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2022年05月17日03:19

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「助命と宿命」

 NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の第17回に関して。

 主人公である北条義時(小栗旬)が権力をめぐるダークサイドに身を投じた瞬間がここで描かれていました。源頼朝(大泉洋)は、木曽義高(市川染五郎)についてこう命じます。
「(木曽)義高を討て。3日やる」
 気がすすまない義時でしたが、逆らうことはできません。そのとき義時を映すカメラは手持ちになり、そのぶれる演出が揺れ動く義時の気持ちを表していました。結局は木曽義高は名を上げようと息巻いていた藤内光澄(とうない・みつずみ,長尾 卓磨)が首をはねたのですが。史実では頼朝は義高の助命を懇願していた妻の北条政子(小池栄子)の怒りに押され、藤内光澄を処刑したのですが、三谷版では行き違いから藤内光澄が処刑されてしまうという演出に書き換えられていました。藤内光澄は「なぜだー!」と叫んで生涯を終えました。
 このときの経験(元暦元年4月26日)と、それに続く武田信義の子・一条忠頼の誅殺(同年7月25日)が義時をたんなる頼朝の側近という立場だけだったことから、一歩を踏み出させたのでありましょう。権力につきまとう恐ろしさと、その裏腹の魅力にも開花させられたに違いありません。これはやがて頼朝の死後に起こる「牧氏の変」という事件に義時がどう対処したかに、つながろってゆきますが、それを言及することはネタバレになってしまいますのでまたその時に。
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