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2017年11月07日23:53

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韓国ソラク山のコクペグン沢登り記録

韓国へ沢登りに行ってきた。
以下はその記録。

10月31日(火)

9時30分、中部空港発ソウル行きの飛行機に乗る。
他のメンバーとはインチョン空港で待ち合わせだ。
今回は9人。
東京、名古屋、大阪、福岡からそれぞれ集まる。

わたしがいちばん先に到着した。
他のメンバーが出口から出てくるのを待つ。
全員が揃ったところで高速鉄道と地下鉄を乗り継ぎチョンノオーガ駅へ。
歩いてすぐのところにあるアットホームホテルにチェックイン。
ここは一泊3000円ちょっとで日本語も通じる宿だった。

荷物を置いてトンデムン近くの登山用品屋街へ買い出し。
夜はホテル近くの食堂でカルビ焼肉を食べる。
明日からの沢登りのため、たくさん食べて飲む。
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11月1日(水)

トンソウルバスターミナルからペクタンサ行きの高速バスに乗る。
約3時間でペクタンサに到着。
ソラク山の西側になる。
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専用バスに乗ってお寺のペクタンサ(百潭寺)に着いたのが11時30分だった。

ここは韓国でも有名なお寺だ。
韓国客で賑わっている。
広い境内を見学する。
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お寺の前の河原には無数のケルンが作ってある。
韓国では石を積むほど縁起が良いとされている。
わたしたちも面白がって韓国人と一緒にケルンを作った。
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お寺から奥が登山道になっている。
広くてよく整備された遊歩道のような道だ。
勾配も緩やかで、上高地あたりを歩いているような感じ。
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紅葉の季節にはちょっと遅かったけど、山はひんやりとしていて気持ちがいい。
韓国らしい緑と岩の景色が奥深くまで続いている。

すぐにボンジョンアンというペクタンサの奥のお堂に着く。
ここを訪れるのは15年ぶりだ。
そのときは古くて小さな建物が一つあるきりだった。
いまはずいぶんきれいに建て増ししてお接待用の茶店までできていた。
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さらに川沿いに歩いていく。
15時少し前にスリョンドンの山小屋に到着。
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韓国では山小屋に泊まるときはネットで予約しなければいけない。
でも面倒だからいつも飛び込みで行く。
断られたことは一度もない。

今回の管理人はちょっと融通のきかない人だった。
本部と相談すると言って電話をかけている。
山小屋は国家公園の管理だから、どこかのお役所の偉いさんに連絡しているようだ。

20分ほど待たされた。
その結果、二日後に天気が崩れるから明日下山することを条件に泊めてやるということだった。
どうせそのつもり、ありがたく手続きをする。

国営だから宿泊代は安く、ひとり800円だった。

夜は自炊用の建物でアマノフーズの食事。
その後は持ち寄った酒で宴会をした。


11月2日(木)

今日が本番の沢登りの日だ。
一般登山道から外れて沢の中に入っていく。
山小屋の管理人に気づかれたら面倒なことになる。

だから夜明け前に出発する。
5時に起きてお湯を沸かしラーメンを食べる。
6時15分、ヘッドランプをつけて歩きだす。

30分ほどで沢の入り口に着いた。
登山道の柵を乗り越え河原を登っていく。
一般道から見えなくなったところで渓流シューズに履き替えハーネスを装着する。

今回はコクペグン渓谷というのを遡行する。
この谷を登るのは3回目だ。
思えば20年ほど前、生まれて初めて海外の沢に登ったのがここだった。
それから5年後、名古屋の登山家有志を引き連れて2度めの遡行をした。
どちらも思い出深い。

その最初に登ったときのリーダーに今回も誘われた。
ひさしぶりにコクペグンへ行こう。

どうしてわざわざ3回も来ているかというと、世界一美しい谷だと思うから。
幅20メートルの一枚岩が川床になり500メートルあまりもナメ滝になっている。
両岸は切り立ち、その向こうには岩の峰が聳えている。

そんな絶景を見るために韓国までやってきたのだ。

でも歩いていくと記憶とどうも違う。
大きな岩がたくさん転がっている。
ゴーロ帯だ。
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どうも15年の間に豪雨や洪水で沢の形が変わってしまったようだ。
それでも最初の滝を越えるとナメ滝が現れる。
スッキリとした花崗岩の川床だ。
自動車が通ることができそうな滑らかな斜面を歩いて行く。
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途中で10メートルほどの斜瀑がいくつかある。
滑りやすい斜面のところではロープで確保する。
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10時、ペクンポッポに到着。
30メートルを越す大きな滝だ。
15年前までは右岸が草付きになっていた。
だから木の枝を掴んで適当に登っていけた。
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今回は岩がむき出しになっている。
ホールドはしっかりしているけど傾斜がきついのでロープを出す。
クライミングが得意な福岡の人たちにトップをお願いする。
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岩を登りきり藪をかき分けて登ると滝の落ち口に出た。
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この先はさらにナメ滝が続く。
ゴーロ帯のところには巻道が作ってあるので苦労せずに登っていける。
お散歩気分で沢を遡行していく。
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12時15分、ナメ滝が終わる。
支流があり踏み跡が続いている。
ここから稜線へあがることができるのだ。
天気が良ければナメ滝の終点でタープを張って幕営する予定だった。
でも明日は確実に大雨が降る。
ちょっと行程が長くなるけど今日のうちに下山することにした。

支流に沿って登る。
すぐに水の流れはなくなる。
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踏み跡は谷筋を離れ草付きの急斜面になる。
やがて緩やかなで明瞭な道になり一般道が走る稜線に着いた。
13時15分だった。

すぐに稜線の反対側に下山ルートがあった。
ハンゲリョンへ下る道だ。
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一般道だけあって丈夫な階段が作ってある。
でもかなり急な斜面で、二つの大きな登り返しがあった。
それぞれ100メートル以上も登っただろうか。
こういうときの登りは疲れる。
いちばん体力のない東京のオバサンなど足がふらついている。
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それでもなんとか全員がんばって下りてきた。
15時30分、ハンゲリョンのドライブインに到着。
大きな駐車場とレストラン、お土産屋さんがある。
観光バスも何台か停まっている。

ちょうど下りたところがレストランの入口で、観光客に拍手されてしまった。
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売店の人にバス停とバスの時間を教えてもらう。
16時、オセク温泉行きのバスが来た。
16時30分、オセクオンチョンのバスターミナルで下車する。

歩いて10分ほどのところに温泉街がある。
目に止まった古い旅館に飛び込み宿泊する。
一人あたり1300円の安い宿だった。
そのかわり大浴場がない。
100メートルほど離れた大きなホテルの温泉浴場へ行く。
日本のスーパー銭湯のような立派なところだった。

温泉から出て食堂街へ行く。
呼び込みのままに適当な店に入りビビンバとテンジャンチゲを注文する。
もちろんいっしょにビールも飲む。
地元で作ったドンドンジュもあった。
マッコリよりも濁りが多くて野趣あふれる酒だ。
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山奥の温泉街で9人の日本人は深夜まで酒を飲み続けた。
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(つづく)
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