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例年ならサンマの水揚げは10月には道東から三陸に移り、北海道での水揚げは途絶えることが多いが、今年は10月末になっても連日道東でのサンマの水揚げが続いていた。
そこで、最後にサンマで一杯やりに行こうとクルマで根室へ向かっていた10月27日土曜日は暴風雨になった。
予定では十勝の広尾まで行って昼飯に今が漁期真っ盛りのシシャモを食べるつもりでいたが、あまりの豪雨に気を取られ、札幌市内で道を間違え時間をロスしてしまい、苫小牧から日高道に入るとものすごい横風で時おりワイパーが浮き上がって拭えなくなり前が見えないような状況の中を運転し、さらに時間を食ってしまった。
こんな天気の中を運転して行ったら、広尾に着くのは昼食時間帯を過ぎてしまいそうだ。
そこで、11時を過ぎた胆振の鵡川でもシシャモはあることでもあり、予定を変更して昼飯は鵡川で食べてしまうことにした。
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鵡川でシシャモの寿司と言えば有名なのは「大豊寿司」だが、シシャモの握り寿司を世に広めた先代はすでに引退し、親族でもない後継者が引き継いだにもかかわらず、現在も超人気店であり、どうしても「大豊寿司」で食べたいわけじゃないから今回はパス。
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代わりに、鵡川でシシャモづくしができる店として近年は評判になりつつある寿司割烹「灯泉房」へ。
暴風雨で空いているかと思ったら、開店10分後で駐車場は自分が停めたらあと1台になった(写真1)。
入口ではししゃもをアピールしている(写真2)。
単品のシシャモの寿司などもあるが、「灯泉房」ではシシャモづくしが楽しめる
「ししゃも御膳(税別3500円)」がある(写真3)。
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5年前は税込3000円だったが、値上がりして今は税込だと3780円もするが、めったに来ないんだからここでケチッてもしょうがないから、奮発して「ししゃも御膳」を注文。
これはすごい。
右側手前から、まずはシシャモの刺身が半身が4枚。
鵡川でシシャモ漁が行われる1ヵ月ほどだけの味覚で、適度な脂と甘味もあって新鮮で旨い。
右側中央にあるのが香の物(みかん)とシシャモの骨せんべい、右側いちばん向こう側にはシシャモのマリネが盛られている。
シシャモの骨せんべいは箸休めにちょうどいい。
シシャモのマリネは酸味があるのでシシャモの味は分からないと言えば分からないのだが、大きさ的に同じくらいのワカサギのマリネより脂を感じるし、やっぱり旨い。
マリネはメスで、腹には卵も詰まっている。
写真を撮るのを忘れてひと口食べてしまったが、左側いちばん向こう側にはシシャモフライ2尾と干しシシャモ1尾。
フライは大きめのシシャモが使われている。
フライはオスで、衣はサクッと揚がった中の身はふっくら柔らかく、クセがないので何もつけなくても旨い。
そして定番の干しシシャモをよく見るときちんとはらわたを取ってあり、非常に丁寧に扱われていることが分かる。
干しシシャモはメスで、小さいながら腹には卵が詰まっておりおいしい。
左側中央にはシシャモの握り寿司が3貫。
1貫に半身1枚だが、十分な大きさで、おそらくオスだろう。
握られているのは刺身だが、噛むごとにシシャモの味わいとさっぱりした酢飯が口の中で混じり合い、やっぱりシシャモの寿司は旨いな。
左側いちばん手前にはシシャモ飯。
茶飯の上にシシャモの甘露煮が乗っているのかな。
これもきちんとはらわたを除去されている。
見事なのは、これもメスだったが、はらわたは取ってあるが卵はしっかり残してあり、すごい技術だと思う。
最後に尻尾の部分はご飯と一緒に食べたが、ほんのり甘いシシャモの甘露煮の風味が広がり幸せな気分になる。
そして、ここまでやるかと感心するが、北海道の郷土料理の三平汁は普通はタラだが、三平汁もシシャモである。
味自体は特筆するほどでもないが、「シシャモづくし」感を実感でき素晴らしい。
シシャモ料理8品を堪能し、完食すれば量も十分で満足である。
税込3780円もするが、それだけの価値のある鵡川「灯泉房」の「ししゃも御膳」だった。
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