今回のコロナ騒動で、
かの有名なコロナビールが生産中止に追い込まれたなんて事がありました。
新型コロナウィルスとコロナビールが、全く関係ないのは言うまでもありませんが、
これは典型的な『風評被害』というやつでしょうね。
この『風評被害』というのは、一旦起こってしまうと、
払拭するのに非常に時間がかかるという、迷惑この上ないものですが、
過去にもこういった事というのは、しばしば起こっています。
一九九五年、『地下鉄サリン事件』が起こった時には、
オウム真理教とは無関係な『オーム電機』や『オーム社』といった会社が
関連を疑われたなんて事がありました。
教団はその後、名前を『アーレフ』に変更したわけですが、すると今度は『びっくりドンキー』を経営する
『株式会社アレフ』という企業が風評被害を受けるという、
踏んだり蹴ったりの状況になりましてね。
二〇〇四年には、鳥インフルエンザに感染した疑いのある鶏肉、鶏卵が
京都府、滋賀県、大阪府に流通したとされ、
健康被害などは一切発生しなかったにもかかわらず、
鶏肉の売り上げが大幅に減少したなんて事がありましたね。
当時はもう『鳥インフルエンザ』という言葉にやたら敏感でしたから、
寄席の最後の演者がマスクをして来ただけで大騒ぎになったりしましてね・・・
「『トリ・インフルエンザ』が来た」というのでね。
こういう風評被害というのはもちろん、日本だけでなく海外でも起こっています。
二〇〇五年には、カリフォルニア州の女性が、レストランの料理の中に
『人間の指が入っていた』と訴え、メディアの報道が過熱したなんて事がありましてね。
調査の結果この女性は、過去にも他店に対して同様の訴訟を起こしていて、
この事件も、産業事故で失った知人の指を女性自らが混入させた
『ヤラセ』だという事が判明したんですね。
女性は逮捕されたんですが、風評被害により大変な損失が出たようですね。
騒動が落ち着いてから、ある方がそのお店へ行って、
『まさか人間の指が入ってるなんて事はないよな〜』なんて思いながらスープを注文したら、
運んできた店員の親指がスープの中に入ってたそうですけどね。
風評被害というのは、誤解から生まれる事がほとんどですが、
ごく普通の事柄でも、角度を変えて見る事によって、
さも問題があるように受け取れるなんて事があります。
我々が毎日食べているお米にしたってそうですよ。
「私の研究によると、お米というのは非常に危険な食べ物である事が判ったぞ」
「そうなんですか?」
「うむ。まず犯罪者の九十八%はお米を食べて育っているからな」
「そんなにもですか?」
「さらに、暴力的犯罪の九十%は、お米を食べてから二十四時間以内に起きている」
「即効性もあるんですね」
「しかもお米は中毒症状をも引き起こすのだ」
「本当ですか?」
「私の行った実験で、被験者に最初はお米とお茶を与え、
後にお茶だけを与えるようにしていくと、二日もしないうちに、お米を異常に欲しがる」
「そ、そんな短期間で!?」
「そして、お米を日常的に食べて育った子供の約半数は、テストが平均点以下なんだよ」
「学力にも影響を?」
「学力どころか発育にもだ。
何と新生児にお米を与えると、喉をつまらせて苦しがるんだよ」
「それは危険ですね〜!」
・・これ、普通の事を言ってるだけなんですけどね。
風評被害の出所というのは、案外こんなところなのかもしれませんね。
微笑亭さん太
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