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2016年11月13日01:17

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映画「この世界の片隅に」ちょい感想

 のん(能年玲奈)が主役の声を勤めた、片渕須直監督のアニメ映画「この世界の片隅に」を見ました。泣ける映画だと思います。渋谷のユーロスペースで見ましたが満席。上映後は、あちこちからすすり泣く声が聞こえてきて拍手が起こりました。
 舞台は昭和初期から戦後の広島。絵を描くのが好きな、少しどんくさい女の子が主人公。時代や環境は成長していく彼女に、早く大人の役割(一人前の妻になる事)を担わせようとし、彼女もそれに応えようとするが、どこか少女の心を捨てきれないジレンマを、明るく、面白く、時には少し苦く描いている前半。戦争が彼女たちの前に立ちはだかり、彼女たちの日常の暮しや、正常な精神までも奪っていく後半は、登場人物だけでなく観ている観客も心苦しくなってきます。そして泣けるラストに繋がっていく。
 当時の資料を相当調べたであろうと思わせるリアルな風景や人々の描写、それぞれの場面に凄くマッチして印象深いコトリンゴの音楽の数々、そしてこの主人公の人生や性格を体現できるのはこの人しかいないと思わせるのん(能年玲奈)の声、これらが見事にマッチした出来となっています。
 能年玲奈が過去に出た作品で例えると、主人公は「グッモーエビアン」に出てくる、能年自身が演じた「ともちゃん」がタイムスリップして広島に移動した感じかな。そのともちゃんの成長記みたいな感じがしました。終盤「ひまわり」で能年が演じた、沖縄の基地問題で揺れる少女の顔になる場面がありつつ、全体を振り返ってみると、様々な人々と出会いながら、次から次へと襲い来る困難に、自分らしさを忘れず前を向いて立ち向かっていき成長していった天野アキのような爽やかさが、主人公の少女に感じられ、そこが泣けるポイントの1つかなあと勝手に想像したのでした。
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