共に生きる

母がヘルニアの手術でいささか急に入院することに。

・ジュラシック・ワールド　新たなる支配者

シリーズ3作品に渡る壮大なマッチポンプ、解決しないまま完結-
旧3作と併せ5作品分から膨大なオマージュとレジェンドたちの再登場、新旧世代と更に先の世代が協力してコトにあたる展開は胸熱のはずが、やはり前作、前々作の元凶が2人ともこちらにいるせいで、ドヤられても今ひとつ乗りきれず。出自と齢を思えばメイジーは酌量の余地もあるがクレアには「ディープ・ブルー」のヒロイン並の退場をずっと期待してしまった。更に敵も味方もバカばかりで自ら次々とピンチを招く始末。一人気を吐くラムジーの有能っぷりがなければ3回は全滅してた。
単なるモンスターパニックとして見ても多彩な恐竜と撮り方に工夫は見えるものの「まあまあ面白い」の域を超えず、人間に操られるだけの恐竜たちには脅威も恐怖も感じられず。ほぼ主要キャラ出ずっぱりで、主要キャラは死なないのがわかりきっているので緊張感も今ひとつ。肉食竜同士のバトルも動きにバリエーションが作りにくいのだろう、ワンパターンになりがちのところを3つ巴にして変化をつけたが、あっさりフェードアウトしてしまいワールド1のクライマックスのような意外性も興奮も得られず。
何より完結作でありながらシリーズを通して語ってきた生命倫理、人間社会のあり方については申し訳程度のオープニングとエンディングを除き触れられず、攫われた子供を助けるというパーソナルな物語に終始してしまったのが最大の不満。恐竜も世界の脅威か悪の資金源でしかなく、「前作で全滅すべきだった」と思わせてしまう描き方しかされていない。新たなる支配者って誰やねん。間違いなくシリーズワースト。
あ、イナゴの描写自体は良かったのでこれだけでパニックホラー一本作ってくれないかなあ。

・地獄の花園

バカリズムらしくまあまあ緩いコメディの中に、ちゃんとヤンキーものの熱さもある。タイマン張った連中が仲良くなってわちゃわちゃしてるのも好き。可愛らしさが隠しきれない女優陣の中にあって、大島さんは言うまでもないが広瀬アリスの目の据わり方が良い。殴り合いの喧嘩などした事がないであろう女優さんたちでもアングル、効果音を有効活用して、やってる感満載ではあるがそれなりに見られるバトルになっているのは好感。特にラストのロッカーでのタイマンは閉所や障害物をうまく利用した工夫が効いていてアクションものとしてもよく出来ていた。アクションも出来ると聞いて期待した川栄李奈はちょっといただけないくらいキレも力強さもなくむしろ主要陣の中ではワーストだったが。ところどころダラダラしてる部分もあり、小池栄子ならずとも中盤の乱闘は「いつまでやんの？」感が強い。ボロボロの菜々緒はセクシーだけどね。
コメディ部分も、元々バカリズムのオフビートな笑いは好きなほうなので爆笑とはいかずともまずまずニヤニヤしながら見られた。時々バラエティ然としたパネルやらテロップが入ってくるのは嫌だったが。
中盤、実は永野芽郁が最強だった、という流れは広瀬アリスの株を落とし、そこまでが茶番になってしまう感が強すぎるのがダメだと思ったけど永野と広瀬のこじれた関係に繋がるのに感心。と思ってたらラストの水をさす男とのくだりで本当に全部茶番にしてくれて台無し。永野が広瀬に比べて圧倒的にキレがなく説得力が無いのがなあ。
存在感は抜群なのに扱いが宜しくない小池栄子と遠藤憲一ももう少し活躍させても良かったかな