mixiユーザー(id:10719871)

2019年09月26日01:15

163 view

三毒史

椎名林檎の「三毒史」を購入。
椎名林檎のアルバムを買うのは久しぶりで、買った主な理由は、エレカシ宮本とのコラボ曲が入っているから。
宮本以外にも、トータス松本、向井秀徳、櫻井敦司などの錚々たるメンバーとのコラボ曲が収録されている。
これだけの強者をコラボゲストに迎えつつも、内容は100パーセント椎名林檎ワールドである。
それぞれのコラボゲストの個性を生かした上で、完全に自分の色に染め上げてしまうというのは、並大抵の才能ではない。
改めて椎名林檎、畏るべし、と思った。

ジャズ、シャンソン、昭和歌謡、エレクトロ、パンクといった雑多な音楽性が渾然一体となって、椎名林檎流の「ロック」が鳴っている、という印象。
その濃密でカオティックな音世界は、他の追随を許さない圧倒的なオリジナリティを感じさせる。
そこで繰り広げられるのは、どろどろとしたけだものの如き人の性。
そう、所詮人間なんて一皮むけばけだものなんだよ、と。
でも、そうであるからこそ、人は美しくもなれるんだよ、と。
そこには、潔癖化する一方の社会風潮に対するカウンターとしての批評性を感じる。
ロックというのはやっぱりこうじゃないと。

どの曲も聴きごたえ充分で、捨て曲ゼロ。
さらに曲間がほとんどなく、切れ目なしに曲が続く構成になっていて、アルバム全体で1曲のような印象も受ける。
ただの曲の寄せ集めではなく、「アルバム」という作品なんだというアピールをそこに見て取れる。
そのへんんも楽曲単位で聴くのが主流になっている現状へのカウンダ―であろうとしているように見える。
まさにアルバムとして聴かねばならない「ロックアルバム」のマスターピースだな、と。

では、アルバムのオープニングを飾る「鶏と蛇と豚」を紹介します。




2 13

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する