mixiユーザー(id:17855561)

2020年05月17日00:06

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身を粉にして働きます

海外から違法薬物などを持ち込んだりする密輸の手口というのは、
ある意味、日々進化を続けているわけですが、中には曲芸みたいな手口もありますよね。


薬物をコンドームの中に入れて、
肛門から腸内に入れて持ち込むなんてのもありますよ。
これ、腸の中でもって破れでもしたら命が危ないですが、
今はそういうのもすぐに見つかってしまうようですね。


ただこの手口を使った犯人というのは、犯行がバレてコンドームを取り出して、
目の前に動かぬ証拠を突きつけられ『罪を認めろ』と言われても、
必ず否認(避妊)するそうですけどね。


航空機を使って覚醒剤を密輸しようとして摘発された『運び屋』の事件件数も多いですが、
その内訳を調べてみると、運び屋のうち八割は、薬物事件での前科前歴がなく、
暴力団関係者でもない『素人』なんだそうですね。


大半がお金目的に手を染めるわけですが、
『誰にでもできる簡単な密輸』なんて本を読んで勉強したんでしょうね。


運び屋の話を持ちかけてくるのは、元同僚とか借金の借入先とかが多いそうですが、
『渡航費用は全てこちらが出すから、海外旅行に行くだけで五十万円もらえますよ』
なんてな事言われたら、ちょっと心が動いてしまいますよね。
・・・最終的な目的地が留置所であったとしても。


一人あたりの平均密輸量は一・五キログラムだそうでして、
お母さんの皮下脂肪一・五キロでは三文の価値もありませんが、
白い粉の場合は末端価格にして一億三千五百万、五万回分の使用料にあたるそうですから、
素人さんも結構やりますよね。
褒めちゃいけませんけど。


でもこれ、日本で捕まる場合はまだいいんですが、海外で捕まったりしますと大変ですよ。
日本より遥かに罪が重くて、無期懲役どころか死刑までありますからね。
割に合わない事この上ないですから。


渡航者の荷物からそれらしき物が出てきた場合、
本当に薬物かどうか検査しなくてはいけないわけですが、
面倒だという事で、『粉末状の物は一切持ち込み禁止』になったら大変ですよね。


「・・・お客さん、この白い粉は何ですか?」
「あっ、そ、そ、それは・・・」
「(舐める)やはりそうか・・・お客さん、困りますね、風邪薬なんか持ち込んじゃ」
「いえ、それは風邪薬なんかじゃありません」
「ウソついてもダメですよ。
私、ちょっと風邪気味でしてね、今舐めたら少し鼻水が治まりましたから。
それが何よりの証拠です。
しかも『パブロンA』って、純度の高い上物ですね。
この量だと、末端価格にして二千五百円ってとこですか。
これは全て没収ですからね。
・・・そちらのお客さんも、白い粉を持ち込もうとしたんですね・・・
あ、何ですか、これは『白砂糖』じゃないですか」
「す、すみません・・・これで、美味しいケーキが作ってみたかったんです」
「だからといって白砂糖を持ち込もうとするなんて、この白糖(悪党)!」
なんて怒られたりしましてね。
そんな風になったら、かなり面倒でしょうが。


微笑亭さん太
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