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2019年12月15日15:57

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ラヴクラフトの怪物たち 下

クトゥルー神話アンソロジー二分冊の下巻。
●トマス・リゴッティ「愚宗門」
新時代の「銀の鍵の門を超えて」と云えそうな㑅品。
●ケイトリン・R・キアナン「禁じられた愛に私たちは啼き、吠える」
ギルマン家のお嬢様(深き者の血を引く)とはぐれグールの出遭いを瑞々しく描いている。
●ジェマ・ファイルズ「塩の壺」
詩。祖先の遺したものを発見した深き者の血を引く人物の行いと逡巡が、短い中に籠められている。
●ハワード・ウォルドロップ&スティーヴン・アトリー「昏い世界を極から極へ」
フランケンシュタインの続篇だが、それだけでなく文学クロスオーバーの趣の有る作品。
パロディSFとして前に讀んだ憶えが有る。
●スティーヴ・ラスニック・テム「クロスロード・モーテルにて」
邪神と思しき存在の血を引く男の覚醒の時を描いたホラーと云うよりは主流文学に近い作品。
●カール・エドワード・ワグナー「また語りあうために」
黃衣の王をテーマにした作品。只、この先の不安だけが増し直接事件が起こらないのが良い。
●ジョー・R・ランズデール「血色の影」
音楽もののハードボイルド・ホラー。
●ニック・ママタス「語り得ぬものについて語るとき我々の語ること」
人類が劣勢の終末旳世界で洞窟に避難する三人の男女の短い物語。
ショゴスって放射能、平気なのか。
●ジェマ・ファイルズ「腸卜」
グールに成り掛けている主人公の不安と期待を描いた詩。
●ジョン・ランガン「牙の子ら」
ラヴクラフトのNameless Cityに材を取った作品。
主人公たちの描写も含めて何とも救いがなさ過ぎるのがポイント。

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