言い切っていいなら、松田華音のためのコンサート。若いって素晴らしい。
大阪 NHK大阪ホール
NHK音楽祭〜未来へ〜
飯森範親指揮 日本センチュリー交響楽団
(客演コンサートマスター ��谷 直人 )
ピアノ:松田華音
ボロディン/歌劇「イーゴリ公」から ダッタンの娘たちの踊り、ダッタン人の踊り
シチェドリン/ピアノ協奏曲 第1番
リムスキー･コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」
ショパンコンクール１位のブルースリウをはじめとして、今をときめく若いピアニスト5人を各地のオケと競演させるという企画(
https://www.nhk-p.co.jp/event/detail.php?id=1676)。ショパンコンクールが終わってからブッキングしたのか、その前から予定されていたのかわからないが、絶妙のタイミングでの東京公演(オケはn響)はものすごかったんではないかと想像するが、曲目的にはダントツに大阪が魅力的。こんな曲を選ぶ松田さんのピアニズムがどんなものかにも興味津々。
そんなわけで、時間が取れたこともあって、急遽やってきました。ほんとに久しぶりのNHK大阪ホール。
結論から言うと・・・いやああああああああ、すごい演奏。「超新星の輝き」と評するに躊躇ない、ソビエトモダニズムの楽天的法悦感の炸裂。その圧倒的なエネルギーに、文字どおり「圧倒」されます。
松田さんのピアニズムは、まさに「鋼のヴィルトゥオーゾ」。3管12型のオケがフルヴォリュームで鳴っても、それを跳ね除けて朗々と響く、そのピアノの音のものすごさ。しかも、1音1音がしっかりと表情を持っていて、決してうるさくないんですよ。歯切れのいいタッチは小気味よく、それがアクロバティックに縦横無尽に駆け抜ける様の、なんとも言えない「快感」。
シチェドリンの若書きのこのコンチェルトは、僕がよくここで書くところの「ロシアB級音楽」の魅力がいっぱいで、それをここまで徹底的にやってもらえるなんて、まあなんて幸せなんでしょう。4楽章なんて、ほとんど「アニソン」か「ゲーム音楽」。楽しいことこの上なく、それを本当に楽しそうに弾く松田さんの何と魅力的なこと！
アンコールで弾いた、おそらくはモダン・ロシアもの(曲目はわからなかったけど→ ハチャトゥリアン：組曲『仮面舞踏会』よりギャロップと判明)と思しき作品も、この人のキレッキレのピアニズムが横溢。いやああ、またすごい人が出てきたもんです。
センチュリーのバックアップも、キレッキレで、すごい演奏だったと思いますねえ。シチェドリンを挟む前後二曲も、各トップ奏者の熱演で結構魅力的な仕上がりでした。ただ、難をいうなら、シェラのヴァイオリンソロが何ともよそよそしかったこと。客演の崎谷さん、調子が上がらなかったのか、気分が乗らなかったのか・・そこら辺はよくわかりませんが。
12月19日、Eテレで放送されるそうです。
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