[あらすじ] 家の北側の地下室は、前半を亡父が自作した。
その部分のモルタルが弱く、水漏れがひどかったのを2年前にずいぶんな費用をかけて修繕した。
そのモルタルの壁に、下地剤をまず塗った。
塗っていても、穴だらけだし凹凸が多いのが分かる。
穴は、気泡の跡だ。
板で枠を組んで、そこにモルタルを流し込み、トントンと叩いて気泡を抜くのだが、
その作業が足りなかったのか。
そりゃスカスカで、水漏れもしてくるわな。
既に混ぜてありすぐ塗れる状態になっている珪藻土を買ってきた。
左手に持つ板は、盛板(じょうばん)と呼ぶことを初めて知った。
鏝(こて)も買った。
ゴム手袋か何かをはめて、手でも塗ることができるという説明だし、
壁土が塗り方で模様になっているのも洒落ているような気がする。
しかし結局、珪藻土にそういう凹凸が有っても、ほこりがたまる場所になったり、
欠けてほころびるきっかけになるだけだろう。
それに、鏝を使って塗り始めてみたら、いかにきれいに平滑にするか、ということが
とても楽しい。
それにしても、元の壁の凹凸と穴ポコがひどい。
鏝で平滑にするなど、地がこれじゃ難しい。
珪藻土の塗り方の説明によると、まず薄く塗って、その上から重ねて塗るように書いてある。
しかし、凹凸が大きいのでこの「まず薄く塗る」ができない。
仕方ないので、完成より厚く塗って、それを均(なら)していくような順序で作業した。
こういう事に目が無い物好きなオット失礼、物作りの好きな友人が2匹もやって来て、
手伝ってくれた。
一人だったら倍の時間がかかったかもしれない。
一人が先に手で厚塗りし、その後を鏝の人が均していくのだ。
※
下地を塗った中で、ある一ヶ所の壁面に、カビがまた生えていた。
一昨年の修繕でも、しつこく湿気がにじんできた壁だ。
カビ取り剤をスプレーし、ここは後回しにすることにした。
さらに。
業者に入ってもらって作った部分は壁が丈夫で、水漏れは無い。
しかし、モルタル打ちっぱなしの壁にぴったり付けるように本箱を天井近くまで積み上げ、
本をぎっちり詰めてある。
正面から背表紙を見ている限りではなんともないのだが、
本を取り出してみたら、奥の側がカビていた。
がっかりだ。
床の掃除をしながら、壁際に寄って行ったら、カビ臭い。
床のカビかと思ったが、違う。
よく見たら、本箱からのにおいだったわけだ。
下の段ほどカビが多い。
壁からの湿気を、本箱とそれに詰めた本で、しっかりと吸収していた。というくらいなもんだろう。
また、たくさんの本を処分せねばならない。
アルバムなど、思い出の品々も有る。
本箱もカビてしまっている物はもう使えない。
一旦はこの地下室をさっぱりとさせねば、またカビを繰り返してしまう。
温度の低い今のうちだ。
今ならカビも活動停止中だ。
※
本箱をどかして、業者の作った部分の壁が露出したとき、そこはどうなっているだろう。
やっぱりカビているのだろうか。
こちらの壁にも、珪藻土を塗った方が良いのだろうか。
本箱は湿気をためる。
生き残った本をここに保管するとしても、金属のラックを買って、
設置するにしても壁から離し、本を入れるにしても所々隙間を作ろう。
とにかく、無事だと思っていた大部分がカビていたので、また
ずいぶんな量の作業が待ち構えている。
つまり
つづく・・・
ログインしてコメントを確認・投稿する