医者が書く「空気感染」の話

空気感染とは。

空気で感染するわけじゃありません。空気中のウイルスで感染するんです。
問題なのは大きさ。
「空気感染」と言った場合、ウイルスを含む空気中の粒子は

５マイクロメートル以下

です。
この大きさ（小ささ）であれば、空気中を１メートル以上ただよって移動しますし、
ただよっている限り感染力があります。
地面に落ちてもホコリといっしょに簡単に舞い上がります。
ゆえに、空気感染する病気（はしか、水ぼうそう、結核、天然痘）の患者を扱うなら

隔離

が基本です。
接する人間は防護衣、マスク手袋、靴にも使い捨ての袋をつけて、
患者に触れる、近寄るのは必要最小限とし、
部屋から出る空気（換気）には５マイクロメートルを通さないフィルターが必要です。

飛沫感染は、この粒子が５マイクロメートル以上で、
飛ぶとしても１メートルが限界です。
地面に落ちて舞い上がっても１メートル以下なので、
よほどホコリをけたてても身長が１メートル以上なら感染しないことになります。

新型コロナはなにせ、流行始まって半年、
世界の頭いいひとが総出で研究したってそんなすぐに、全部わかるもんじゃありません。
WHOがこれまで言っていたことを正確に繰り返せば
「空気感染するという確実な証拠はない」ってことです。
ただ、日本でもそうですけど、
コロナ陽性の方々は症状がなくても、たとえばホテルのお部屋にしばらくいてもらうとか、
なるべくいっしょの部屋にいるな、看病する人は入り口で着替えろ、とか、

「万が一空気感染するとわかった場合でも大丈夫なやりかた」

を言われてきたと思いますよ。
はっきりした証拠はない、でも絶対に空気感染しないとも言えない。

これは今もまだ研究中です。
でもまあ、空気感染したとわかっても「ああそうですがはしかと同じね」って
答えるしかないですけどね。
そして「自分がかからないためにできること」を各自ができる限りやる、
しかないのは、空気感染かどうかにかかわらず、同じですけどね。

■微粒子による空気感染、WHO「可能性排除できない」
(朝日新聞デジタル - 07月10日 11:04)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6152290