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2017年11月09日00:39

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韓国ウヨクにお世話になりソヨ山に登る

11月3日(金)

旅館でのんびりと目が覚めた。
今日は移動日だ。

小雨が降るなかバスターミナルへ歩く。
ソウル行きのバスの時刻まで一時間以上あった。
停留所近くの売店で焼酎を飲む。

とにかくスキがあればどこでも酒を飲むオジサンたちだ。
外は大雨になってきた。
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11時、高速バスに乗る。
2時間半でトンソウルバスターミナルに着いた。
韓国も高速道路が整備されて、どこにでも簡単に行けるようになってきた。

ターミナルビルの3階でお昼ごはんを済ませる。
最初の晩に泊まったホテルへ行きチェックインする。

あとは夜まで各自自由行動になった。

一人で光化門の方へ行ってみた。
韓国最大の書店、キョボ文庫に来た。
もちろんハングルの本がたくさん並んでいる。

日本語書籍コーナーもある。
毎回来るたびに日本語の本や雑誌は取り揃えが多くなっている。
村上春樹や池井戸潤、漱石太宰などの古典文学などが平積みされている。
日本の田舎の本屋よりよほど充実している。

コミックコーナーには日本の漫画ばかり大量にある。
最近はどんなのが売れているのかよくわからないけど、なんかたいていのものはハングルに訳されているようだ。

それぞれ地元の韓国人が熱心に立ち読みしている。
こうやってみんな日本に興味を持ち、日本が好きになるらしい。
韓国には親日的な人が多い。
もちろん日本が嫌いな人もたくさんいて、そういう人の声が大きいから目立たないだけだ。
チョンガクの大通りにも反日な人たち宣伝をしていた。
日本でいうと嫌韓ウヨクのようなのだろう。
でも通行人は全員無視して通り過ぎていた。
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近寄って韓国語を解読した。
伊藤博文を暗殺した安重根の肖像を大きく掲げている。
彼らの主張は、日本の対馬は韓国の領土だから返還をしろ。
そのための署名を求めていたのだ。

わたしは熱心に読んでいた。
ウヨクにーちゃんが話しかけてきた。

「よかったら対馬返還の署名をお願いします」

「おれは日本人だよ。対馬は日本の領土だよ」

にーちゃんはビックリしていた。
やがて笑いながらいろいろ話しかけてきた。
椅子に腰掛けてしばらく韓国語で雑談をする。
これから夕食だけどおすすめの店はないかとか。

通りすがりの日本人が見たら、二人の韓国ウヨクが危険な会話をしていると思っただろう。

その夕食はみんなでインサドンへ行きパジョンを食べた。
チヂミの厚くて大きいやつだ。
当然ながらビール付きで。


11月4日(土)

予定が変更になり一日あまったのでソウル近郊のハイキングをすることにした。
どこに行くか侃々諤々の議論の末、ソヨ山に登ることになった。
北朝鮮国境に近い紅葉の名所だ。

地下鉄1号線を終点まで乗り継ぐ。
ホテルの最寄駅から1時間以上かかった。

9時30分、ソヨサン駅で降りる。
駅の前にはたくさんのハイカーがいた。
土曜日で紅葉真っ盛りだから、いちばん混雑しているのだろう。

駅前から大通りを渡り、舗装道路を山の方へ歩いて行く。
街路樹はモミジなどで真っ赤になっている。
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30分ほどでお寺の参道になる。
チャジェアンという寺号だ。
拝観料1000ウォンを払い、奥へ進む。

小さな滝があり、そこを階段で越えるとチャジェアンの本堂があった。
立派なお寺で、なんか法要が営まれていた。
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本堂の右手から登山道が始まる。
しっかりした階段で、ハイカーもたくさん登っている。
道がよくわからないので人通りが多い方へ登っていく。
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けっこう急な階段を登りきると尾根に出た。
11時30分、広くなって見通しが良いところで休憩する。
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尾根から先は広くなだらかな稜線歩きだった。

小さなピークを二つ越えてチュンペクンデ(540m)に着いた。
広場のような頂上だ。
たくさんの人がお弁当を食べている。
ちょうど12時だから、わたしたちもお昼ご飯にした。
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頂上にはトーチカが作ってあった。
窓は北向きで北朝鮮の方を向いている。
たぶん朝鮮戦争の遺跡だろう。
中に入って兵隊さんごっこをした。
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チュンペクデから先は岩稜になっていた。
とはいえ、よく整備された道だ。
ハイカーたちは普通に歩いていく。
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13時、峠に着いた。
もう少し先に登れば最高峰のサンペクンデだ。
でも時間がない。
下山が遅くなるとお昼の酒が飲めない。

リーダーの的確な判断で峠からの下山路を選ぶ。
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チャジェアンの本堂に戻ったのは13時30分だった。
また紅葉を楽しみながら戻る。

駅の近くの食堂へ入る。
豆腐料理の店だった。
いろいろ注文したけど、いちばん美味しかったのが豆腐キムチだ。
冷奴にキムチとニンニクを添えて食べる。
おかしな組み合わせだけど、これがもう最高だった。
日本でもぜひ試してみたい。
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帰りの地下鉄はハイカーで満員だった。
電車が来たら降りる人を待たずに先を争って乗り込む。
どうもそういうことに慣れていないので、われわれはずっと立ちっぱなしだった。
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夜はホテル近くの焼肉屋でサムギョプサルを食べた。
豚の焼肉だ。
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韓国最後の夜なので、これまで以上に酒を飲む。
ビール、焼酎、マッコリを嫌というほど注文する。
しかし今回も毎晩酒ばかり飲んでいて、何をしに韓国に来たのかわからなくなりそうだ。
さらにそのあとホテルの一室に集まり深夜まで宴会をする。


11月5日(日)

今日は帰国の日だ。
飛行機は朝9時発。

暗いうちにホテルを出る。
夜明け前のソウルの街は静かだった。
まるで二日酔いのように。


(おわり)
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