箱舟の寄港先

■極北の島「種子の箱船」　８７万種、ノルウェーに貯蔵庫
(朝日新聞デジタル - 12月09日 01:29)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3750740

以前、ドキュメンタリー映画で、フィンランドの「オンカロ」ってな、原発から出る核のゴミを10万年以上、安全な（かどーか）地下深くに封印する施設を100年掛かりで、こさえてるのを観たが、高福祉の北欧諸国って、やっぱ、かような取り組みが多いよなあ。

で、これまた、映画の話題なんだが、「MADMAX怒りのデス・ロード」では、種籾を持った老婆が、核戦争後の荒廃した世界で、「これが育つ場所を探してるのよ」って描写が有った。

但し、地球が汚染されるのは、「別に、核ミサイルだけとは限らねえ」ので、今宵はこの辺りを一席と。

実は種子バンクってのは、各国それぞれに所有してる。但し、最近は「戦争で、破壊される」なんてえケースも起きてるので。

有名なのは、米軍が完全破壊した、「イラクの種子バンク」だった。因みに彼の国は「中東で最も多品種のナツメヤシの栽培国」だったそーな。

代りに、畑に撒かれたのは、米国モンサント社製のラウンドアップって、強力な農薬だ。てか、これを撒かれた土は、「以後、遺伝子組み換えの作物以外は、殆ど育たねえ」とされる。

新たに、撒かれるのは所謂「ターミネーター種子」な。勿論、最初は「復興への無償提供」さ。但しこの種子は「一代限り」さ。詰り、果実や実とかは収穫出来るが、種や実を植えても育たねえ。

だから、それを植えた農家は、「永遠に、米国製の種子を、相手の言い値で、買い続けるしか、選択肢が存在しねえ」と為る。

まるで、麻薬ビジネスと代らん。遣ってるこたー「ジャンキーにされた人に、法外なカネでシャブを売り付ける」のと同じ手口なんでな。

農薬もどんどんグレードアップする・・・自然ってのは対応性も高いし、自己浄化作用も有してる。どんなに強力な農薬撒いても、それに抗して、雑草も逞しく為るらしい。

現実に、インドとか、米国の農業産業と個別通商契約結んだ国では、借金塗れにされた自営農家の自殺が激増してるからね。

彼等の土地は、奪われ、やがて統合され、巨大プランテーションに変貌するかも知れない。そこで薄給で苛酷な労働に従事させられるのは、「自殺した自営農家の子供達」だったりする。

・・・この構図、どっかの国でも類似してねーか？

俺は、米国からの要請で、「大店法を廃止し、派遣法を無制限に拡大した小泉の改革」を思い出すよ。結果、駅前の商店街がシャッター通りと化し、自営業者の子供達の多くが、郊外の大型店やコンビニとかの、不安定で何時でもクビに出来る、パートとかの非正規雇用に追い遣られたので。

翻って、今回のTPPだよな・・・因みに米国国内では、遺伝子組み換え食品の表示義務も、それが齎す人間への健康被害に関する調査や研究や取材も、「全部禁止」だ。

理由は、「連中は、株式会社なんで、株主総会以外に、米国民への情報開示は、企業機密と個人情報の開示同様、一切その義務は無い」らしーが、こいつは、誰がどー観ても「狂ってる」よなあ。

大洪水を生き延びた箱舟が、せっせと大地に植えた種子が、果たして芽吹くのか・・・俺は「可能」だと思う。「人類はそこ迄愚かではねー」と思ってるのでな。

市井の人はもっと、かような「資本の側の、野蛮な略奪とは無縁に、日々を生きる権利が、絶対に存在してる筈」だ。それだけは、蟷螂の斧でも、誰かに伝えてーのだからさ。