実家の明治時計が停止したと云う。
戦後の時計なので古くはありませんが
温泉宿や学校の廊下なんかに在りそうな
高さがゆうに１ｍを越える大型柱時計です。
動かなくなってしまえば
通常の粗大ゴミより処分方法に困るゴミと化してしまいます。
また、コチコチと時を刻むボンボン時計が止まってしまうとは
何だか悲しいモノです。
居間の目立つところに在る大時計が死んでしまっているとあっては
年老いた両親にとっても薄気味悪い事でしょう。
これはイカンと早々に駆け付けました。
診ると、振り子をぶら下げる
振り竿が切れかかっていて、
振れると切れ落ちてしまいました。
さて、全てが機械で動作するボンボン時計。
仕組みは簡素で動作原理の理解は比較的容易ですが、
その保守部品の調達となると容易ではありません。
今どき、こんな時計を使っている人は在りませんし、
製造元だった名古屋の明治時計株式会社 自体も無いでしょう。
この、振り竿 とは
鉄棒の片端を叩いて薄いバネ板状にした部品で、
振り竿止めに挟まれて、吊り下げられ、
振り子動作の支点になります。
ゼンマイの動力のテンションが掛かった
鮫の歯の様なガンギ車が回転するのを、
突っかえ棒の如く「ム」の字の形をしたアンクルの２つのゲタ歯が
アンクル軸を中心に左右に往復運動し、
これと共にアンクル竿とその先端にある□の形の輪っかが左右に振れ、
この輪っかを貫通させた振り竿が左右に振られて振り子が動く。
訳なのですが、
今回は振り竿の、振り竿止めに挟まれた部分が折れる様に切れたのです。
材質が鉄ですし、テンションの掛かる部位ですから
接着剤で補修と云う訳には参りません。
何か加工が容易な薄い金属片で継ぎ足しができないか検討しました。
まぁ、シロートながら、こういうのは嫌いではありません。
松下時計 ボンボン時計修理
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銅では柔らかすぎ、そうだアルミがいい？！
で、ジュースのアルミ缶の利用を考えました。
で、アルミ缶の調達ですが
三ツ矢サイダーなら安いだろう。
とスーパーに向かって歩いていると
たまたま自動販売機の横に投棄されていた
エナジードリンクのアルミ缶を発見。
コレだっ！
早速それを拾って持ち帰り
(オヤジの私には恥ずかしい事などないのです。)、
水洗いしました。��
指を切るといけませんから軍手をして
金切りばさみで板片を切り出しました。�↓�
振り竿の部品を分解�き�
切り出したアルミ板を加工��
振り竿止めに挟んで落ちない様にストッパ代わりに
真鍮のワイヤーを貫通させワイヤリング。��
エナジードリンク缶から切り出したアルミ板で
補修した振り竿の全景。��
振り竿を振り竿止めに挟んで固定。��
ムーブメントを窓枠に於いて
正常に振り子が動くまで
アンクル竿や振り竿の曲がりを微調整。��
本体ケースへ組み込み、文字盤を嵌め、針を付けて補修完了。
また元気に働いてくれると嬉しいです。
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