mixiユーザー(id:18013379)

2021年10月23日21:22

103 view

6六角から7五角の構想


 結果はともかく、豊島竜王が序盤で放った、角を飛車にぶつけて、「7五角」と受けた手は、将棋を始めたばかりの初心者が先を読まずにやってしまい、ぼろ負けする手順。
 現代の将棋の第一人者が指した手順でなければ笑い飛ばされても仕方のないものだったが、おそらく壮大な構想があったのだろう。ただ、研究不十分だったようだ。
 特に、後手番の藤井三冠が飛車を5四に回って中央突破を目指した手で、明らかに先手が指しにくくなった。この辺の課題を早々に解決して、またこの戦術を使ってくると面白いな、と感じた。
 藤井三冠の切れの良さは、この飛車を中央に据える手と、「9七桂不成」のコンビネーションで生み出された。たぶんこの手で豊島竜王がしびれてしまったのだが、藤井三冠の強さは常識を覆すような駒の使い方によるものが大きい。
 今まで積み上げた経験では、そうそうに読みを打ち切ってしまうような手順を深く読み込んで、時には「AI越え」とまで言われるような手を放ってくる。

 勿論、対局の場で読む、その何十倍もの手順を日常的な研究の中でやっているからこそ生まれてくるものなのだが、その努力の積み重ねの過程で豊島竜王が押されてしまっているのが現状だろう。
 今朝はとても寒かったし、それで調子がでなかった。みたいなことはあるかもしれない。

 将棋は勝ったり負けたりのゲームだから、一戦の結果をもってどっちが強い、と言えるものではないのだが、藤井三冠の勝率は8割を超えていて、

 「勝ったり負けたり」

 ではなく、

 「勝ったり勝ったり勝ったり勝ったり負けたり」

 なんだよね。
 強すぎる。

 やはり、全盛期の羽生善治とやったらどうだったか?
 という興味はある。
 順位戦でまだB級の三冠が、来年A級に上がれば、名だたる棋士との直接対決がさんざん見れるようになる。先々の楽しみは多い。

 --------------------------------


■藤井三冠が2連勝=対豊島、通算で勝ち越し―将棋・竜王戦
(時事通信社 - 10月23日 17:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6713753

 将棋の豊島将之竜王(31)に藤井聡太三冠(19)=王位、叡王、棋聖=が挑戦する第34期竜王戦7番勝負の第2局が22日から京都市で指され、23日、後手の藤井三冠が70手で勝ち、2連勝とした。第3局は30、31日に福島県いわき市で指される。

 第1局に続き、第2局も流行の「相掛かり」の戦型となり、1日目から藤井三冠が優位を築く展開に。2日目も隙のない手厚い攻めで豊島竜王を圧倒した。十代初の「四冠」達成まで、あと2勝。豊島竜王に4連勝で、通算でも10勝9敗として初めて勝ち越した。

 終局後の取材に、藤井三冠は「あまりスコアを意識せずに、次も良い体調で臨めるようにしたい」と語り、豊島竜王は「本局は一方的になってしまったので、まずは内容を良くできるようにしたい」と話した。 
2 5

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する