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2018年12月28日12:02

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東京喰種トーキョーグール:re 最終章

金木研「俺(僕)は――─ 隻眼の王だ」

アニメ全48話見終わったレビューと感想を、描いた金木くんの絵などと共にまとめる。

■レビュー。
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少年漫画原作で、TV放送合計4期分の大作。

人肉以外ほとんどの物が食べられず、人を襲う喰種が社会に紛れ存在してる世界で、人間と対立するバトルもの。
喰種は赫子(カグネ)と呼ばれる個体ごとに違った捕食器官を持ち、能力バトル的要素がある。
戦闘能力が高い喰種に対し人間達の対処方法も変化していくリアルさも見所。

主人公、「金木研」は事故に遭い、人間から喰種にされてしまう事から人生が一変してしまうというどうなっていくのか気にさせる冒頭内容。
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命の奪い合い故の怒り、悲しみ、復讐など感情のドラマも描きながら徐々に明かされていく世界の真実。
喰種の厳しい世界を知り、中間だからこそお互いの気持ちが分かり理解出来る金木くんが、この世界に出す結論、最終的に人間と喰種の関係がどうなっていくのか気にさせる内容で楽しめた。

最も魅力的部分はその設定と、キャラデなどの尖ったかっこいい感じのデザインだな。
見た目だけじゃなく中身もあるかっこいい作品ってのはほんとに少ないから貴重。
作画が安定して綺麗なのもデザイン重視の人には嬉しい所だろう。

一期に関してはかなり良作だと思う。
■関連LINK:一期のレビュー:http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1935306076&owner_id=5239087

OPも映像がかなりセンス感じて素晴らしい。


ただ、二期以降暗い内容で盛り上がりが少なかったり、三期以降戦闘作画がやや物足りない部分も。
二期が一番暗く、三期は一期のノリに結構戻りギャグもあったりする。
最も致命的な欠点は最終章の端折り、駆け足感。
キャラがかなり増えていくのにこの構成だと脳が追いつかないし物語に入り込みづらい。
強引に終わらすために詰め込んだ製作側の事情を感じる。

期ごとに評価すると、一期【S】、二期【A】、三期【A】、四期【B】くらい。
総合評価だとランク【A】くらいだろうか。
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惜しい点あるけど、ちゃんと金木くんと世界の結論出してしっかり終わったから充分いい作品だと感じた。



■ネタバレ有り感想(長文)。

なかなか楽しめたし考えさせられた。

強い喰種に対して奪い武器にするクインケ、取り入れるクインクスなど人間側の対抗手段の変化や進化がリアルだし面白いと思った。
ランク高い喰種のカグネはデカイモンスターみたいになるのも意外だしインパクトあって良かった。

結構良かったんだけど惜しい点が気になる。

綺麗な画を保つために仕方ないんだろうけど、三期以降止め全身絵にシュパパパって剣戟エフェクトだけ出すRPGゲームっぽい省略戦闘演出結構あったのが微妙。
アニメなんだから戦闘をしっかり動かして欲しかったな。
あと最終章の主人公の形態がどんどん進化していく理由が弱くご都合感あった。

以降は良かった点や疑問に思った事など。

■主人公、金木研について。
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こうやって見ると毎期ごとに姿が大きく変わってるのが分かりやすいな。
考えて見ると、作品内容がそのまま姿とキャラに反映されてるな。

最初は年相応の内気などこにでもいる少年。
一期ラストから二期は、喰種の環境に適応するために喰種の面が強く出てる。
三期は記憶を失ってるが、人間側のCCGに所属する事で本来の金木くんが正当進化した感。
最終章では統合され達観したような冷たいキャラになった。
後半ではさらに本来の優しい金木くんの面が強くなって本来の自分に戻った感あるが、戦闘でピンチになると二期の頃の面影が見える。
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これまでの流れ、経験が最後の金木くんを作り上げたんだなと感じられる。
最後旧多に言われて気づいたが、失敗し続けてる人生だったんだなと。
全力で抗ったのを感じさせたし、苦しみもがき続き続けたこの作品に合った良い主人公だったなと感じた。

デザインやキャラは一期ラストから二期の金木君か、三期の琲世が良かった。
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■喰種について。
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存在自体が悪とされ、生きる事を許されない。
迫害される人間に近くも感じる。
厳しい環境は、動物のような弱肉強食の世界に感じる。

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月山「僕らは平等な肉袋 弱きは這い 強者が喰らう
むしろ生物全体で見れば人間の方が多くの命を摘んでいる
彼らと違って“喰種”はヒトしか殺さない」

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霧嶋絢都「弱い奴に何が守れる誰が救える
力が無きゃ奪われるばっかりだ
お前の“羽”じゃどこへも跳べない」

望む結果を手に入れたいなら力で勝ち取るしか無いって事実は、絢都や一期ラストに変わるしか無かった金木くん見てるとよく分かる。
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■人間と喰種の対立と、考えさせられた点■

人間側は喰種を化物、悪だと決めつけ言葉を聞く事も無いから理解もしない、それが大半の人間だった。

■芳村(マスター)「誰かを殺していい理由など存在しない
命を奪う行為は等しく悪だ」
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これは喰種だけじゃなく生物全てを否定する発言とも言える。
喰種が生きるのを悪とするなら全て悪となるって事も感じる。


■真戸呉緒「狡猾である事だ。正義の下であればどんな卑怯も許される」
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矛盾してる感あるが、正義という免罪符があればどんな手段でも許されるという非情さを見せていた。
三期でもキジマ式などのエグい殺し方をするキャラクターでその是非を投げかけていた。

人間側は喰種に何をしてもいいって事に使われたが、果たして本当に正義なのか。
共存を考えず無意味に攻撃する奴が本当の悪なのでは。


■復讐の連鎖。
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喰種に対して非道な真戸関係の因縁で描いていた。
キチガイ殺人鬼みたいだったが、部下に対してはいい人で、過去に妻を喰種に殺された被害者だったという事実が後で分かる。
真戸に両親を殺されたヒナミちゃんをトーカちゃんは真戸を殺して守るが、今度は真戸の娘が成長し喰種捜査官となって復讐し返す形に。
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真戸の娘と同じ状況になってる優しいヒナミちゃんで殺し合いを否定するには我慢しやめる事を見せ思い留まり、我慢する事が正解という一般的よくある結末を見せた。

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だが俺はそうじゃないとここでも主張する。
狭い範囲の復讐において正解は簡単に分かる事だと思うが、数字に置き換えれば分かりやすい。

この場合の間違いは真戸にある。
何故かというと、カテゴリーという広い範囲で見てるから。
復讐ってのは正しくピンポイントでやってこそ意味があり正しい復讐、制裁足り得る。

妻を不当に殺した喰種はマイナス1になり、真戸はその喰種に対してプラス1され、殺す権利がある。
お互い0の正しい形に戻してここで終了。
以降関係無い喰種を殺した時点で真戸はその喰種と同じマイナス1され、ヒナミちゃんは復讐する権利が発生し、トーカちゃんが正当防衛で代わりに復讐終えたのでそこで終了。

真戸の娘は真戸のマイナスが0の正しい形に戻っただけで権利が発生してないから復讐する権利は無い。
加害者が正当に裁かれただけの制裁に対しては不当な逆恨みでしかないから。
だから我慢するのは不当に奪われた側じゃなく、奪った側。
被害者側が我慢するのはおかしく、加害者側が我慢するのが当然で正しい。


■相互理解の重要性。
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警官の亜門は喰種の言葉に耳を傾けられる数少ない人間だったが、結局お前らは間違っているという人間側視点だけの存在否定結論しか出せなかった。
それに対し金木君は、この世界は間違っていると否定した。

理解出来る人間として描かれるのかと思った亜門が二期で死んじゃってマジかってなったな。
最終章で喰種として復活した事で、金木くんの気持ちが理解出来て同じような答えになったのは必然に感じた。
親しい人が喰種だったか喰種になった人間は理解が深まって行くのは、見る視点を変える、情報や想像する事が大事だと感じさせる。

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■西野貴未「もし自分が“喰種”に生まれてたら私は人を殺していたと思う。
私は…たまたま人間に生まれただけで綺麗に生きる事が許されてる」

これが人間側の出すべき結論じゃなかろうか。
そもそも綺麗に生きてると思ってるだけで、他の動物殺して食ってんだからあんま変わらないけどな。
ただ殺す行為を他のシステムに置き換え可視化してないだけで。

最終章では、ラスボスの計画の内なのか人間を喰種にする毒を散布して同じ立場にしてやるってのはおもしろいと思った。
同じ苦しみ(自分らの罪)を自覚させる、ただ人間として産まれただけで運の差でしか無く、お前らは正義でも何でもねぇよっていう事実を突きつけてやるのは気分爽快だったんじゃなかろうか。

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理解させる事を阻む、CCGなどの情報隠蔽が間違った世界にする歪みの根幹だったんだなと。
正義の組織に見えて、その実上の方は喰種の巣窟だったってのは創作で結構見るパターンではあるが意外だった。
喰種が人間社会で生きるために狡猾に取引、他の喰種を犠牲にする事で利益を得ていたってのは自己保身も兼ねてて凄く人間らしいリアルな真実だった。

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金木くんの名言とされてる、「僕は思う。世界が間違っているとすれば、歪めているのは・・・この世界に存在するものすべてだ。」
って発言も、最終的に自ら否定してるし。
間違った復讐と一緒で広いカテゴリーで見るから間違ってしまう。
問題点は正確に見るべきだし、たった一つの歪みが波紋のように全てを狂わせそう見せてしまうって事も感じる。

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金木研「必要なのは“ちょうどいい距離”なんだと思います
お互いの存在を蹂躙するんじゃなくて少しでも尊重し合えるぐらいの」

これが最善の答えなんだろうな。
俺もかつて出した最善の結論は、違う奴とは住み分け、干渉しない事だった。
喰種の場合は食人衝動だけが問題だから、クローン人肉とかで物理的問題解消する必要あるけども。
結局そこをどうするのか描写されなかったような。


■一部キャラ個別感想。

■月山
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一期のハイテンションホモキチ感がめっちゃおもしろかったw
中の人の宮野ハマり役すぐるwww
だがどんどん変わっていく金木くんと厳しい環境で鬱状態になっちゃったのがなぁ。
後半で一期のノリ取り戻すのは良かったけども。


■ひなみちゃん。
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一期で母親殺される話はキツかった。
三期で強く成長、母の死から出した結論は、相手を殺すのでは無く守る事に命を賭けたのはちゃんひならしいなと。
感化された金木くんが助け返すために戦うシーンは熱く盛り上がって良かった。
金木くんはその行動に疑問持って、再び喰種側になって考え共存する道を選ぶきっかけになる根幹のいい展開だったと思う。
処刑されそうになってる展開はハラハラした。
助けるために死ぬ覚悟決めた金木くんに、嬉しいけど悲しいよって泣くシーンはちゃんひならしさが良く出ていた。

■トーカちゃん
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オタ受け悪そうだけどツンデレの亜種で良かったと思う。
今の時代は特にデレ多めのばっかだけど、こういうツン多めの方が魅力感じるしむしろこっちが本来のツンデレじゃないかと俺は思う。
一期では強めで活躍してて良かったんだが進む程空気化してったのが惜しい。
最終章は完全ヒロインポジな感じにシフトして相応だった。

■才子
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ニートオタ系でキャラ付けや描写かわいくて、三期の良いテコ入れ追加キャラだった。
最終章で瓜江といつの間にフラグたってたのか、恋愛方面やるキャラだとは思わなかった。
最初の印象通り萌えキャラのままのが良かったんでは感。


■有馬貴将
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圧倒的強キャライケメンで、見た目やキャラが俺が思う強キャラ像に凄く合致して良かった。
金木くんを殺さなかった理由気になってたが納得いく理由だったし、正体も意外だった。

■旧多
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普段のチャラい感じがイラつくし陰湿で残酷な手使うとこも不快だった。
こいつが最終的なラスボスになるとはなぁ。
人間に対する強い恨みや怒りを持つ過去エピソードでもあるのかと思ったらそうでも無く、ただの破滅願望に近い愉快犯みたいな奴って事だろうか。
まぁ喰種だから相応の苦しみがあった故に普通に生きたかったって言ったんだろうけども。

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全部価値も無く無意味だしくだらない世界って考え方も疑問だな。
誰もが最後は死ぬからたしかに無意味になるけど、それまでの過程に意味も価値も見出すもんだしな。
結果しか見ない効率厨みたいなつまらない感性に感じる。
日本人にこういう奴多いイメージあるけども。
主人公の人生を失敗続きで同じ無意味だと思わせようとしてたが、結構な奴守って生存させたから無駄じゃない。
攻撃し貶める事しかして来なかった旧多との違いに感じる。
全てがくだらなく見えるのは、旧多自身が自分が無駄でくだらないと考えてるからかもしれない。
自分すら楽しませられない奴だとたしかに意味も価値も感じなくなりそうだし、全てが色褪せて見えてしまうかもしれない。
自分で世界はおもちゃ箱と言ってるようにいろいろあるから、全てくだらなく感じるってのはまだ発見出来てないものがあるか自分の感性の方に問題があるとしか。
俺も世界とかほとんどの事が大半どうでもいいと思うが全てがくだらないとは思わないし、意味とかもどうでも良くて、自分が楽しめるかどうかの過程が全てだと思ってる。
無駄でくだらない世界だからこそ楽しい物が必要だと思うし、実際にあるし無ければ自分で考え作り出すべき。
古多には過程に目を向ける事、つまらないならおもしろくしてやるっていうクリエイター魂が必要だったんじゃなかろうか。


■OPED

OP曲は三期が一番好みかな。
ED映像は三期のが才子がかわいくていいと思う。


以上。
長くやってた作品だから思った事適当に書いてたら随分長くなってしまったな。
なかなか楽しめる良い作品だった。
製作者達GJ!!


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