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2014年06月28日17:24

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『善き人』

映画『善き人』を観た。

(2008年 英=独 監督:ヴィセンテ・アモリン
出演:ヴィゴ・モーテンセン ジェイソン・アイザックス ジョディ・ウィッテカー スティーブン・
マッキントッシュ マーク・ストロング ジェマ・ジョーンズ アナスタシア・ヒル)

ヴィゴ観たさに、何気なくレンタル。

【 ヒトラーが独裁政権を築いた1930年代のドイツ。ベルリンの大学で学生を教えるジョン
(ヴィゴ・モーテンセン)は、病に伏す母親を助け、自分の家庭では家事をこなす献身的な
人間。そんなある日、自分が執筆した小説を読んだヒトラーが彼をナチス党に呼び入れる
ことを決める。しかし、過去に戦争を戦い抜いた友人でユダヤ人のモーリス(ジェイソン・
イザックス)のことが頭をよぎり…。(シネマトゥデイより)】

原作は、英国の劇作家、C.P.テイラーの遺作舞台劇。

ドイツの物語なのに、言葉は英語。イギリス映画なのね、この作品。うーん、時々あるけど
やっぱりなんか違和感を覚えちゃうのよね〜。

原題は『Good』。主人公ジョンは、善き人、というよりは普通の一市民という感じ。
ただ、彼は時代に振り回されただけなのだ…。

大学教授として学生を教えながら、介護を必要とする母と、精神を病んだように見える妻の
面倒をみて、子どもたちを育て、家族の食事の支度をするジョン。暮らしはもう一杯、一杯。
そこへ、ナチスから条件のいい仕事が舞い込んだ…。

断れないよね。ひっ迫する生活と、家事、介護に追われる毎日。彼はその仕事を受けた。
その一方で、教え子を愛人にする色男ぶり(笑) どこか、現実逃避したかったのかしら。

ジョンの親友、モーリス。彼はユダヤ人で、ナチスによる迫害にあっていた…。

親友を助けたいと思いつつも、ままならない。どこか弱いようなジョンの行動に、少し
イライラしながら展開を見守ったが…。

フォト


ヴァイオレンス系の作品で観ることが多かったヴィゴ・モーテンセン。
こういう繊細かつアクションなしの普通の役もなんだか素敵よね〜。

モーリス役のジェイソン・アイザックスは、『ハリポタ』シリーズのルシウス・マルフォイ役
だった人だそうだ。うっ、顔を見てもピンとこないや…。

旦那が「映画を観ると、ドイツ軍がいかに“記録魔”だったかということがわかる」と言っていた。
なるほど『カティンの森』などを観ていても、そういう感じ、あるよねぇ。
そしてこの作品ではドイツ軍の詳細な“記録”が物語の鍵となる。

流れのままナチス党員となったジョン。彼は愚かだったのか?この時代の混沌とした状況の中、
彼を責めることなどできない。彼に救いを求めるユダヤ人のモーリスにとって、ジョンは唯一の
よりどころだったのね…。

ラストシーンの長回しが虚しさと切なさを誘い、バックに流れるマーラーの交響曲がナチスに
翻弄された彼らの運命を歌いあげていた。

あの時代のドイツではよくある話だったんだろうな。
そういう意味では、当時の状況がよく分かる繊細な作品といえると思う。 

ただ、ヴィゴ渾身の一作だとは思うけど、同じようにドイツを描いた「善き人」つながりなら
『善き人のためのソナタ』の方がより面白かったかも…。



『カティンの森』
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1927059501&owner_id=3701419
『善き人のためのソナタ』
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1085883540&owner_id=3701419
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