皆様、お今晩は。原田マハさまの『太陽の棘』文春文庫刊を昨日読了致しました。その感想です。
終戦後の沖縄。米軍の若き軍医・エドワードはある日、沖縄の画家たちが暮らす集落。ニシムイ美術村に行きつく。警戒心を抱く画家たちだったが、自らもアートを愛するエドは、言葉、文化、何よりも立場の壁を越え、彼らと交流を深める。だがそんな美しい日々に影が忍び寄る……。
原田マハさまの中で同じく文春文庫から出ている『モダン』同様、何でもっと早く読んでおかなかったんだと後悔した一冊でして、これを読んでさえいれば2018年2月24日〜4月15日迄板橋区立美術館にて開催されていた「20世紀検証シリーズ No.6 東京⇆沖縄池袋モンパルナスとニシムイ美術村」の展示は絶対に行っていたのにと後悔しております。
原田マハさまの美術を題材にした小説は大概読んできたつもりですが、本作は米軍占領下の沖縄を舞台にして実在の人物から直接取材をしてその話を元に構成されているだけありまして、他の作品では見られないような残酷な描写があるのですが、それでも目を背けてはいけない現実がそこにはあったのであります。
本作品、『楽園のキャンバス』、『暗幕のゲルニカ』、『リーチ先生』と並んで原田マハさまの代表作の一つになるのではないでしょうか?
https://books.bunshun.jp/sp/taiyo
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