どうやったって歪んでしまう
前後してしまう順序と秩序に戸惑い
想い描いた世界と逆方向に流れる空気
許容範囲をこえた現象に対抗する措置なく
寝て食って思考停止する術を手繰り寄せる
おねがいだから
もうやめて
って言う
誰に
おねがいばかりの
夢
おねだりばかりの
一方通行
双方向な絶望を綱渡りで乗り切れたら
いっそのこと添い遂げよう
そんな力量皆無な我々に
なにを注入したら変化できる
無能の空気感を共有している
全能で万能な一瞬を叶えるために
貴重な時間をとことん食いつぶす
それだけ
それを否定されてしまったら
もうなにもできないから
朽ちたよろこび
もう一度だけ
はじまりの歌
どん詰まりの声で泣きわめく
おねがいだから
もうやめないで
って言う
執念深い信仰など無い窪んだ愛を
窪みに慈悲をください
米粒ほどの涙でいいから
おこぼれの恩赦を
ここでどうにか感じたいだけ
倒錯だらけの時刻に
命をちくたくと刻んでいるから
分断されずにのこる自我や自意識が
ちょっとくらい複雑怪奇でも
みんなどこか似ているような気がして
ちょっとくらい傷を分けてください
米粒ほどの悲しみでいいから
思いがけない人生の片鱗を
ゆらりときらめかせて
阿弥陀の籤の柄した蝶の羽を
指でなぞってくちづけ交わす
どこにも行けないように
どこかに行きたいように
どこにでも行ってしまえばいい
心の檻に閉じ込めた枷を
御守り代わりに羽ばたいてきて
いつでもここで待っている
いつまでもここで待っていた
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