…というものが有ります。
これは京成の押上駅と京急の泉岳寺駅間に、途中駅を東京駅のみとする大深度地下新線を整備するというものです。
成田と羽田の両国際空港を短時間で結ぶ目的で構想されました。
成田空港アクセス向上の為、京成スカイライナーの北総線経由ルート(成田スカイアクセス)を整備し、JRとの乗換駅となる日暮里を大改造、現在スカイライナーが最高速160km/hで走っています。
しかし、京成上野駅はJR上野駅から遠くではないものの、地下通路は分かり易いとは言えず、日暮里は都心ターミナルというには少々心許ないような…
更に京成本線の線形が悪く、高速運転に向きません。
スカイライナーは、利用者が減っているのだそう。
これに対し、青砥で分岐の押上線は墨田区内が既に高架化済、現在は葛飾区内で高架工事が鋭意進行中です。
押上線から都営浅草線を経由して東京駅に連絡するルートも考えられましたが、肝心の都営浅草線がこれまた高速運転に向きません。
そこで出てきたのが、前述の都心直結線構想です。
押上線同様、京急も品川付近で大きく変わりますから、両空港を短時間で結ぶ高速電車を運転するには都合が良いと言えるでしょう。
しかし、現在この構想は旗色が思わしくありません。
整備費用もその理由として大きいのですが、それに加えて、かつての内際分離の時代と異なり、成田も羽田も国内国際とも運航している現在、両空港を連絡する需要がどれだけ有るのか?というのが大きいそう。
また成田は羽田より遠く時間がかかる為、敬遠されがちで、立ち消えとなる気配が濃厚です。
しかし、今さら羽田の国際化や成田の距離云々が出てくるくらいなら、何故国際空港を成田に押し付けたのか?
最初から羽田の拡大で行えば良かっただろう!
と言いたくなります。
その為にどれだけの騒乱が続いたのか言うまでも有りません。
それでも利用者が見込めなければ、事業として成り立たないから仕方無いという考えも有るでしょう。
しかし千葉県北西部、つまり船橋や市川ですが、人口減少の今においても人口増加中です。
そして総武線は快速慣行とも混雑が酷い路線の一つ。
東西線も同様ですし、京葉線や北総線は総武線のバイパス線とするには離れています。
ならば京成が有る!と言いたいところですが、京成は都心側のターミナル位置に難が有り、京成とJRの駅が近い船橋にて、多くの人が総武線に乗り換えています。
新東京駅まで京成が直通すれば、JR東京駅や大手町駅が隣接しており、かなりの人がこちらに流れるのでは?
東京都(つまり都営地下鉄)も京成も事業性から二の足を踏んでいるそうですが、浅草線のバイパスとしての都営地下鉄路線ではなく、国がインフラを保有して京成と京急が運営する上下分離とすれば良いのでは?
都内とは言え、都交がやらなければならない訳でもないでしょう。
何故、都心直結線構想は空港アクセスの文脈でしか語られないのか?
東京南北の通勤輸送改善はずっと行っているのに、何故千葉の通勤輸送改善は無視するのか?
コクテツは、千葉県の輸送改善はなにがなんでもやらないようですから、コクテツばかりに頼らず、このルートで少しでも楽に通勤出来るようになれば…と思います。
尤も、たとえ整備が決まったとしても、私が通勤で恩恵受けられる間に出来るとは思えませんが…
そして本来の目的空港アクセスも、成田と羽田を移動する需要は少ないかもしれませんが、成田から東京駅、またその逆へ向かう人は多いでしょう。
バスの方が安価とは言え、定時性が高く、日暮里や上野ではなく短時間で東京駅から行けるなら、利用する人は少なくない筈。
なにしろ、乗り遅れたら1本後の航空機で良いや…とはなかなかいかないでしょう。
JRが構想している羽田アクセス線の優先度が高いらしいですが、今でさえ事故などの際に混乱が拡がり易いのに、運転系統が増えればそれが更に拡がるのが目に見えています。
東京近郊のあちこちから行けて便利そう…という見かけに踊らされていないか?
また、安易にバスばかり増やすのも如何なものか。
バスと鉄道では輸送力に大きな差が有り、バスのルートとなる湾岸道〜東関道はそんなガラガラの道という訳ではありません。
渋滞が増えるばかりで、千葉県民にとっては空港バスが増えて良い事は全く有りません。
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