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2017年09月19日19:44

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【旅】アメリカ旅行《弐拾壱》皆既日食6

という訳で、ダイヤモンドリングが出た瞬間この壮大なる天体ショーはお開き。
半年も前から飛行機と宿の予約をし、会社を10日間も休み、はるばるアメリカまで飛んで来て、それで観賞時間は僅か2分半。この2分半の為に大金と労力を費やした訳だが、それら全てを吹き飛ばして余りある魅力。ヘビー級のパンチを喰らって記憶が全てスッ飛んでしまったかのようで、全くぐうの音も出ないとはこのことだ。

人間の感覚ではとても想像すらつかないスケールの天体現象を目の当たりにして、我々がどれだけ小さい存在なのかを痛感する。
『相手にされない』なんてレベルの話ではなく、太陽からすればもはや我々人間など見えもしないのだろう。
人間から見たら虫は『気色悪い』などと毛嫌いされるが、バクテリアとかウィルスなどになると見えないのだから『忘れられている』。
そんなようなモノかもしれない。



2006年トルコの皆既日食を観終えた直後、留学先のロンドンから来た20歳の女の子は
『ケンさん、私宇宙とお話しちゃった』
と、力の抜けた笑顔で言った。

日本から連れて行った現役東大生のHは、眼を見開き口をあんぐりと開けたまま固まっていて、その頬を涙が流れ落ちていった。

今回一緒に行ったMはしばらく黙っていたが、やがて周囲のアメリカ人家族たちを見ながら、
『彼等は何なんですかねぇ、なんかフツウですけど、感動してないんですかねぇ』
とつぶやいた。
確かにアメリカ人家族たちの反応は随分と薄く、俺の眼にも奇異に映っていた。
ダイヤモンドリングと共に辺りが急速に明るくなり呆気なく皆既日食が終了すると、何事も無かったかのように振る舞った。
『おいジョン。エクリプスが終わったらちゃんと宿題やれよ。約束だぞ』とか
『アナタ、今日はご飯作るの大変だから、お昼はバーガーキングにしましょう』とか、そんな声が聞こえてくるかのようだった。

全くMの言う通りだ。ほんの少しだけ怒りがこもった彼の声音も解る。

アメリカ人てあまりにも雄大な自然の中に生きてるから、もしかして皆既日食も『その中の1つ』としか認識してないのかな。
まぁ、俺は全く何も気にならなかったけど。
感動しない人はそれはそれでいいだろう。
俺は感動した。
それだけで充分だからだ。

今回の皆既日食の解り易い動画があったので、それを最後に掲載しておく。
http://www.magarisugi.net/travel/post-1446/



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