湊家の休日

今年は本当にいいニュースがないな。

・学校の怪談

90分にギュッと詰め込まれた多彩なオバケたちは賑やかで観ていて楽しいが、無人の小学校校舎のガランとした寂しさ、響くのは自分だけの足音。子供の頃に誰もが感じていたそこはかとない不安感があり、子供向けでユーモラスながらホラーとしてもしっかりじんわりした怖さもある。VFXで表現されたオバケたちはどれも強い印象を残し、中でもラスボスの力の入れっぷりは遊星からの物体Xもビックリの夢に出そうなインパクト。出番は一瞬ながら口裂け女のガチ感も格が違う。
また子供たちの造形、演技が本当に秀逸で、いかにも絶妙なクソガキ具合が本当にあの日に戻ったかのようなノスタルジーと夏の匂いを呼び起こす。
子供が観ればビックリ箱のようなわちゃわちゃした楽しさを、大人には懐かしさと怖さの原体験を味わえる傑作ジュブナイル。

・G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ

プロットは最高、キャラもキャストも期待できる。アクション監督は「るろうに剣心」の谷垣健治と素材は粒揃いなのに、ボリュームが少ないうえ大半が暗くカットもアングルも見づらいアクション、数が多い割に見せ場の少ないキャラたち、シリーズに期待していた厨二ガジェットの物足りなさ、イコ・ウワイスの無駄遣い、そもそもスネークアイズが大して強くないという、タイトルに期待する要素がまるで物足りない省エネ作品。ヘンリー・ゴールディングは好きな役者だし頑張ってはいたと思うけど最後まで未熟なままなのはなあ...
男2人の歪んだブロマンス&愛憎劇はとても好きだし、トミーもマスター達もサマラ・ウィーヴィングもカッチョいいし、クライマックスの横並びはそりゃもう最高に爆上がりだし、本当に日本ロケを敢行しただけあり我々に馴染みのある風景と、ハリウッドお得意の変なニッポンと怪しい日本語の混ざり合ったヘンテコぶりは存分に堪能できるし面白い要素だらけなので、アクションのボリュームを増やして、見やすくしてくれるだけでだいぶ化けたと思う。惜しい。
目に悪そうという点では映画史に残るイカれたエンドロールは必見(配信のせいかstealth diveは流れませんでした)。