愛と勇気だけが友達

元号が令和と変わった今の時代では考えられない事ですが、
昭和の昔にはオトナ向けの【お色気番組】というのが
普通に地上波で流れていました。


さすがにゴールデンタイムには流せないので
深夜にやっていたわけですが、当時の子供たちは夜中にこっそり、
その手の番組を見たなんという事もあったんじゃないかと思います。
そういう番組は明らかに【子供に見せたくない番組】に入っていたわけですね。


安心して子供に見せられる番組のひとつに【子供向けアニメ】というのがありますが、
その筆頭と言ってもいいのが【アンパンマン】じゃないかと思いますね。
ところが今、この正義のヒーロー【アンパンマン】に、
かつてないピンチが訪れてるんですね。


というのも、このアニメというのは、
主人公のアンパンマンが悪さをするバイキンマンを
【アンパンチ】でやっつけるというのがお約束になってますが、
この場面を見た乳幼児が『暴力的になるのではないか？』と
心配する親の声がネット上で見られるようになりましてね。


要するに『アンパンチでバイキンマンをやっつけ
【めでたし、めでたし】とする話の流れが、
暴力で物事を解決する事をよしとする考え方を、子供たちに植え付けはしないか？』
という議論が巻き起こってるんですね。
アンパンマンも、とんだ災難ですよね。


「アンパンマンがダメなら、戦隊ヒーローシーリーズなんか最悪だな」
「そうそう。アンパンマンは素手っで殴ってるけど、
戦隊の連中は剣や銃などの武器を使ってるからな」
「しかも、怪人一人を五人で袋叩きにしてボコボコにしてるからな・・・
あれはイジメ以外の何物でもないよ・・・」
確かにそうですけどね。


アンパンマンに問題があるというのなら、アニメ制作会社では、
アンパンマンに変わるキャラクターを作ろうという会議が開かれるんじゃないですかね。


「アンパンマンに変わるキャラクターは、何かないかな？」
「アンパンマンはアンパンチという暴力を使ったからいけなかったんですよね？
じゃあ、平和的にバイキンマンをお金でもって買収して大人しくさせる
【大金マン】というのはどうですか？」
「そんなの放送したら、子供がみんな、
時代劇に出てくる越後屋みたいになっちゃうからダメだよ」
「では、今年のボジョレー・ヌーボーをバイキンマンに飲ませて
酔わせて大人しくさせる【解禁マン】というのは？」
「子供向け番組で、お酒を使っちゃマズいだろ。
もっと健康的なキャラにしないと」
「健康的なキャラですか。
じゃあ、いつも上体反らしで体を鍛えてる【背筋マン】というのはどうですか？」
「筋肉では何の解決にもならんだろ？
子供が共感できるようなキャラはないのか？」
「あ、近頃の子供は室内でゲームやパソコンをやってる子が多いですから、
ずっと屋内で働いてる【内勤マン】ならいいんじゃないですか？」
この会議、なかなかまとまりそうにないですね。


微笑亭さん太