると、
車や趣味のものが多いのですが、気分を晴らすには時間が必要です。
今回紹介するのは、そんな選択肢の中、山を買って暮らすと言う方向の物語。
マイナー漫画紹介の61作品目は
「前略、山暮らしを始めました。」です。
婚約、両親への挨拶も終わった時点で、留学して新しい人生を見つけると
非常に理不尽な振られ方をした主人公は、何もかもが嫌になり、
世捨て人になるのだと、母方の親戚の伝手で、山を買います。
山の中腹の元庄屋さんの家を住家とし、生活を始めたのですが、
三日で寂しくなって、ふもとの村のお祭りに参加します。
その際、寂しさ紛れに屋台でカラーひよこを三羽買い、
ふもとの住人にいろいろ聞きながら育て始めますが、
成長するにつれ巨大化し、爬虫類っぽい尾っぽが目立つようになります。
なぜか主人公の言う事を良く聞き、マムシなどの駆除をしたかと思うと、
三羽共同でイノシシまで駆除してしまいます。
明らかな異常事態にも主人公は三羽を可愛がり、育てます。
そうこうしている内に両隣の山にも住人がいると聞き、挨拶すると、
女性の住人は鰐並みに大きなトカゲを飼っており、
男性の住人は大蛇のつがいですが、メスの方はラミアみたいに上半身女性で、
両方とも人の言語を理解するまでになっています。
この時点で三人は異常事態であると確信しますが、
買っている動物たちは無害で身内みたいなもので、
予防ワクチンとか心配したりします。
男性の隣人は、ストーカー女性から逃げるために、
女性の隣人は、DV男から逃げるためにと、三者三様の事情。
そんな感じなので、三人はお互い協力して山暮らしをしていく物語です。
普通にあってもおかしくない事情に、どう見ても異常事態が組み合わさり
一つの物語が構成される訳ですが、皆優しく皆楽しく生きて行く
何だか素敵な物語です。
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