物理のハナシ
Forceとは"力"
この次元にあるのが、電圧、圧力、トルク…など
Powerとは"仕事率"
["仕事＝エネルギー"なので仕事率は言い換えると単位時間あたりのエネルギー]
この次元にあるのが、電力、馬力…など
"力"の2乗となる次元。
んで、デシベルはPowerの次元で単位化されてるので、
電圧単位で求めるときは、ログの中の2乗が外に出て
20×LOG(電圧比)となるワケです。
これ関係でよくよく話題になるのが、原動機のトルクとパワーのハナシで、
パワー(kW) = 2π x トルク(N・m) x 回転数(rpm) / 60 / 1000
SI単位に直すのにややこしい単位補正の計算が入るものの、ポイントはパワーがトルクと回転数の積になっている点。
トルクがあっても回らない原動機では仕事率が低いし、高回転回ってもトルクの細い原動機も同様に仕事率が低い。
トルクがあってよく回る原動機となって高い仕事率が発揮されます。
K20サイコー！！
ここから視点を変えてクルマの0-100km/h加速を考えます。
分かりやすい例として車重500kg、車重1,000kg、車重1,500kgの3種類のクルマがあって、それぞれ同じく5秒で0-100km/h加速する場合、
��500kgのクルマの場合
100km/h到達時の運動エネルギーが192,901.23J
5秒間でこの運動エネルギーに到達するので、仕事率(パワー)は
192,901.23J÷5sec=38.58kW 馬力換算で52.47PS
��1,000kgのクルマの場合
100km/h到達時の運動エネルギーが385,802.47J
5秒間でこの運動エネルギーに到達するので、仕事率(パワー)は
385,802.47J÷5sec=77.16kW 馬力換算で104.94PS
��1,500kgのクルマの場合
100km/h到達時の運動エネルギーが578,703.70J
5秒間でこの運動エネルギーに到達するので、仕事率(パワー)は
578,703.70J÷5sec=115.74kW 馬力換算で157.41PS
ここで求めている値は実質の仕事率(パワー)なのですが、加速に要する5秒間の平均となる値です。
つまり原動機が5秒間一定でこの値の性能が維持できれば0-100km/h加速5secが達成できるワケです。
割と低い値で良いことが分かります。
しかし現実はそうはいかず、ガソリンエンジン、マニュアルトランスミッションの場合を考えると、エンジンの回転数は絶えず変化し、トルクも変化し、瞬間のパワーが刻々と変化します。加えてクラッチ機構があればパワー０となる時間が存在し、全体でならす(時間平均をとる)と大した数値にはならないということです。
当たり前のことですが、マニュアルミッションの重い車で加速を速くしようとすれば原動機には膨大なピークパワーが必要になり、そのピークパワーの域をキープする技術も必要になります。
そして実加速の性能を考えれば、ピークパワーよりも加速時間において如何に平均的にパワーを出し続けるかがとても重要であることが分かります。
原動機のピークパワー(のみ)で語ることのナンセンスさも分かるかと…
加速性能を語りたいなら0-100km/h加速のタイムでお願いします。
つまり、低回転域からフラットで高いトルク特性を持続するモーターや、パワー断絶のロスを極限まで少なくするDCT、最高パワーを維持しようとするCVTは仕事率の効率が高
く、高い加速性能を実現することに対してとても効果的な手段ということです。
そしてやはり軽さがすべてということです。
GPSデータロガーで算出したパワーグラフを見ていて感じたことを書いてみました。
【参考】プリウスとはどう違う？ ル・マンを制したポルシェ919ハイブリッドの秘密
https://carsmeet.getnavi.jp/2016/07/26/16024/
途切れない加速を実現するモーターアシスト[BOOST表示]の威力に注目！！
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