生徒さんのお稽古をこなしていると、一日があっという間に過ぎる。
そして心地よい疲労感で眠りにつく。
この繰り返しだけれど、週二日の稽古休みはとてつもなく長い。
時に買い物に出たり、病院に行ったり、美容院に出かけたり・・。
そして残る時間をもてあます。
夫が亡くなって11ヶ月が過ぎようとしている。
涙することもあまりなくなった。
忙しさにどれだけ救われたか・・仕事を持っていることは本当に有り難い。
「もう、大丈夫。この悲しみも克服できた・・」
ある日、テレビをつけると流れてくるクラシック音楽と、映し出されるオーケストラの面々。
とたんに私の胸は苦しくなり、涙があふれた。
あの華奢な体に音楽をみなぎらせて暮らした生涯。
まだその音楽と別れたくなかったであろう夫の心を思うと、胸をえぐられるように、辛い。
私は、まだクラシックを聴くことが出来ない。
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