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7月に、美唄名物「とりめし」を茶志内の店「しらかば茶屋」で食べた。
美唄名物「とりめし」の歴史をたどっていくと、「中村のとりめし」に行き着く。
中村というのは、美唄市の西端、石狩川沿いの地域だ。
かつて、中村地区に入植して、水田を開墾してきた先人達は、暴れ川の石狩川の度重なる水害に悩まされていた。
農地が被害を受けることも多く、収穫できない年でも最低限食べていけるよう、副業としてニワトリを飼っていたようだ。
来客や冠婚葬祭の際、ニワトリをつぶして振る舞うことが多かったらしい。
貴重な鶏だから、臓物も捨てるようなことはしない。
生産している米は備蓄してあるわけで、自然と臓物も入れて炊くようになり、いつしか「中村の家庭料理、とりめし」として知られていく。
ただ、中村地区には飲食店がなく、長らく「中村のとりめし」を食べることのできる店もなかった。
この「中村のとりめし」をアレンジして、何十年も前から提供し、美唄市民に愛されてきたのが7月に食べに行った、中村出身で茶志内に店を構えた「しらかば茶屋」だ。
その後、元祖の「中村のとりめし」について、数年前に美唄市農協中村支所の婦人部員達がNPO法人「エプロン倶楽部」を立ち上げ、「中村のとりめし」を炊いて、売るようになったということが分かった。
これが好評で、美唄名物としてブレイクしつつあるらしい。
そこで、今回はこの「中村のとりめし」を買って、昼飯にしようと考えた。
先週土曜日、26日は小樽に泊まっていて、夜までに釧路へ帰れればよかった。
それなら、今回は「周遊きっぷ(札幌・道央ゾーン)」があるわけだし、美唄まで行って、昼飯にこの「中村のとりめし」を買ってから釧路へ帰れよいではないか。
美唄に着いて、常時「中村のとりめし」を販売している、JA美唄市のAコープに立ち寄る。
「中村のとりめし」販売コーナーでは、弁当のほか、パーティー用大盛りパックのほか、「とりめしおにぎり」や「とりめしのおこげおにぎり(この日は売り切れ)」まで売られていた。
これは悩むな。
結局、昼飯用に「とりめしおにぎりセット(5個入り、560円)」を買ったほか、賞味期限は当日限りではるが、翌朝の朝飯くらいまでならたぶん大丈夫だろう、「丸弁当(460円)」も買った。
ついでに、とりめしとは関係ないが、美唄やきとりの「福よし」のやきとりセット(精肉2本ともつ3本で450円)と、角屋の「美唄やきそば(1食105円×3食)」まで買ってしまい、まるで「買い出しツアー」になってしまった。
リュックが重くなったが、美唄から乗った札幌行き特急の車内で「とりめしおにぎりセット」と「福よしのやきとりセット」を食べた。
「中村のとりめし」は、上品にアレンジした「しらかば茶屋」のとりめしとは違い、たまねぎすら入っておらず、鶏しか入っていない。
その代わり、色んな部位が適度に混ざっていて、シンプルだが歯ごたえもよく旨い。
これもいいな。
お店で食べるなら「しらかば茶屋」、弁当なら「中村のとりめし」で正解だったな。
リュックは軽くなったし、おいしくてお腹一杯になって大満足である。
美唄はおいしい!
翌朝、持ち帰った中村のとりめしの「丸弁当」を朝飯に食べた。
パッケージを開けたら、腹から出てきた卵の黄身、「キンカン」も入っており、何だかトクした気分だ。
賞味期限を半日過ぎたが、問題なくおいしくいただいた。
細かく切り刻まれて炊き込まれた鶏もつの食感がいい感じで旨かった。
【おまけ】
実は、今回売り切れだった「とりめしのおこげおにぎり」は、7月に下見に寄った際に買って、そのときに食べている。
おこげだから具はほとんど入っていないが、その分安くて(2個で210円、普通のとりめしおにぎりは262円)、これも旨い。
運がいいときしか買えないが、あれば買って帰りたい「おこげ」のおにぎりである。
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