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2019年07月31日00:29

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和歌浦日帰り紀行2 妹背山

 28日日曜日は国道42号線の旭橋を渡り、和歌浦の北岸を西進しました。
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 前日の台風6号の影響か、水はかなり濁っていました。
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 やがて、本来の和歌浦の中枢だった妹背山が近づいて来ましたが、本土と島を結んでいる三断橋の様子が変です。
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 なんと、工事中で「通行止め」になっています。通りがかった地元の人に聞くと「土日は工事をしてないから島へ渡っても大丈夫」との事でしたが、去年の台風20・21号で橋が破損してしまったそうです。
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 三断橋は、初代紀州藩主の権大納言徳川頼宣(ヨリノブ)が慶安2(1649)年に架けた砂岩製高蘭付の橋脚で、何度も補修されていますが、県内最古の橋とされています。明帝国の杭州西湖の六橋を模したとされます。
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 それにしても、かなり酷い損壊状態ですね…。
https://www.google.com/maps/place/%E8%A6%B3%E6%B5%B7%E9%96%A3/@34.1871387,135.1715843,17z/data=!4m13!1m7!3m6!1s0x60074d67fd10d8ef:0x4935eb364880ef03!2z44CSNjQxLTAwMjMg5ZKM5q2M5bGx55yM5ZKM5q2M5bGx5biC5paw5ZKM5q2M5rWm!3b1!8m2!3d34.1864602!4d135.1576376!3m4!1s0x60074d11b9506f41:0x4fa76de9f5c5015!8m2!3d34.1874201!4d135.1747359
 さて、妹背山は、かつて玉津島と総称された和歌浦内の六つの小島の最東端に位置し、現在でも島嶼(トウショ)の形態を残している玉津島唯一の地です。周囲は約250m、標高は14.4mの泥質黒色片岩の島です。海中に位置しながら、島内の井戸からは真水が湧出しています。これは、雨が地下に浸透して、より比重の重い海水に混じる事無く拡散もせず地下に蓄えられる淡水レンズ現象が生じているためと考察されています。
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 慶安2(1649)年には頼宣の生母養珠院(お万の方)が妹背山に法華経を書写した経石を納めた石室を造り、その上に小堂を建てて日蓮宗妹背山海禅院が創建されました。その前年が徳川家康の三十三回忌だったため、養珠院は衆生(シュジョウ)の慰霊救済と天下静謐を祈って発願、彼女に賛同した後水尾上皇から庶民に至る全国の身分を問わぬ人々から経石が奉納され、総数は20万個にも達したとされます。
 養珠院の没後、承応2(1653)年に頼宣は小堂を二層の多宝塔に改築、拝殿と唐門を建立しました。その結果、妹背山全体が海禅院の境内となったのです。その後、海禅院は養珠寺の末寺になり、紀州徳川家の庇護を受けていましたが、檀家が無かったため廃藩置県後は荒廃してしまい、多宝塔を残すのみとなって、紀州徳川侯爵家の意向で白雲山報恩寺の末寺となっています。島内の大半は旅館あしべ屋妹背別荘の敷地となりましたが、明治36(1903)年にはあしべ屋妹背別荘へ嘉仁(ヨシヒト)皇太子(後の大正天皇)の行啓(ギョウケイ)が成されています。あしべ屋妹背別荘は大正14(1525)年に廃業、建物は現存していますが、やはり去年の台風21号で外壁が大きく損壊してしまいました。
 帰宅後に調べてみたら、こんな状態だったそうです。
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 三断橋を渡って島に降り立つと経王堂があります。平成23(2011)年に市民団体妹背山護持顕彰会によって再建されました。
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 県道151号線のあしべ橋(新不老橋)です。
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 島の東側に観海閣があります。
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 海禅院創建と共に設けられた櫓で、満潮の際には東半が海中に建つ形になります。江戸時代から庶民に開放されており、紀三井寺への渡し船乗船場にもなっていたため、和歌浦の中枢施設として賑わっていました。
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 しかし、昭和36(1961)年の第二室戸台風で倒壊してしまったため、昭和38(1963)年にコンクリート造で再建されたのです。
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 観海閣からの紀三井寺方面眺望です。
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 観海閣から臨む片男波です。
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 海禅院多宝塔〔和歌山市指定文化財〕です。高さ13mの木造本瓦葺です。平成16(2004)年妹背山護持顕彰会が多宝塔下の石室内調査を実施、全国の大名や地元の庶民が記した経石15万個と養珠院の物と考えられる遺髪が発見されました。
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 多宝塔脇から妹背山頂へ登る道があります。僅か標高14.4mに過ぎませんが、海中の小島ですから360度の眺望が開けます。
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 左から片男波・あしべ橋・不老橋です。
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 明光浦(アカウラ)十景では《蘆洲鳴鶴(ロシュウメイカク)》として選定された地です。
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《続く》
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