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2019年03月22日10:08

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【本】真藤順丈著『7日じゃ映画は撮れません』実業之日本社文庫刊

皆様、お早うございます。真藤順丈先生の大作『7日じゃ映画は撮れません』実業之日本社文庫をつい先程読み終えたところです。早速ですが、その感想です。



映画への制御不可能な愛と情熱が迸る圧倒的巨編! 亡き恩師からいわくつきの脚本を託された若き映画監督・安達雄矢。“天使”にまつわる物語を本編(ホンペン)として完成させるべく、安達は奔走。助監督、撮影・録音・衣装・美術・照明を担う異能の映画職人たち、そして、個性派俳優、プロデューサーが集結する。

前半は各パートの方々の短編が纏まっていて、後半でそれらのスタッフ・キャストが一同に会して『アンダーヘヴン』と言う一本の映画を撮る設定になっているんですが、作者である真藤順丈先生が一人でオールスターキャストをやってのけた「小説の形をした映画」では無いかと思った次第。全部で600頁を超えているんで数日掛かりで読了したのですが、ありとあらゆる映画も網羅されているし、引用された映画の本数たるや360本以上。読むのに時間が掛かったのはその映画一本一本に添えられた注釈を読んでいたので通常の倍位時間が掛かったのでありますが、小説としても桁外れでして二段組の台詞の応酬は出て来るし、通常の脚本スタイルの「劇中劇」は登場するし「映画小説」として区分けされているけれどもそれだけに収まらないスケールに満ち溢れております。

この本を読みながら思ったのは、故、佐藤英明監督にこの本に描かれている内容がどこまで真相に近いのかをお伺いしたかったことでありまして、この本が出たのが2014年の事でしたから出てから直ぐに読んでいれば間に合ったかも知れないと思うとそれが惜しい事でございました。

最後になりますが、『宝島』で第160回直木賞を受賞された真藤先生の代表作の一つとして、この本は歴代読み継がれることになるんだろうなぁと思ったのでありました。
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