知人のMさんは90歳。
若いころに離婚をして、長年働きながら一人暮らしをしてこられた気丈な人である。
たった一人の娘さんは、アメリカ人と結婚し長年のアメリカ暮らし。
年老いた母親が心配で、時折帰国して母親のもとでしばらく過ごす。
先日のこと。
Mさんは、いつものように仏壇に向かって蠟燭に灯をともそうと、マッチを擦った。
そしてそのマッチの燃えカスを、こともあろうにそばの屑籠に捨てたのだった。
しばらくして屑籠から煙が立っているのに気付いた娘さんは、慌てて火を消した。
少し前から認知症らしき様子は見えていたそうだが、老人ホームには行きたくないと
頑として今まで通りの暮らしを選択したのだった。が、さすがに今回はご自分から
ホームに入る、といったそうである。
Mさんは、とても社交的で、友人が沢山いて、昔から読書好きで知識も豊富で
話していて実に楽しい人なのだが、そういえば最近、話が堂々巡りするようになった。
こんなMさんでも認知症になったりするのかと、うすら寒いものを感じる。
私は大丈夫!なんて言えることではない。
他の病気は致し方ないとしても、認知症だけは避けたいものだ。
何とか、未然に防ぐ手立てを高じなければ・・・。
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